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第2話モンスターと共存する世界

 

 う〜ん……。なんか、周りが騒がしいな。


「おーい、起きろよ歩」


「いい加減起きろって、じゃないと脳みそシェイクするぞ?」


 あーー。分かったから揺らさないでくれよ、ちょやめて!本当に頭シェイクしないで!?


 頭をシェイクされて、少し気分が悪くなった僕は、これ以上揺らされないように、ゆっくりと重たい瞼を開け。


 状況を確認する為に、周囲を見回すと目の前の光景に僕は驚いた。


 少し前まで居た教室とは違って、殺風景で物の1つもない。縦横20メートル程の白い部屋に、僕を含めるクラスメイト28人と担任の先生が押し込められていたからだ。


「えっ、なんで。ここはどこだよ! てか、この床大理石みたいだな、金持ちの家なのか?」


 あー、気になることが多すぎる!


「お、やっと起きたのか歩」


「あぁ、聖か。どう無事?」


「無事って言えば無事だな、それより歩こそ大丈夫か? 一番起きるの遅かったぞ」


「そこは、大丈夫! 気分が少し悪いけどね。てことは、聖は僕より先に起きていたんだよね? ここはどこなの?」


 僕は起きてから、ずっと疑問に思っていたことを聖に聞いてみた。


「あぁ、俺も歩が起きる少し前に起きたんだけどな、俺が起きた時には他の奴らも起きてたんだけど。歩だけ、誰も起こしてやろうとしないから、俺が起こしに来たんだ」


 あ、誰も起こしてくれなかったんだ……。


「まぁ、僕は学校でもいじめられていたし、起こそうとする人はいないよね。

 それで、質問に答えてほしいんだけど、 ここがどこなのか分かる?」


「いや、悪いけどさっきも言った通り歩の少し前に起きたばかりで、まだよく分かってないんだ」


「そっか、それなら仕方ないか。そういえば、日向はどこにいるの?」


「あーー、日向ならクラスの女子と雑談してるみたいだぞ」


「そっか、聖が分からないなら日向に聞こうと思ったんだけどな。僕にはあの女子のグループに入ることはできないなぁ……」


 楽しそうに、クラスの女子と話している日向の姿が目に入った。


 そんな、歩に聖が駆け寄ってきた。


「なぁ、歩あっちの方が何か騒がしくないか?」


 聖が指をさした方向には、クラスの半分ほどの人数が集まって皆上を向いていた。


 今は情報が必要だと、聖とアイコンタクトをとり騒ぎのする方へ向かうと。


 みんなが見上げる先には、赤毛の長い髪の毛に真っ白な肌、紅い眼をした僕のいた世界では見たことのない衣装を着た1人の女性がいた。


 すると、その女性は僕たちが集まってきたのを確認すると透き通った声で話し始めた。


「はーい、皆さん注目して下さいね? 突然こんな所に連れてこられて、混乱していると思いますが私の話を聞いてくださいね?」


「私は、女神フレアです」


「私の役目は、世界と世界を繋ぐことです」


 は?あの人女神ってラノベの異世界転移みたいなことを言うんだな。


「う〜ん、みんな信じてないみたいですね、でもこれは嘘や夢ではなく本当のことなのです。

 貴方達は異世界のとある国から、戦力として召喚されたのです。

 ここは、その召喚される人達が私たち女神から異世界召喚についての説明を受ける場所なのです」


 うわぁ、マジか本当に異世界召喚されているのか。てか、僕このありえない現実をすんなり受け入れてるなぁ。


 異世界って、やっぱり魔法あるのかな?ドラゴンとかいるのか!?


 僕が未知の世界に期待を膨らませていると、この状況に疑問を感じた生徒が女神フレアに質問をしたみたいだ。


「あの、僕たちは元の世界ではただの高校生で急に異世界に召喚されると言われても意味がわからないし、とてもじゃないですが役に立たないと思います」


 あーー、質問してる生徒って、日向のことが好きで日向と仲良くする僕に嫉妬して嫌がらせをしてくる上に、クラスの中心人物でみんなの前では猫をかぶっているクズやろう星宮大輝(ほしみや だいき)君だ〜。


「そこは、心配しないでください貴方達1人1人にその人に眠っているスキルを目覚めさせて、さらにランダムに優秀なスキルを授けます」


 お、スキル貰えるのか、なら前にラノベで読んだようなチートなスキルが欲しいな〜。

 あと、女神様星宮大輝にはゴミスキルを期待してます。


 大輝には強いスキルがあって欲しくないからな……。


「皆さん、他に質問はありますか?」


 女神の問いかけに反応する生徒はいない。


「無いようなので、これから召喚される異世界についてお話しします」


「皆さんがこれから、召喚されるのはモンスターと共に共存する世界です。皆さんの世界には無い魔法などが沢山あります」


「そしてこの世界には人間の味方のモンスターと魔の力から生まれた魔物がいます」


「しかし、その世界では魔物の王である、魔王が誕生してしまいました。魔物に攻められることを恐れた人間の国は貴方達を召喚したということです」


 え、なにそれ今すぐそんなとこに召喚されて魔王と戦わないといけないの?


「皆さん、急に戦うことになって戸惑っていると思いますが、幸い魔王は誕生したばかり脅威になるにはまだまだ時間がかかります」


「そこで、貴方達には異世界で強くなってもらい魔王を倒してほしいのです。

 今から召喚される世界では生まれた時に神様からモンスターの卵をもらい、生まれてきたモンスターと生活しています」


「貴方達には異世界召喚された時に自動で手元に卵が送られるようにしておきます。送り先の異世界に合わせなくてはいけないので」


「これで、送り先の異世界についてざっくりとした説明を終わります。細かいことは、自分達の目で確かめてくださいね?」


「貴方達の幸せを願っています」


 女神様がそう言うと、この場所に来た時と同じように視界がぶれて僕は気を失った。



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