遠い空の下にいるあなたへ
わたしたちは、幼い頃いつも一緒にいましたね
人見知りの私にとって、友と呼べる人はあなただけでした
田舎育ちのわたしたちは、とても小さな保育園でしたね
あの頃は突然お別れが来てしまうなんて、想像すらしていなかったです
一緒に真っ赤なランドセルで登校しましたね
一緒にお絵かきして、鬼ごっこして
あなたがいるだけで毎日が楽しかったのです
けれどおそろいのランドセルは、わずか半年で終わりを迎えてしまいました
60人程しかいない田舎の小さな小学校で
みんなの前で「わたしを忘れないで下さい」と
手紙を読んだ、あなたの涙が今でも胸に焼き付いています
「手紙を書くね」と約束したのに
わずか一往復のやり取りだけでした
あなたはきっと、新しい小学校で友ができたのでしょうね
あの時代に、メールでもあったなら今でも友でいたのでしょうか
今でもわたしたちは笑いあえていたのでしょうか
もうあの保育園も無くなってしまいました
人手不足の小学校も、いつか無くなってしまうのでしょう
けれど、あなたとの思い出を忘れたことはありません
きっと、これからも忘れることはないでしょう
あなたは、わたしの初めての親友でした
遠い空の向こうで、あなたはわたしを今でも覚えていてくれますか
あなたにとって大きな存在でいてくれていますか
もう心の中であなたへと問いかけることしかできません
今はもう、あなたの顔さえおぼろげでしか思い出せません
けれどあなたとの大事な思い出は、一生胸に残っているでしょう……
もう25年近く昔の話になりますが、彼女はわたしにとって今でも大きい存在です。