第39話 流産の危機
秋に入ると、食欲も前より出て来た。
食欲の秋とは、よく言ったものだ。
この頃には、予定日も教えてもらっていたので、あれこれと準備をしていた。
「どっちが、生まれてもいい様に、色は白色に黄色かなぁ。」
「意外と、赤ちゃんって揃える物が多いね。」
森田君のお母さんから、オムツはしないで布が良いからと、送られてきた。
「これ、大変じゃない。ちょっと、自信ない。」
「洗って、使うから、無理せんでいいよ。
オムツがあるってことは、そういうことだろ。」
準備も進んできた頃、私は急に腹痛に襲われる。
痛みが強くて、もしかしてと思いが強くなる。
直ぐに、森田くんに連絡をする。
「どうしたの。」
「急に、お腹が痛くて・・・」
苦しそうな、私の声に
「直ぐ行くから、待っててね。」
大学の近くなので、直ぐに駆けつけてくれた。
「電話は掛けた?」
「まだ。」
「すいません。瞳が、急にお腹が痛いって、今から見て貰えますか?」
今度は、掛かりつけの病院に電話をする。
「腹痛だけですか?出血や破水はしていませんか?」
「大丈夫似たいです。」
「でしたら、直ぐ来てください。」
電話が終わると、車に乗って30分ほどで到着する。
歩くのが、難しいと説明すると、ストレッチで運びますからといわれた。
そのまま、処置室へ。
ここの先生の言葉は、殆ど聞こえない。
お付きの看護師が通訳してくれる。
「検査の結果、切迫流産です。
取り敢えず、直ぐに処置しないといけないから注射をするわね。」
私は、言われるがままに、受け入れた。
「直ぐには、治まらないから点滴をしていきますね。
もう少しで、部屋に案内するから、暫くここで待っててね。」
私の所為なのだろうか?
この子は、大丈夫なのかな。
ごめんね。ごめんね。
私が、ちゃんとできなくて・・。
「今から、部屋に移動するわね。」
痛いのは、まだ治まらない。
看護師は、テキパキと点滴をして、お腹の張りが収まって聞くからといってくれる。
「暫く、かかりますか。」
「何とも言えないけど、直ぐには帰れないと思う。」
森田君は、お母さんと妹に連絡を入れてやって来た。
「今日は、もう遅くなるから、明日は見舞いに来るってよ。」
「ごめんね。」
「またか。
前も言ったけど、気にしなくていいよ。
大丈夫なの。」
「少し、ここに入院になるって。」
「さっき、書類を渡されたよ。
書いて、出しとくから。少し、ゆっくり休んだら。
準備も負担がかかったんだよ。」
そんな訳はない。
申し訳なさで、心が痛い。
「必要な物が、あれば持ってくるから言ってね。」
学校を抜けて来た彼は、バイトまでの時間ギリギリまでいてくれた。
お母さんも妹もお見舞いに来てくれた。
何事も無ければ、って色々と合ったけど、ここで出産をする予定だ。
ごはんが、美味しいと聞いていたので決めた。
それから、退院の日、前と同じで森田君は窓口で精算している。
金額は、前回とあまり変わらなかった。
「ありがとう。」
今度は、謝らないでありがとうって言ったら、笑いながら
「いいよ。」
って、言ってくれた。
家に帰ると、私は、保険屋さんに連絡をした。
今回も、同じく保険金が下りるのだ。
これも、もしもの為に貯めておこう。
いつも、読んでいただきありがとうございます。




