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第三話:謎のイケメンと庭での乱闘がカオスすぎる

「うわっ! 何!? 何このアクション映画みたいな展開!?」

クロイツェル家の屋敷の庭。月明かりの下、黒いフードの賊と、突然現れた黒髪赤目の暗殺者っぽいイケメンが剣をガキンガキンぶつけ合ってる。火花がバチバチ散って、まるでアニメのバトルシーンだ!

俺、佐藤悠斗——いや、悪役令嬢イザベラ・フォン・クロイツェルは、「呪われた魔導書」を抱えたまま、庭の茂みの陰でガタガタ震えてる。

「俺、ただのサラリーマンだったのに、なんでこんな命がけの状況に!?」

賊が低い声で叫ぶ。

「貴様、なぜここに!? 魔導書は我々がいただく!」

対する暗殺者風イケメンは、クールな声で返す。

「悪いな、クロイツェル家の令嬢は俺の獲物だ。勝手に手を出すな」

「は!? 獲物!? 俺!? いや、イザベラ!?」

思わず素で叫ぶと、二人とも一瞬こっちを見て固まった。

(やばい、変なタイミングで目立っちゃった!)

賊がニヤリと笑って剣を構え直す。

「ふん、令嬢本人がそこにいるなら、話は早い。魔導書を渡せ、イザベラ!」

暗殺者イケメンもチラッと俺を見て、口の端を上げる。

「ほう、ずいぶん騒がしい令嬢だな。だが、渡す必要はない。俺が守ってやる」

「守る!? いや、誰!? てめえ、ゲームのキャラじゃねえだろ!?」

また素で叫んでしまい、賊とイケメンが同時に「は?」って顔をする。

(やべ、貴族令嬢っぽくしろ、俺!)

「わ、わたくしに何の用!? 魔導書など、知りませんわ!」

必死でイザベラ口調を装うけど、声が裏返っててめっちゃ怪しい。

その瞬間、賊が俺に向かって突進してきた!

「うわっ! やばい! 死ぬ!」

魔導書を握りしめて逃げようとしたら、暗殺者イケメンがスッと前に出て、剣で賊の攻撃を弾く。

「逃げろ、令嬢。こいつは俺が引き受ける」

「え、めっちゃカッコいいじゃん! いや、待て、怪しすぎるだろ!」

心の中でツッコミつつ、俺はとりあえず茂みの奥に隠れた。

(このイケメン、助けてくれるっぽいけど、絶対裏あるよな!? ゲームにいないキャラって何!?)


バトルは一進一退。賊の剣が速くて、暗殺者イケメンも負けじと華麗に切り返す。庭の花壇が斬られまくって、花びらが舞う中、めっちゃ映える戦いだ。

(アニメ化したら絶対このシーン、CGでド派手にやるやつ! いや、今はそんな場合じゃねえ!)

俺は魔導書を抱えながら、なんとか状況を整理しようとした。

・賊は魔導書を狙ってる。

・暗殺者イケメンはイザベラを守ってる…っぽい?

・でも、こいつの「獲物」発言が超気になる!

「やっぱりこの本、ヤバすぎる…! でも、捨てるわけにはいかねえ。こいつがバッドエンド回避の鍵かもしれない!」

その時、賊が叫んだ。

「貴様、クロイツェル家の刻印を知る者だな! だが、魔導書は我々の手に渡る!」

「刻印!? またそれ!?」

俺は腕の紋様をチラッと見る。さっきより光が強くなってる気がする。

暗殺者イケメンが冷たく笑う。

「ふん、貴様らの主が何を企もうと、俺には関係ない。イザベラは俺が守る」

「だから、誰だよ、てめえ!?」

我慢できずに叫ぶと、イケメンが一瞬キョトンとして、すぐにニヤリと笑った。

「面白い女だな、イザベラ・フォン・クロイツェル。気に入った」

「気に入った!? 何!? 恋愛フラグ!? いや、俺は男だぞ!?」

(いや、今は女か…! もう頭こんがらがる!)

戦いが一段落し、賊が「チッ」と舌打ちして煙幕を投げる。

「覚えておけ、令嬢! 次はお前の首をいただく!」

煙に紛れて賊が消え、庭には静寂が戻った。

暗殺者イケメンは剣を鞘に収め、俺の方にゆっくり歩いてくる。

「お前、なかなか面白い女だな。魔導書を握りしめて震えてる姿、悪くない」

「は!? 震えてねえよ! いや、ちょっとだけ震えてるけど!」

(このイケメン、めっちゃチャラい! カイザー並にヤバいキャラだろ!)

「名前を名乗れ」

イケメンが俺をじっと見つめる。赤い瞳がなんか吸い込まれそうで、ドキッとする。

(やばい、めっちゃイケメン…! いや、俺は男だ! 落ち着け!)

「わ、わたくしはイザベラ・フォン・クロイツェルよ。あなたは!?」

イケメンは一瞬黙ってから、口の端を上げる。

「レオン。レオン・ヴァルド。覚えておけ、令嬢」

「レオン!? 誰!? ゲームにそんなキャラいなかったぞ!」

心の中で叫びつつ、俺はなんとか平静を装った。

「レオン…さん? なぜ、わたくしを助けたの?」

レオンがフッと笑う。

「さっき言ったろ? お前は俺の獲物だ。勝手に死なれたら困る」

「獲物って何!? 怖えよ!」

(この男、絶対ただのイケメンじゃない! 裏ありすぎ!)


その夜、屋敷に戻った俺は、魔導書を隠し扉にしまい直し、ベッドに突っ伏した。

「疲れた…! なんで俺、こんなアクション映画みたいな人生送ってんだよ…!」

でも、レオンの言葉が頭から離れない。

「獲物って何だよ…。まさか、こいつも魔導書狙ってる!? でも、助けてくれたし…」

さらに、賊が言った「刻印を知る者」や「主」って言葉も気になる。

「この世界、ゲームと違いすぎる…。魔導書と刻印が鍵なら、もっと調べなきゃ!」

翌朝、リナがまたしても慌てて部屋に飛び込んできた。

「お嬢様! 大変です! 王宮から緊急の召喚状が!」

「また!? 今度は何!?」

「第一王子殿下と第二王子殿下が、クロイツェル家に来訪されます! 魔導書の件で、至急話したいと!」

「うそ、昨日会ったばっかじゃん!? てか、俺、魔導書のこと隠してるのに、バレてる!?」

リナが渡してきた召喚状には、ルーカスとカイザーの署名。

「しかも、二人揃って!? 圧がすごいよ!」

そこへ、窓の外から聞き覚えのある声。

「よお、令嬢。昨夜は楽しかったな」

「!?」

振り返ると、窓枠にレオンが! ニヤニヤしながら部屋に飛び込んでくる!

「な、なんでお前がここに!? どうやって入った!?」

レオンが肩をすくめる。

「簡単だ。クロイツェル家の警備、ザルすぎるからな。で、王子たちが来るって? 面白そうじゃん。一緒に行こうぜ」

「は!? なんでお前が!? てか、俺の部屋に勝手に入るな!」

(このイケメン、ほんと何者!?)

召喚状を握りしめ、俺は頭を抱えた。

ルーカスとカイザーの王子コンビ、レオンの謎のイケメン、魔導書を狙う賊…。

「俺、どんだけヤバい状況に巻き込まれてんだよ!」

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