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PAGE.5

この話もうまく書けず、唸りながら書いてました。

少しでも楽しんでいただければうれしいです。

 結婚してから半年後、そんな距離感で生活していた俺達に、変化が訪れた。

 事の発端は、部下の一人のミスだった。結論から言うと、大した影響は出なかったのだが、そこから少しずつ予定がずれ込み始め、何日か家に帰れなくなってしまった。

 更に、タイミング悪く風邪をひきこんでしまった。部下たちから一回休んだ方がいいと言われたが、ひとまずの目処がつくまではと言い張って、仕事を続けた。

 ……結局、なんとか予定を元に戻せたのは、トラブルが発生してから10日後だった。

 部下たちに半ば追い出されるようにして、ほぼ2週間ぶりの我が家へと帰宅する。ドアを開けると、妻がいつも通りトタトタと走って来る。

「旦那様、大丈夫ですか!?ああ、やっぱりお熱がありますね。お粥は作ってあるので、早くベッドに寝て下さい!」

「……どうして、風邪をひいたと知ってる?」

「部下の方たちから連絡があったんです!社長は具合が悪いので絶対安静にさせておいて下さいと」

「大丈夫だ。それよりも、やらなければいけない仕事がまだ山ほどある。休んでなんかいられない」

「っお願いです!言う事を聞いて下さい!そんな顔色で仕事なんかしちゃ本当に倒れますよ!?」

 いつもはおとなしい妻が、今日はなかなか折れない。しかし、ここで休んでしまったらまた元に戻ってしまう。

「……うるさい!どうしてお前の言う事を聞かなければいけない!?この仕事を今日中に終わらせないと、すべて無駄になってしまう!」

「私はあなたの妻です!夫の体を気遣って何がっ悪いんですか!?」

 二人とも思いっきり叫んだせいで、息が荒い。やばい、本気で頭が痛くなってきた。

(……ああ、イライラする。)

 いつもと違い、強情な妻に。どうしようもなく意地の悪い事を言いたくなった。

「…妻、ね。じゃあ奥さんらしい事してからそういうこと言ってもらおうか?」

「え…」

「そうだな…キスしてくれたらお願いを一つ聞いてやるっていうのでどうだ?」

「…じゃあ、ほっぺに……」

「だめだ。それぐらいならいつもしてくれてるだろう?そんなんじゃ、なんの誠意も見られないね」

 妻が固まる。ああ、頭が痛い。風邪が酷くなってきているのだろう、自分の口が勝手に滑り出す。いつもは丁寧に接してきたのに、今は挑発するようなことしか言えなくなっている。

「…どうした?やってみろよ、奥さん?」

 箱入り娘だった妻は、結婚してから触れられる事は拒絶しないものの、自分から行動するのは恥ずかしがってできないままなのだ。

「ほら、できないんだったら“奥さん“として私を止めようなんて思うな。……じゃあさっさと休め」

 そう言って黙り込んだ妻の横を、すっと通りすぎた。

「旦那様!」

「なにかまだ…っん」

 ……呼ばれてふりむくと、妻が抱きついて、自分から唇を重ねてきた。

 数秒後、彼女がゆっくりと唇を離した。真っ赤な顔でこちらを睨む。

「これでいいんでしょう!?さあ早く休んでください!」

「あ、ああ…」

 ……自分で言っておいて何だが、今起きた事が、信じられなかった。

 自分からした事は当然何回もあったけれど、する事は何回頼んでも恥ずかしがってやってくれなかったのに…。

 恥ずかしがる妻からの少しぎこちないキスは、いつも自分からする時よりもどこか熱く感じた。


早く、こういった甘い?シーンを上手に書けるようになりたいです……。

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