第1話プロローグ
処女作です。
現在2019年1月22日〜1話目から大幅に話を加筆したりしております。
「今日もか、、僕が何をしたって言うんだよ」
僕が見下ろしている机には、死ねやキモい、殺すぞといった、世間一般的に言う悪口がマジックで書き込まれていた。
周囲には、ニヤニヤと笑みを浮かべて僕の様子をうかがって楽しむ人達がいるだけだ。
あー、ムカつくな。僕が抵抗しないのをいいことに、好き放題しやがって!
そもそも
「なんで、僕が嫌がらせされるようになったんだっけ」
確か、嫌がらせされるようになったのは、1ヶ月前の高校の入学式だったかな。
思い出せ、いじめられる原因になった出来事は……。
あぁ、そうだ。思い出した、僕は入学式の日クラスのホームルームでラノベを読んでいたんだ。
その時に、何事もなく平和に過ぎていたらよかったんだ……。
そしたら、きっと。
僕は運が無かったんだ。その日ホームルームで『義妹と◯◯◯◯』って言うアウトな題名の本を読んでたんだから。
タイトルはヤバイけど、キュンキュンする内容だったんだよ!!
でも、あの時カバーはしていた。あの、担任が僕から取り上げていなければ!
取り上げてカバーを外すなんて普通は思わない、それをクラスの前で読むなんて……。
なんで僕は、その日に限って、人に誤解を与えるような題名の本を持ってきてしまったんだ。
この本と先生様がやらかしてくれたおかげで。
僕は、クラスの大半からの生徒には気持ち悪いと言われて特に女子からは「生理的に無理」って。
これだけなら、まだ誤解を解けばいじめられてなかったのかもしれない。
だって、僕と同じようにラノベを読んでいた子は複数人いて。
僕のことを「同士よ、いいジャンルだ」なんて言ってくれていたんだから。
だけど、その後の自己紹介で僕の幼なじみの如月日向が、衝撃発言をしてしまったんだ。
「私は、如月日向です!! 好きな事は運動をする事で苦手な事は、勉強です。大好きな人は、朝日歩くんです!!」
はい、日向。君は僕の事を考えてくれたのかい?
この状況でそれ言われると僕……男子に殺されちゃう。
周囲の男子の目に殺気が宿った気がした。
「お前みたいな、キモオタが日向ちゃんに好かれてるとか、弱みでも握ってるのか!」
「殺そう、、それがいい」
僕が周囲の男子の殺気に怖気ついていると、この事を起こした張本人が。
「むー、みんな歩ちゃんのこと悪く言ったりしたら許さないよ! 私だけはね、歩ちゃんのいいところを知ってるんだから!」
「それに、私歩ちゃんに裸を見られてるし、ね?」
僕にとっての。トドメの一撃を放った日向は、恥ずかしそうに顔を手で隠している。
あれー?それは、小学生の頃……では?
「「「「「は?」」」」」
クラスがその時だけシーンとしたなーハハハ
男子からは、素敵な言葉をいただきました。
「あの野郎、日向ちゃんの裸見たなんてゆるせねぇ」
「あの、巨乳のは、はだかを、、殺す!!」
「ふざけんな! なんで、お前みたいなのがロリ巨乳でショートヘアが愛らしい俺らの天使と仲良いんだよ!!」
女子からも素敵な言葉をいただきました。
「気持ち悪い」
僕的に、一言でグサッとくる言葉はキツイよ……。
そのまま、誤解が解けないまま、クラスメイトから変態キモオタとしていじめられてるんだよな。
そんな、絶賛みんなに嫌われ中の僕に話しかけてくれるのは、事の張本人で憎めない幼なじみ。
いや、あの時だけは殺意が湧いたかな?
でも、それ以外にもう一人いるんだよね。素晴らしい友達がね!
