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天才女優の亡霊〜ある学園で起きた怪異  作者: 浅川
プロローグ「乃戯高学園の怪談」

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 ある女子生徒の会話。



 先輩! あの……さっきの騒ぎは何だったのですか?

 三年生みんなが廊下でワーワー叫んだり泣いたりしていましたけど……。



 あれねぇ……下級生の人達は何事かってびっくりしたよね。

 私は見たわけじゃないんけど、なんか出たみたいなの。


 ……安西未佐あんざいみささんの幽霊が。



 えっ。安西未佐さんってあのこないだ交通事故で亡くなった人ですよね。

 その霊が出たって言うんですか?



 私は後ろの方だったから見えなかったんだけど、前の方に座っていた何十人もの生徒がそう言っている。



 ……それってどういう状況だったんですか?



 今日は文化祭が終わって各学年がその総括みたいなことをやった日だと思うけど三年生はご覧の通り上演する予定だった演劇が主役の安西未佐さんの事故死によって中止になった。


 本番直前でもう安西さん以外は考えられないくらいまで仕上がっていたからね。

 けど、それは一人の観客にも見届けられないまま完全に埋もれてしまったわけではなかったの。


 ある日の稽古が本番と同じように体育館でやる通し稽古で、たまたまその様子をビデオカメラで録画することにしたらしくて……。


 出演者達にも客観的に自分の演技を見てもらおうってことで。


 その映像を今日、三年生全員を集めて視聴覚室で観たの。

 そしたら、その途中で一人の生徒が安西さんがこっちを見ているって言い出して……。



 それであの騒ぎですか?



 私としては見えなかったから幽霊なんかより次々と皆んなが「本当だ居る!」って立ち上がっていく光景の方が怖くてしょうがなかったよ。


 いつも頼もしい近藤先生も慌てふためいて情けなかったし。



 それでその肝心の幽霊は本当に居たんですか?



 それは分からないとしか……。

 あれだけ目撃者がいるんだから()()()()()って意見が優勢だけど私みたいに懐疑的な人も少数ながらはいる。


 だって人によって居たとされる場所があっちだったりこっちだったりして、もうめちゃくちゃで……。

 幽霊なら瞬間移動くらいできる? ってそれ言ったら何でもありじゃん。



 でも状況的にはそう思いたくもなりますよね。

 安西さんって相当、気合いが入っていたって言ってましたよね?

 なのに本番の舞台に立つことなく亡くなったら成仏できるわけないですよね。



 うん、まぁ。もう高校生とは思えない生まれながらの大女優って貫禄で男女問わず皆んな、先生も安西さんの演技に魅了されていた。


 本人は口にしていないけど、これは卒業したらプロになるつもりだって思われていたし。


 そんな将来の天才女優が立つ舞台に関われて光栄だみたいに崇められていたかもね。


 それに過去二年間は男子が主役の演目だったから安西さんは脇役に回っていて、ようやく最後の年で掴んだ主役の座でもあるから並々ならぬものがあったよ。


 ……だから、突然の訃報が来た時には学年全体がもう沈んでて……。

 正直、後追いする人が出てくるんじゃないかって不安だったよ。



 こうなると来年の文化祭はどうなるんでしょうね。

 もしかして各学年で演劇を出すのを止めたりしますかね?



 どうなんだろうね。有り得そうではあるけど。


 演劇なんて安西さんみたいに好きな人は好きなんだろうけど、大勢の人前で台詞覚えて演技するなんて普通の人はできないからね。


 やりたい人にだけやらせればって方針に変わってくれるならそっちの方が有難いかも。



 ですよね。

 先輩の学年は国語の先生が元演劇部だったり、安西さんをはじめ人前で何か芸をするのが好きな人が何人もいて人材に恵まれていましたけど、やっぱり普通は演劇なんてご勘弁願いたいですよ。



 だけど安西さんの演技は多くの人に観てもらいたかったかな。

 素人でもあの人は演技の天才だって直感的に分かるくらいだったし。



 一年生の時から先輩の学年が作る舞台は面白いって好評だったんですよね。

 私も一度は観てみたかったです。



 終わり良ければ全てよし……ってよく聞くけど、

 終わりが駄目だとなんだかここまでの積み重ねも全部、台無しみたいな感じになって嫌だね。



 終わり良ければ全てよし……それって誰の言葉なんでしょうね?



 誰なんだろう?

 ……あぁーそういえば安西さんが主役に選ばれた時の所信表明でも同じこと言っていたかも。



 そうなんですか。誰の言葉とか言っていました?



 ごめん、忘れた。


 あっ待って、そういえばそれって……、

 言葉じゃなくて大昔の人が書いた作品名だったって豆知識みたいに教えてくれたかも?



 それ、作品の名前だったんですか!?




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