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PAGE.4

今回は少し短めです。あまりうまく書けず、ぐぎぎとなりました。

二人の日常の話です。

 それからは、慌ただしく挨拶、結納、結婚式が行われた。

 本当なら、新婚旅行は海外に行く予定だったのが、仕事が忙しくなり国内になってしまった。

 せめてもの詫びに、花畑が有名な静かな観光地を選んだら、妻は本当に喜んでくれて、三日間で夫婦仲を深めることは十分にできたと思う。

 東京に帰ってきてからは、旅行に行くために詰めた仕事が忙しく、なかなか会えない日々が続いた。

 彼女とは会えないことが多くなってしまったので、仕方なく使用人に訊くと、毎日一緒に家事をしたり、友人を招いていたり、一人で過ごしていたりと、とりたてて報告するようなことは何もないと言われた。彼女は妻として申し分なく務めを果たしているようで良かった。

 そして、段々仕事が落ち着いてきて生活リズムが結婚前と変わらなくなると、すこしずつ顔を見る時間もできてきた。

 朝、妻に起こされて、一緒に朝食を摂る。

「旦那さま、今日は友人と会う約束をしているのですが、うちにお招きしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、構わない。もてなしてあげなさい」

「はい!ありがとうございます」

 その時、なにかその日に用件がある場合は、相手に伝えることにしている。大体は彼女が話すだけなのだが。

 その後着替えて、家を出る。彼女はいつも玄関まで見送りに来てくれる。

 ……私たちは、一応新婚ではあるが、他にも使用人達がいる前で、キスをしたりするのは妻が恥ずかしがる。俺もそこまでする必要性は感じなかったので、なにかしても、精々頭に手を載せるくらいで家を出る。


 夜、家に帰ると、妻はすぐに玄関まで来て、鞄と背広を俺からもらう…というか、引きはがす。

「おかえりなさい!今日はお夕食中華風にしてみました」

 一度、毎回荷物を持っていかなくてもいいと言ったのだが、妻の仕事なんです!と珍しく譲らず、今もそのままになっている。

 そして夕食を食べる。主に妻がその日に起こった事を話し、俺はそれを静かに聞いている。毎日新しい発見があるようで、妻はとても楽しそうに話をする。

 食べ終わると、それぞれリビングで仕事をしたり読書をしたりして時間をつぶす。そのあと順番に風呂に入り、二人で寝室に戻る。そこでも、俺は仕事をしている事が多いので、大抵妻が寝た後に布団にもぐりこむ。

 俺が遅いときは、妻はお風呂まで入って、帰ってくる時までずっと起きて待っている。大概の場合、お俺を認識した途端に、妻は寝始めてしまうので、俺が半分寝ている妻を寝室に連れて行ってから、風呂に行き、横で眠りにつく。

 俺たちはそんな風に日々を重ねていった。仲が良くも悪くもない、夫婦というよりまるでただの同居人のような、それぐらいの距離感。…それが俺たちの関係だった。


お読み頂きありがとうございました。

次から、少しずつ話を動かしていきたいと思います

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