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第5話召喚『サモン』

 

「勇者達よ、ここが生涯の相棒となるモンスターとの契約の間だ。ここでこの先共に歩む相棒を召喚してもらう」


 へーー、なんか魔法陣あるけどあそこに召喚されるのか?てか、魔法陣キラキラしてるな。

 何が、召喚されるのか楽しみだな。


「何が召喚されるんだろうな〜、歩はどんなモンスターがいいんだ?」


「え、僕? そうだなぁ……。僕のステータスは弱いから、強くて頼もしいモンスターがいいかな?」


 ドラクエのギガンテスみたいなね。


「あーー、ステータスか……。そうか強い相棒と出会えるといいな」


 絶対に同情したよね、そういえば聖のステータスってどんな感じだったんだろう。

 後で聞いてみようかな……。


「うん、そういう聖はどうなの? どんなモンスターがいいの?」


「俺か? 俺は一緒に戦える奴がいいかな。せっかく異世界に来たんだ、楽しく笑って過ごしたいな」


「聖らしいね、一緒に戦うか、僕は聖とは一緒に戦えないかもしれないけど。聖がいい相棒と出会えるように祈っておくよ」


「ありがとな、でも歩出来ないと決めつける前に挑戦してみろよな。

 訓練したら何かスキルが出るかもしれないし」


「うん、そうだね頑張るよ」


「よし、召喚の準備が整った勇者達よ今から準番にこの魔法陣の中に入り『サモン』と唱えてくれ」


「分かりました、僕から行きます」


「おーー、大輝殿かそなたなら伝説のモンスターを召喚出来るかもしれんなぁ」


 王様は嘘か本当か分からないような口ぶりで大輝の召喚を楽しそうに見ている。


『サモン』


 うお、大輝が立っている魔法陣が光ってる。


「ポンッ」


「「「は? 卵」」」


 えーー、ドラゴンとか期待してたのに卵?

 いや、大輝も戸惑ってんじゃん……。


「ピキッピキッ」


「ガァーーー!!」


「「「「おー!! すげぇー!!」」」」


 どうなってるんだろう……。

 大輝がサモンと唱えた後魔法陣が光って、卵が出てきたと思ったら卵が割れてドラゴンが出てきた。


 自分で言ってて訳がわからないよ!


 モンスターってあんな風に召喚されるの?ドラゴンだと思うけど、小さいなぁ。


 だいたい50センチくらいかな?真っ白な鱗状の肌と金色の眼が特徴的な小さな子ドラゴンが、おぼつかない足取りで大輝に駆け寄っていた。


 その光景はまるで、雛鳥が親鳥を見つけて駆け寄っていくようだ。


「おーー、さすが大輝殿だドラゴンを召喚するとは!! ドラゴンはモンスターの種族の中ではトップクラスであるぞ。それも聖属性のドラゴンとは」


 眼鏡をかけた、目の下にクマがくっきりと出来ている。30代半ばくらいの男性が王様になにかを言っているのが視界に入った。


 みんなは、初めて見る異世界のモンスターに興味津々で気づいてないみたいだ。


「大輝すげぇーー!! ドラゴンだってヤバいな」


 でも、ドラゴンかぁ。いいなぁ絶対強いじゃん。


「歩、スゲェな大輝の奴ドラゴンだってよ」


「うん、そうだね本当に勇者って感じだよね……」


「だよなぁ、今他の奴らも召喚してるみたいだけど大輝ほどのモンスターは召喚されてないようだぜ」


 ドラゴン以外のモンスターってどんなのだろう?


「ギャー、ゴブリンかよぉ」


「お前はまだいいだろ!! 俺はコボルトだぞ……」


「お前ら、俺の前で話すんじゃねぇ」


「あ、悪いお前はスライスだったな……」


 す、スライム。絶対に嫌なんだけど!?


「やった〜! あまり強くないらしいけどラビットだ〜可愛い」


「いいなぁ〜私も可愛いのがいい!」


 さっきの、眼鏡の男性がどんなモンスターなのか。召喚した生徒に簡単に教えてるみたいだ。

 だから、女子もモンスターの名前が分かったのか。


 聞いた限り、定番のモンスターばかりみたいだな。良かったステータスの時みたいに僕だけ弱いってことは無さそうだな。


「「「「おーーー!!」」」


 僕が安心して一息ついていると、魔法陣の方から大輝の召喚の時と同じくらいの歓声があがった。


「聖、なんか向こう騒がしくない?」


「あ? あー、さっきまでショボイのしか出てなかったから。いいモンスターでも召喚した奴がいるんじゃないか?」


 確かにそうかもしれないな。気になるし少し見てみようかな。

 僕が人混みを掻き分けて、魔法陣の方を見ると珍しそうなモンスターが2匹いた。


「おー!!(じん)殿はワイバーン、胡桃(くるみ)殿はハーピーを召喚するとは。大輝殿ほどではないがどちらも優秀なモンスターであるぞ!!」


 うわ、王様鼻息あらっ。


「いいなぁ」

「羨ましい」

「俺のゴブリンと変えて……」

「それをいうなら、俺のスライムとだろ」


 あの2人は、、女子の方は確か日向の友達の胡桃沢胡桃(くるみざわ くるみ)でもう1人は東間迅(あずま じん)だな。


 胡桃沢は、日向とは違うタイプの美人だ

 日向が元気っ子なら胡桃沢は清楚系美人だ。


 東間 迅は不良グループの中心人物だな。

 はい、僕はよくパシリさせてもらってます。目つきが鋭くて体格は聖よりガッシリしていて圧が凄い。


「歩聞いたか? あの2人けっこういいモンスター召喚したみたいだな」


「そ、そうだね。次は日向と聖の番じゃないの?」


「お、そうみたいだな行ってくるわ」


 よし、お祈りしよう!!聖と日向にいい相棒が出来ますように。


「「「「おーー!! すげぇ!!」」」」


 2人が召喚をすると迅と胡桃の時と同じく歓声があがった。

 一体2人は何のモンスターを!!


「日向殿はステータスも凄かったが。これは驚いた。ゴーレムを召喚するとわ。ゴーレムは古代のモンスターと言われていて、謎は未だに解明されていないのだが」


「ゴーレムはまだ様々な可能性を秘めた、希少モンスターなのじゃ。防御力もピカイチで後衛の日向殿にぴったりと言えるな」


「へー、そうなんだぁ。よろしくね? ゴーちゃん」


 日向の問いかけに答えるように一メートル程のまだ小さいゴーレムが、日向の差し出した手を握る。


「そして、聖殿はヒュドラであるか。ヒュドラはドラゴンに匹敵するほどの力を持っておる」


 そう言った瞬間、まわりは騒めき始めた。


「ただ、なかなか厄介な性格をしておることが多いから気おつけることだ」


 王様は意味深な言葉を残したが、聖には何となく理解出来たようで複雑そうな顔をしてヒュドラの頭を撫でた。


「あ〜、分かりました」


 2人ともすごいなぁ。

 なんなの俺の友達チートなの?


「最後は、歩殿であるぞ。魔法陣の中に入ってくれるか?」


「分かりました」


 ついに、俺の召喚の番か。

 今まで召喚されたモンスターはクラスメイト27人と先生1人で28匹


 ドラゴン系統が3匹


 古代モンスターが1匹


 レアモンスターのハーピーとセイレーンの2匹


 他の22匹はスライムからアイアンアントまでG〜Cランクのモンスターだ。


 確率は4分の1。


 頼む!強いモンスター。最強の相棒来てくれよ!


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