始まりの日
こんにちは。初執筆なので下手かもしれませんが、読んでみてください。
……君が遠い……
あんなに近くにいたのに…
あんなに楽しかったのに…
あんなに……
好きだったのに………
もうこの手は届かない
この思いも伝わらない
……君が遠い……
…キミガ…トオイ………
………
「………………て……」
………グ〜〜
「……きて…ま……と…」
…う〜〜ん……んが〜〜〜
「おきろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぬわぁぁぁぁぁぁ!!」いつもながら近所迷惑はなはだしい目覚ましに、いつものように起こされる俺
「いつまで寝てんのよ!このネボスケッ!!さっさと起きて準備する!!」
「はぁ…はぁ……お…おま……し…しんぞーに……わるい……だろ……」
MAXスピードで鼓動するそれを落ち着かせつつ、なんとか話せる範囲でお決まりの台詞を言ってみる。
しかし、大きな目でまじまじとこっちを見ている、髪の横でちょこんと2つまげをしたそいつはまだ不満らしい。
「何いってんのよ。真がこうでもしないと起きれないから、あたしが毎朝来てあげてるんじゃない。ちょっとは感謝しなさいよ。」
「限度っちゅ〜もんがあんだろ!俺のガラスのハートが粉々に砕け散るとこだったぞ!!」
「な〜〜にがガラスのハートよ!!あんたがそんなもん持ち合わせてるわけないでしょ。仮にあんたがそんだけ繊細な心の持ち主ならあたしがココに来る必要もないと思うんだけど?」
「………おっしゃるとおりです………。」
正論を言われ、言い返すことができない俺はさっさと学校へ行く準備をすることにした。
…俺の名前は『橘 真』。地元の学校に通うごく普通の高校二年生だ。あえて周りと違うところをあげるとすれば、両親が共に海外で働いていて現在は形式的に独り暮らしをしている。
まぁはじめの頃は
「独り暮らしも悪くないかなぁ〜」と思ってたんだけど、やっぱり一人だとなにかと大変だ。それでも家事全般はだいたいできるようになったので、今のところ特に不自由はないと思う。
だが、俺にはたったひとつだけ弱点がある。
それは『朝』だ。
朝日を浴びるとだんだん体が消滅していって……いやいやそうでなくて。なぜだか知らないが、俺は起きようと思った時間に起きたためしがない。いつだったか、平日にもかかわらず起きて一番最初に見たのが西日だったときがあった。それ以来なんとか学校には間に合ってはいるものの、油断するとついつい寝過ごしてしまう。
さすがにまずいと思った俺は、幼馴染みに助けを求めることにした。それが、『浅田 静香』である。事情を説明した瞬間
「いやだ。」
と言われてしまったが、他にアテもなかったので必死に説得したところ、
「しょうがないなぁ〜。」と、なんとか了解してくれた。これで朝バタバタしなくてすむと思ったのだが…
「毎朝あの起こし方なんだもんなぁ〜。」
制服に袖を通しながら、ため息混じりにつぶやいてみる。
「ったく、名前みたく『しずか』に起こして欲しいもんだ。……ふぁ〜〜。」
「起きないあんたが言うなーーー!!!」
「ゲフッ!!」
ドアを蹴り破って背後から飛んできた静香に吹っ飛ばされた。
そもそもなぜドア越しに小さなつぶやきが聞こえるのか俺は知りたい。
なんだかんだで準備を終え、あらかじめ作っておいた弁当を持って外へ出る。
季節は夏………
今日から二学期の始まりだ