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十七話

 それから俺らはライチと昼食を食べることも、下校することもなくなった。

「なんか、ライチ最近一緒にいることなくなったな」

 昼食中、ふと山村が口を開く。

 確かに今までは、こんなに彼女とべったりなことはなかった。俺らとも時折、昼を一緒にしたり下校したりしていた。それはきっと今まで付き合っていた人たちにも仲のいい友達がいて、お互いプライベートを尊重?しあっていたからだろう。

 しかし、こんなことは言いづらいが山根蒼衣には、特別仲のいい友達がいるようには見えない。多分友達がいないわけではないと思うのだが。

 まぁよく言えば、だれとでも仲良くなれるタイプだ。しかしまあ、言ってしまえばその場限りの関係しか築かないタイプなのだろう。

 ちょっと前にあいつらを応援するみたいなことを決めた手前、こんなこと思うのはあれだが、四六時中べったりしているようなカップルが長く続いているようなイメージが全くない。俺がぼんやりとそんなことを考えていると、清信が口を開く。

 「なんか寂しいなぁ。」

 しばらくの沈黙の後、焦ったようにもう一度清信が口を開く。

「え、お前ら何も思わないん?」

「いや、別に。何も」

 山村に賛同するように俺も口を開く。

「別に俺も。今生の別れってわけでもないし」

 俺らの言葉に反応して清信が嘆く。

「お前らホントに冷たいやっちゃなぁ」

 そんな俺らの会話を終わらせるように、予鈴がなる。

 しばらくはそんな日々が続き、それから二か月がたとうとしていたころ、事件は起きた。

 俺がそれを知ったのはライチからの電話だった。

「なあきひろ。聞いてほしいことがあるんだ」

 ライチにいては珍しく、真剣な語り口だったもので何事かと話を聞くことにした。

 話を要約すると、どうやら山根がいじめられている気がするとのことだった。決定的な証拠はないし、仮にいじめられているとして主犯格が誰なのかも皆目検討がつかないらしい。

 正直な話死ぬほどどうでもよかった。人の心がないと後ろ指をさされることだが、仮に山根がいじめられいていて、彼女がどうなろうと俺の知ったこっちゃない。むしろ、ライチにまとわりつく邪魔者が一人消えるなら、願ってもないことだ。でも、昔からライチの頼み事は断れないのだ。

「わかった。俺もできる範囲で手助けするよ」

 そう言って俺は電話を切った。

 正直気乗りはしなかったが、こう言ってしまった手前俺も次の日からは、気持ち程度に山根を気にかけることにした。

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