第7話逆戻り
「もう朝か……二度寝ってダメなのかな」
昨日特訓したから、身体中が筋肉痛で痛いな。筋肉は酷使した後休めないといけないから、二度寝するべきだと僕は思うんだ。
よし、寝ようか!あっ、そういえば卵はどうなったんだろう。
「…………卵だな」
本当にモンスターいるのかな?てか、卵の中空っぽだったりして。そんな訳はないか、さすがに。
ハァ、考えても仕方ないか。
ご飯でも食べに行こう。
「ガチャ」
ぐっ、みんなの視線が痛い……。
気にしない、気にしない。
いただきます。やっぱり普通に美味しいな
心に染みる……。
「皆さん、ご飯を食べ終わったら私についてきて下さい。訓練の説明をします」
訓練か、魔法が使えるのかな?少し楽しみだな
◆
「皆さん集まりましたね。昨日は座学でしたが今日から戦闘の訓練をしてもらいます。各自ステータスやジョブでどこの訓練を受けるか決めなさい」
「敏捷、攻撃、防御が優れていて、近接ジョブの人は騎士団団長のジェイル・ザンにモンスターの能力が優れていて、ステータスが極端に特化したりしてない人は国唯一のモンスター使いのルイスさんに教えてもらいます」
「魔法は私が教えますので、では各自ステータスを見て移動を開始したください、後強力なモンスターを召喚した人は今日は強制的にルイスさんのところに行ってください」
僕は魔力が優れているからジェシカさんのところかな。シーフってことになっているから、近接に行った方がいいんだろうけどね。
「はい、皆さん集まったようですね、改めまして自己紹介をします。私が皆さんに魔法を教える魔導士団団長のジェシカです」
「初めは大体の人は、初期魔法しか使えないと思いますので、初めは魔力が無くなるまで魔法を使って下さい」
「初めは魔力量を増やし、イメージしながら使うことが重要です。では、ステータスに書いてある魔法名を唱えてください」
「始め!」
「ファイアーーボーール!! やべ、かっこいいな」
「ウォーターボール!」
「ら、ライト」
「ヒール……恥ずかしいなぁ」
よし、僕も「ファイアーボール」うおっ!手から火が出た!!こ、これが異世界!!
みんなも、初期魔法みたいだし良かった。
「あ、歩くん〜。歩くんは火魔法なんだね?」
「うん、初めて使ったけど驚いたよ。日向は回復魔法だからわかりにくいもんな」
「うん、私的には歩くんの魔法の方がいいんだけどな〜ファイアーボールって真剣に叫んでる歩くん可愛かったよ?」
「からかわないでよ!!」
「ごめんね? 怒ってる?」
うわ、上目遣いはずるいよ。はぁ、やっぱり日向には勝てないなぁ。
「別に怒ってないよ」
「さすが歩くん、懐が広いね〜」
あれ、涙目の上目遣いってやっぱり演技だったんだね。
「チッ、歩の野郎俺の日向ちゃんと仲良くしやがって。俺の風魔法はLv2なんだよ、これでもくらえ。ウィンドカッター」
「イタッ! なんで魔法が、、少し切れたな」
腕から血が流れてきた、少しヒリヒリするな。
「歩くん!! 大丈夫!? 今治すからね。ヒール」
この光なんだか暖かいな。
日向のかざした手から放たれた神々しい光が、僕の腕の傷をみるみる治していく。
「ありがとう、日向」
「どういたしまして、それにしても魔法が飛んで来るなんて危ないよね」
一体だれが魔法を飛ばしてきたんだろう、思い当たることばかりで逆に飛んできた魔法が一つで良かったのかもしれない。
でも、さっきの魔法使った人は絶対僕の魔法よりレベルが上だ。
もしかして、みんな使える魔法を隠しているのか?僕のスキルみたいに。
とにかく、命の危機を感じるから。身を守るくらいの魔法は必要だな。練習、、しなくちゃな。
「よし、みんな魔法は使えたようだな。今日はこれで終わりだこれから2週間は同じことをするからな。ゆっくり休んでおくように」
訓練は結構早く終わるんだなぁ。夜は暇だし、筋トレでもしようかな。
僕が訓練場から出ようとすると、不意に誰かに肩を掴まれた。
「おい、歩お前魔法の訓練の時に日向とイチャついてたみたいじゃねぇか。お前みたいなお荷物が日向に釣り合うわけないんだよ。
日向には俺みたいな選ばれた奴がふさわしいんだよ」
じ、迅……ヤバイ、逃げなきゃ!でも、出口は迅の取り巻きが。
「そうだ、そうだ」
「何でお前なんかが日向さんを……」
「迅のいう通りだ!!」
「歩お前はこれからは日向に近づくんじゃないぞ?」
無理だ逃げれない。
「近づいたらどうなるかこれから教えてやる、安心しろ回復の魔法を使えるのが1人いるから、何回でも苦しめるぞ?」
ハハッ、マジかよ……。最悪だ、この四人だけには関わりたくなかった。また、学校の時に逆戻りか。
「ファイアーバレット」
「ウィンドカッター」
「居合斬り」
「ヒール」
「ウガァッ、ガハッ…ゲホッゲホッ。も、もう、や……めて」
迅達による暴行は僕が気を失うまで行われた……。