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二十七話

 家に帰りスマホを見ると二間メッセージが目に入った。一つはライチ、もう一つは山根からだった。

「うわっ。一旦スルーかな」

 明らかに面倒くさい内容なのは見なくても分かる。気づかなかったことにして机に向き合うことにした。

 数十分もしないうちにインターホンが鳴った。

「郵便か?なんだろう」

 一度ペンを置き、玄関に向かい戸を開ける。

「やっほー」

 あまりの驚きにドアを閉めてしまった。俺の眼がおかしくなければ、玄関先ににこやかな感じの山根が立っていた。

 一息つく間もなくインターホンが鳴る。扉を開けるのを躊躇っていると、外からガチャガチャとドアを開けようとしてくる。

 観念してドアを開けるとやっぱりそこには不気味な笑みを張り付けた山根がいた。

 「はぁ。えっと、何の用?」

 恐る恐る分かり切ったことを尋ねる。

 お面のような笑みを張り付けたままの山根はいつも通りの口調で答える。

「お話したいことがあるんだ。今からこの間のファミレスに...」

 そう山根が言い終わる前に新たな刺客が割り込んでくる。

「あれ?蒼衣もいるじゃん。なにしてんの?」

 終わった。山根だけでもめんどくさいのにそこにライチまで加わってきた。

 そもそもなんでこいつらは連絡を無視したのにわざわざ家まで来るんだ。

「あれ?ライチ君どーしたの?」

 真っ先に口を開いた山根の声はいわゆる外向きの声で、さっきまでとの温度差で風が引けそうだ。

 そこからは長かった。最初こそ何でここにいるのかみたいな話だったが、だんだん次のデートの話だったりとかになり俺のことなんかそっちのけでいちゃつき始めた。もうほぼ寝取られだ。

 だんだんイライラしてきたが、グッと抑えてドアをそっと閉めようとした。

 締め切るすんでのところで山根の手がドアノブにかかる。思い出したかのようにこっちに向き直ってファミレスに行こうと誘ってくる。

「勘弁してくれ。俺はお前らと違って受験勉強があんだよ。」

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