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彼と彼女と花の名前1

更新遅くなり、大変申し訳ありません!ぎりぎり、七日…?じゃないですね…。

過去編…といいつつ、もうスピンオフぐらいの勢いで本編と雰囲気が違うので、お暇な時にでもどうぞ。

樹さん、琴衣さん、碧人さんの高校時代の話です。

少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!

「氷海君、部活に入ってくれないか!」


今は昼休みの時間。各々友人と昼食を食べたり、部活の昼練習に行ったりと、思い思いに過ごしている。

そんな中、早めに弁当を食べ終えた俺は、本を読んでいた。目の前の活字だけを夢中で追っていたところ、唐突に話かけられたのだ。

顔をあげると、一学年下の叶江 琴衣と、意外な顔の男子生徒が立っていた。

「…えっと、君は…。」

「ああ、すまん。違うクラスだから知らないよな。俺は、2年E組の皇須 樹だ。」

「いや…君の名前は知ってるよ。入学した時に、皇須の名前を見て驚いたから。」

「ああ、ウチの他の家族は、みんな帝都大附属だもんな。…まぁ、変わりものって言われるよ。」

 苦笑する彼の外見は、なるほど女子生徒が噂にする訳だと納得するほど、綺麗な顔立ちだった。

 日本人とは思えない彫りが深く、ともすれば冷たく見えそうなのに、明るい笑顔でそれを更に魅力的にさせている。

(無自覚だろうが…叶栄も苦労しているだろうな。)

 同じクラス委員会で働いている叶栄かなえ琴衣は落ち着いた性格で、冷静に着々と仕事をこなしてくれるので、とても効率的に動くことができた。学年は異なるが、かなり打ち解けた間柄ではある。そして、彼女が樹の婚約者であるというのは暗黙の了解として生徒たちに認識されていた。

「それよりも、部活のことだ!君は何にも入っていないんだろう?」

「まあ…。」

「じゃあ、もし良かったら、俺の部活に入ってくれないか。」

「いや…。」

「一度見に来てくれるだけでもいいんだ!頼む!」

…直接反したのは初めてだが、思っていた以上に押しの強いやつだった。

 必死で頼んで来ているのは分かるが、簡単に頷くわけにはいかない。なぜなら…

「ちょっと待ってくれ。…俺は今、何部に勧誘されているんだ?」

「え。…琴衣、もしかして俺、彼に何部か伝えてなかったか…?」

「ええ。いつ教えようか考えてた所です。」

 恐る恐るといった風に尋ねる彼を、叶栄はバッサリと切り捨てた。

「…それで、何の部活なんだ?」

「ああ…実はな、俺達が作りたいのは園芸部なんだが…。」

「断る。」

「一度見に来るだけでも…って早いな!」

「全く興味がない。誘ってもらったところ悪いが、他の奴をあたってくれるか?」

「三人からしか活動が認められないから、もう一人必要なんだが、残念なことに俺の友人は全員部活持ちなんだ。…大体、帰宅部の奴なんて、この学校なかなか居ないし。」

「でも、それで何で俺に?…女子を誘った方が早いと思うんだが。」

「琴衣に訊いたら、女の子で思い当たる人はいないけど、委員会の先輩に、帰宅部で優しい先輩が居る…って。」

さらっと言われて、思わず叶栄の方を軽く睨むが、平然とした顔をしている。

「とにかく、1回でもいいから来てみてくれ!」

「だから俺は…!」

「ああ、すまん!次移動なんだ。…じゃ!明日の昼に裏庭で待ってるなー!!」

「おい!ちょっとま、て…。」

 必死で断ろうとするが、全くこちらの話を聞かずに彼は去って行ってしまった。

 天然か…いやおそらく故意だろう。

「すいません。悪い人ではないんですが、巻き込み型で…。」

「…叶栄。どうして、俺のことを紹介したんだ?」

 彼女は一瞬ためらいを見せた後言った。

「…先輩は樹さんを利用するような人じゃないって知ってるから。彼、そういう人との付き合いが上手じゃないので…先輩みたいな人がいいと思って。…勝手にすいません。」

 やはり、少しばつが悪くなったのか、ぽつぽつと彼女は言う。

「明日のお昼休みの件は、気が向いたらどうぞ。私から彼に言っておきますので。…本当は、興味を持っていただけると嬉しいですが。」

 そういうと、彼女は「では。」と頭を下げて教室から出ていった。


お読み頂きありがとうございました!

本当は、書き溜めてから投稿しようと思っていたのですが、あまり書けなかったので、2,3日に一度くらいの頻度で更新していきたいです。



*途中でサブタイトルを変更するかもしれません。

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