第43話 パパは、単身赴任
冬の寒さが落ち着いてきた頃、パパは卒業式を迎える。
パパとは、もう1ケ月以上も会えてない。
就職先の研修が2月から始まるので、単身で関西へ行っていた。
いくら専門職だからって、在学中から研修ってないわー。
私の、正直な気持ちだ。
いくつもの、やり取りで、パパは、慣れない環境でも頑張ってくれている。
私も、聖也とパパを応援しよう。
パパは、同期の人たちと、始発の電車に乗って通っているそうだ。
朝が弱いパパが、それだけで、大丈夫なのだろうかと心配になる。
論文発表と卒業式だけ、帰ってくる。
パパが、単位は取れているから、問題ないって言ってたけど、こんなに大学に行かなくて本当にいいのだろうかと思ってしまう。
あれから、もう3月も終わろうとしている。
聖也は、相変わらず、哺乳瓶が大好きで困ったものだ。
私は、哺乳瓶に負けたのか。ガックリしたよ。
最近は、足を蹴って、後頭部をズリズリと移動し始めている。
まだ、寝返りも出来ないのに、頭がはげるんじゃないかと心配になる。
あれも、これも心配なことがあるし、私にできる事が限られている事も悩みの種だ。
「ただいまぁ。」 「お帰りなさい。」
妹の帰還だ。妹も、社会人になって、夕方に帰ってくると、直ぐに
「聖ちゃん、ただいまあ。」
妹もお母さんも、私より赤ちゃんが優先になっている。
まあ、色々と手伝ってもらっているので、仕方ないのかもしれない。
この、反射的に、笑ったりしている顔が可愛くてたまらない。
温かい、ミルクの香り、小さい手で、私の手を、握ってくる。
早く、一緒に暮らしたいと、そう思った。
何時も、読んでいただきありがとうございます。




