第4話突きつけられる現実
今回は少し短めです、すみません。
コンコンとドアをノックする音がした。
おそらく今は朝なんだと思う、まだ眠気で重い瞼を擦りながら意識を覚醒させる。
僕が、意識を覚醒させるのとほぼ同時にノックをした人物が事務的に話し始めた。
「アユム様朝食の準備が出来ました。他の皆様達も朝食を食べに向かわれたので食堂に向かってください」
「食堂はこの部屋を出て左に真っ直ぐ行き右に曲がるとあります、では二度寝をしないでくださいね? 私はこれで失礼します」
声の正体の人物は僕の専属メイドだった。
「もう朝かあまり疲れが取れてないな」
メイドの声を聞いたことで、自分がやはり異世界に転移していることを改めて実感させられた。
夢オチで実は転移してませんでしたー、とかじゃなかったな……。
「ステータス」
「……」
はぁ、やっぱり職業の欄は魔物使いのままなんだなぁ。魔物使い、昨日みんなの職業を見ていたけど僕以外にはいなかった。
異世界から来た人間は基本的にレアな職業の場合が多いから被らなかったのかもしれないな。
仕方ない、ここで考えていても時間が過ぎるだけ食堂で情報収集だ!
お腹が減っていると頭が空腹で働かないからな。
メイドが教えてくれた通りに歩く事1分、目の前に大きな扉があった。
たぶんここであってるよね?
「ガチャッ」
食堂と思わしき部屋の扉を開けて、中の部屋に入った瞬間に先に部屋にいた人達からの視線が突き刺さる。
「あ? チッ、朝日かよ」
みんな、僕の姿を見るやいなため息や舌打ちをして、各々自分の食事に再度とりかかり始めた。
なんで、部屋に入っただけで舌打ちされないといけないんだろう。
「みんな、歩くんをいじめちゃダメだろう? だって、僕たちみたいな優秀なステータスを持たない負け組の人なんだから〜」
「それも、そうだな俺らは選ばれた人間だしな」
「だから、これからの訓練は僕たちが歩くんのお手伝いをしてあげようね。ここは、異世界。過去のことは全て忘れて助け合わないとね?」
僕はその言葉を聞いた時に、吐き気が湧いてきてしまった。それとともに、悪寒と大輝達に対する憎しみがふつふつとわきあがってきた。
「あーー、訓練か。大輝頭いいな、助け合いか」
くそ、大輝達のことだ。絶対にろくなことが待っていない。
そこに、場違いなテンションでひとりの女の子がやってきた。
その子の目には、苦しんでいる男の子の様子が見えてないのだろう。
「あー、歩くん1日ぶりだね! 昨日はあまり話せなかったね〜」
「あぁ、そうだね昨日は色々あったからね。まぁ、僕はこっちに来て最弱認定されたけどね……」
「大丈夫!! 歩くんは私が守るから、戦いは難しいかもしれないけど、ケガしたら言ってね? だって、私は聖女だからね」
女の子に守られるって言われて悔しくない男がいる訳がない。
僕は、君に守られるんじゃなくて守りたいんだよ?
「ごめんね僕は弱いから、危なくなったら頼らせてもらうよ」
こうやって、また本当の気持ちを僕は隠していくんだな。
「俺も頼っていいんだぜ、歩」
自分の気持ちに嘘をついて嘘の仮面を被っている、僕の背後から僕の頭を1人の男がわしゃわしゃとしてきた。
「びっくりするだろ! 聖、いきなりわしゃわしゃしないで!」
突然のことで、心臓をバクバクさせながら急に驚かしてきた聖に文句を言う。
「ごめん、ごめん。でも歩俺らを頼っていいんだからな? 歩はいつも自分の気持ちを出さないからな」
「うん、ありがとう2人とも」
嬉しいけど、2人に迷惑はかけられないよ。
「よし、飯食いにいこうぜ」
「もう私お腹ペコペコだよ〜」
「そうだね、行こうか」
さ〜て、異世界の朝食は何が出るんだろう?
「こちらが、朝食になります」
え〜と、トロトロのチーズがのったパンと野菜とお肉のスープにフルーツの盛り合わせか〜〜。
なんか、普通だなぁ。
異世界の朝食どんなのが出てくるのか、心配だったけど普通に美味しそうだな。
他の人たちを見て見ても
「これ美味いな〜」
「いや、これ俺の家の飯より豪華だぞ?」
「美味しいね、フルーツ甘い!」
みんな、美味しいご飯を食べれて嬉しそうだ
「ふーー、美味かったな歩」
「あぁ、日向なんかお代わりしてたもんな」
「ぶーー、だって美味しいんだもん」
「勇者達よ、我が国の食事が口にあったのなら良かった、
そなた達にはこれから、そなた達にらそれぞれのモンスターと契約をしてもらう」
「付いて来なさい」
あ、すっかり忘れてた。女神様が言ってたな〜
でも?手元に自動的に送るって言ってたけど送られてないよな?
どうなっているんだ?
まぁ、付いて行ってみるか。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
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