転生神と招かざる客2
【見極めの杖】…転生神の持つ杖。魂の情報を読み解く杖。豪華に作られているがとても軽い
破壊された空間から出てきたのは2人
1人は男の子。もう一人の大きい方の顔つきはもうすぐ成人と言った感じの男だ。
「やっと出れたね、あんちゃん!」
ハジけるような声と笑顔を見せる男の子。
「ああ、外の殻を破るのに108発も使うことになるなんて想定外だ。クロドが予備弾丸を持ってきてくれて助かった。あと何発ある?」
大きい方は見極めの間に来てもなお冷静な雰囲気を出していた。
「ごめん…あんちゃん。あと、2発しかない、1発足りないや…」
手に持つ不思議な形の銃のようなものに込める弾丸の話だろうか、私達を狙う気なのかもしれない。撃つ前に転生させるつもりだけど、とりあえず話をしようと声をかけてみる。
「あなたたち、ずいぶん素敵な入口作ってくれたみたいだけど、いったい何の用です?修理代の請求先教えてほしいのだけど。」
事を荒だてたくないので冗談混じりで話かけてる横で、ルーが鼻息を荒くして先ほどより更に興奮している。もしかして楽しんでいる?
大きい方がこちらを見て口を開く。
「俺はジセン、あんたらが神か?違うなら用はない」
そう言うと銃口をこちらに向けてきた。
「ちょ、ちょっと待ちなさい。私達は神よ。転生神。魂を導く神なの」
話し合いができそうかもと、慌てて返事をする。
「そうか、神か。なら一つ願いを聞き入れてほしい」
そう言うとジセンは銃口を下ろし、頭を下げてきた。
「なんでもは無理だけど聞くだけ聞きましょう」
事が大きくならないと分かったルーが、しょんぼりしていた。ピピは既にくつろいでいる。
実のところ転生神に願いを叶える能力も機能も付いていない。ただ争い事は極力避けたいので聞くだけ聞いてみようかと思った。
男の子… クロド 8歳
大きい方… ジセン 18歳
血のつながりは無いが兄弟のように仲がいい。