転生神とホクロちゃん
転生氏と招かざる客4の後の話になります。
まだ未読の方は最初から読んでくださることをおすすめします。
「これさッ!ブラックホールに似てるよねッ!」
先ほどまでバリバリに空いていた空間の穴が次第に変化し丸くなっていた。特に何かを吸い込むわけではないのだが、空間に開けた穴が自然と丸くなっていく姿は初めて見たので興味があった。
「略してブラホだねッ!!」
「それラブホみたいで私やだな。せめて黒丸君とかホクロちゃんとか———」
「あらあら、ホクロちゃんなんて可愛いじゃない。そう呼びましょうよ。フフフ」
斯くして、ブラックホール改めホクロちゃんと命名された空間の穴なのだが、いつまでもここにこのままと言うわけにはいかない。何せセキュリティの問題も関わってくるからだ。
そもそもこの空間に穴をあけれるほども力や、その方法を知っていることも、見過ごすわけにはいかないので始末書をどうしようか悩んでいた。
ちなみに、兄弟の肉体はそのままでも困ってしまうのでルーがジャブを打ちだしたその拳圧で塵になり消滅したのだけど、1つ残ってしまった物が問題をややこしくしてくれた。さすがのルーも「あれィッ」と声をあげて驚いていたぐらいだ。
ルーのジャブでも消えなかった物、それは不思議な形をした銃である。
空間に穴を開けた道具なのだけれど、ルーのジャブに耐えた時点で嫌な予感はしていた。
見た目からでは、それが何でできていて、どういう仕組みなのか不明なので私の持つ便利アイテム見極めの杖で解析してみることに。
解析結果
名称:回帰の杖
詳細:時間と空間を無に還す。
禁止:使用を禁ずる。不安定なため使用と同時に空間の崩壊を招く恐れがある。
レー・プレダ12より下の階層への持ち出しを禁ずる
「あ、はははは…」
力なく笑うしかなかった。見極めの杖と同等の価値を持つ神の杖の一種。しかも禁止指定をされているもの。嫌な予感が見事に的中してしまいホクロちゃんとか名前をつけて遊んでいる場合ではなくなってしまった。