まぁ、もう1人は男子で中学生の頃からの親友の天堂聖も、運動神経抜群でハイスペックな人間なんだよなぁ。
まって、日向はロリ巨乳の天使。
聖はツーブロが似合う運動神経抜群のイケメン君。
そして、そんな二人の親友は変態キモオタク……。
これ、どんな組み合わせだよ。
僕が、このカースト上位の男女と話すと、他の人からは、なんでお前みたいなのが、その2人と仲がいいんだよと嫉妬される。
嫉妬のせいで一部の男子からは殴られたり、蹴られたり、トイレとキスさせられたり。
理不尽だよね、そうやって他人に嫉妬ばかりしてるような奴らが日向達と仲良くなれるわけない。
日向達は優しいからな、人に嫌がらせをするような人が一番嫌いだからな。
聖はもともとあまり、女子に興味が無いみたいだからな〜。まぁ、近くに日向がいたら、他の女子なんて霞むよね。
こんな風に僕は、いじめてくるアイツらよりは上なんだって、思っていないと僕は心がどうかしてしまいそうなんだよね。
でも、僕もそういう二人の影に隠れてるからな。何を言ったって、思ったとしても虚しくなる。
クソッ、僕だって二人の役に立ちたい守られるばかりじゃなくて、二人のことも助けることができるような、人間になりたい。
「僕は対等に、なりたいよ」
でも、僕には力がないから、それをどうにかしようという行動力もないから。
こんな、思いを忘れることが出来るのは寝てるときだ。
毎晩妄想をしてしまう、異世界で僕が活躍して素敵な生活を送っているところを。
きっと、非現実的なものに逃げているのかな、、でも僕はそれでもいいから、現実なんて捨ててもいいから。
異世界に行きたい……。
チュンチュン!
「もう朝か、異世界転生はされてないか……。まぁ、それが普通だよな。いつまでも、妄想に浸ってないで朝ごはんでも食べよう」
「おはよう、母さん」
「おはよう、あゆむちゃん。ご飯できてるから早く食べなさい」
「今日の朝ご飯は和食だなぁ、焼き鮭と味噌汁に白米」
バランスが良くて美味しいから、僕は一番好きだな。
和食は日本の誇りだよね!
「歩ちゃん、聖くんと日向ちゃんが迎えに来てくれてるわよ。急ぎなさい」
母さんに急かされた僕は、ご飯を一気に食べ終えリビングを後にした。
「分かってるよ、ごちそうさま。行ってきます」
◆
「待たせてごめん」
「そんなに待ってないから大丈夫だぞ?」
「私も大丈夫だから心配しなくていいよ」
大丈夫だと親指を立てる聖と朝から眩しい笑顔を見せてくれる日向。
そんな二人に学校に行こうと促し、歩き始める。
「それならいいんだけど、じゃあ行こうか……」
「なぁ、歩まだいじめられてるのか?」
「うん、まぁもう慣れたんだけどね」
「えっ、歩ちゃんいじめられてるの?」
「日向は知らなかったのか?」
「うん、そんなこと一度も聞いたことないよ」
うん、だって言ってないからね。何が悲しくていじめられてるんだって女の子に言わなくちゃいけないんだ。
「歩がいじめられている原因には日向も入ってるんだからな?」
「え? 私のせいで歩ちゃんいじめられてるの……」
「別に日向のせいじゃないよ、僕がオタクでいじめの標的になっただけだよ」
聖は俺のことを考えて、日向にやんわりと伝えてくれてるんだな。
「歩あんまり自分を悪く言うなよ? お前はいいやつなんだからなんかあったら俺を頼れよ」
「あ! 私も歩ちゃんを守る!」
「ありがとう、二人とも学校に着いたことだし教室に入ろうか?」
「話すのに夢中になりすぎたな」
「だって、歩ちゃんの家徒歩五分だからね」
「そこが、この学校にして良かったと思えるとこかな」
そういって、ガラガラとドアを開け教室に入る日向達の後に続いていくと。
「チッ、歩の野郎また俺たちの日向ちゃんと一緒にいるぞ」
「なんであんなオタクなんかと一緒にいてあげてるんだろう聖くん」
「ばっか、そんなの聖君が優しいからでしょ!」
はいはい、いつもの光景ですね。
すると、歩がいる方向とは逆の席から悲鳴が聴こえてきた。
「うわ! なんだこれ」
「助けてよ! なんで、身体が動かないのよ!」
「床が光ってるぞ!」
「ラノベ展開きたーー!!」
「俺の時代だ! 日向ちゃんをこの機会に、、よし」
なんか他の人達がうるさいな……。
は?なんで教室の床が光ってるんだよ。
あれ、なんか眠くなって……きた。