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第41話 早かった出産

 暑さが残る日々の中、私は快適な環境にいた。

 入院生活とは、2回目だがこんなのでいいのだろうか?

 落ち着いてからは、点滴も無くなり、ご飯も普通食で、外と違って暑くも寒くもない快適な生活なのだ。


 そこから、退院まであっという間に、過ぎていった。


 今回の、入院も保険金の対象だったので、直ぐに手続きをして貯金する。

 赤ちゃんの出産予定日は、年明けの1月中旬なので、もうしばらくは、このままお腹の大きな生活だ。

 これが、もうここまでくると、中々に重たい、立ち上がるにしても、よっこらせっと声が出る時も。凄く、オヤジ臭いセリフだがそのくらい踏ん張らないと立ち上がるのも一苦労なのだ。


 12月の健診で赤ちゃんが思ったより小さいと言われたが出産には問題ないと言われた。


 森田君は、相変わらず大学とバイトの合間に会いに来てくれる。


「また、何かあっても、年末年始は止めてよ。

 飲んでたら、動けなくなるしね。」


「またって何よ。またって。

 早々、何も起こりませんよー。」


「もう、2回起こっているけどね。」

 森田君は、笑いながら話すと、お腹の赤ちゃんが大きく反応したのか、小さい足がお腹を蹴って来た。


「大丈夫なの、こんなに足がくっきり分かるけど。」


「大丈夫よ。またなんて言うからでしょ。」

 私も、笑いながらお腹の足をくすぐるように優しく触れると、何度かお腹を蹴って、元の姿勢に戻ったのか足は見えなくなった。


 私たちは、笑いながら元気そうな赤ちゃんに安心した。



 それから、私たちは思い知った二度ある事は三度ある と。

 大晦日の前日に産気づく私は、病院へ連絡して直ぐに来るようにと言われた。

 森田君に連絡した、飲んでるかも・・・。


「分かった、準備して待ってて。直ぐ行くから。」


 夜中、今日の彼は、飲んでなかったようで、迎えに来てくれた。


「ちょっと、早いんじゃない。」


「分からない。直ぐに、出て来るのか、まだなのか。」


「それもそうか。初めてだしね。

 後、2週間くらいの予定だからね。」


「まさか、三が日はマジ勘弁してよ。」


 病院へ着くと、直ぐに入院する私に、夜中の所為か直ぐ帰っていく彼に、手を振る。



 元旦、ハッピーニューイヤーじゃなく、産気づく私のお腹を検査すると何と、逆子になっていると言われる。

 このままだと、帝王切開になると言われた。

 森田君が、お腹を撫でながら、ママに迷惑を掛けたらダメだよ。

 って、話しながら、心配そうにしている。


「大丈夫よ。元気に生まれて来るなら。」



 翌日、陣痛が始まる。

 何と、逆子の赤ちゃんは元の姿勢に戻っていた。

 そんなことあるのって、正直に思った。

 看護師さんも、珍しいと言っていた。


 本陣通が始まる。ようやく、分娩室へ移動する。


 家族も、森田君も来ている。



 生まれて来た赤ちゃんは、まだ小さかったらしく、直ぐに保育器に入れられた。

 私も、抱くことも出来なかった。


 それでも、森田君は良く頑張ったねと褒めてくれた。

 出産は痛い。苦しい。

 でも、生まれた赤ちゃんを見たら良かったと思った。

 それに、痛みも和らぐようだ。


 私は、こうしてお母さんになった。


いつも、読んでいただきありがとうございます。

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