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遠い空の下にいるあなたへ

作者: みつ

わたしたちは、幼い頃いつも一緒にいましたね


人見知りの私にとって、友と呼べる人はあなただけでした


田舎育ちのわたしたちは、とても小さな保育園でしたね


あの頃は突然お別れが来てしまうなんて、想像すらしていなかったです


一緒に真っ赤なランドセルで登校しましたね


一緒にお絵かきして、鬼ごっこして


あなたがいるだけで毎日が楽しかったのです


けれどおそろいのランドセルは、わずか半年で終わりを迎えてしまいました


60人程しかいない田舎の小さな小学校で


みんなの前で「わたしを忘れないで下さい」と


手紙を読んだ、あなたの涙が今でも胸に焼き付いています


「手紙を書くね」と約束したのに


わずか一往復のやり取りだけでした


あなたはきっと、新しい小学校で友ができたのでしょうね


あの時代に、メールでもあったなら今でも友でいたのでしょうか


今でもわたしたちは笑いあえていたのでしょうか



もうあの保育園も無くなってしまいました


人手不足の小学校も、いつか無くなってしまうのでしょう


けれど、あなたとの思い出を忘れたことはありません


きっと、これからも忘れることはないでしょう


あなたは、わたしの初めての親友でした


遠い空の向こうで、あなたはわたしを今でも覚えていてくれますか


あなたにとって大きな存在でいてくれていますか


もう心の中であなたへと問いかけることしかできません



今はもう、あなたの顔さえおぼろげでしか思い出せません


けれどあなたとの大事な思い出は、一生胸に残っているでしょう……





もう25年近く昔の話になりますが、彼女はわたしにとって今でも大きい存在です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読させて頂きました。 読みながら、幼稚園、小学校……と共に学び、共に遊んだ友の事を思い出しておりました。 はっきりと顔が思い出せる子も居ますが、中には名前も顔も朧げな子も居ます。 記憶は少…
[一言] 転校ばかりしている子供でした。去る者の気持ちはわかります。きっと忘れていませんよ。梨鳥は、忘れていません。 そして、残る者の気持ちが知れて、嬉しかったです。梨鳥も、忘れられてないといいなって…
[一言] 確認してみたら感想を書いていませんでした! とても好きな詩です。 ちょっと感覚が豊かになっているときは、涙ぐみそうになります。 私は記憶障害という病気も持っていてあちこちの記憶がすっぽり抜け…
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