進行
地下
「茅秋。情報班が合流したわ。これで地下のこの場所に全部隊が集まった事になる。」
「そうね。これから先は留まることはできそうにないわ。なら、攻めに行くわよ。」
茅秋が言う。
「それなら、私が案内する。」
その方を向くと、真香がいた。
「起きて大丈夫なの?遊知。彼女はすごい傷だったでしょう。」
遊知と呼ばれた女の子は答えた。
「普通なら駄目なんですが、傷がほとんど完治してるんです。多分、この人は治癒力が高いんだと思います。」
「ありがとう。少し休んでいて。あなた、名前は?」
遊知に指示を出し、真香に聞く。
「私は真香。今は魔物研究所を調べている、いや、いたと言うべきかな。」
「どう言うこと?なぜあなたは流れてきたの?」
「それはこれから話す。この前の研究所は地上にあった。そこにはサイクロプスがいてそいつに私はやられた。そして地下に落とされそこを迷ってる内に水に落ちたわけで、流されて助けられた。こんな感じか。」
真香が説明する。
「なら、この先に敵が巣を張っているわけね。私は茅秋。道案内をお願いするわ。真香さん。」
茅秋が真香に握手を求める。
「よろしく。」
真香が手を握り返した。
真香の道案内に従い、水道を三日位歩いて来た。
そこには、大きな扉が道を塞いでいた。
「この先に生体反応がたくさんいる。確実に開けたら襲われる。」
早奈が言う。
「他に道はないの?」
茅秋が聞く。
「ここしかない。後、私が最初に入るから扉を開けて。」
「分かったわ。」
茅秋が真香の言うとおりに扉を開けた。
真香は中に入り、周りをみる。
「獣系と獣人系、なら、『周刃斬』。」
真香が鎌を持ちながら一回転する。
すると、周りいた魔物が切断された。
「これで、大丈夫……じゃない!」
飛んできた大斧を回避する。
「まさか、こんな所にいるなんてね。」
もの前にはサイクロプスがいた。
サイクロプスをにらみながら隙を探す。
「ごめん。後ろから敵が来たから中に入った!」
扉を閉めながら茅秋が叫ぶ。
「なら、全員でこいつをやるしかない!手伝ってくれ!」
真香が叫ぶ。
『その声はこの前の死神。生きていたんですか。ちょうどいいですね。そのサイクロプスはもうすぐ死にます。そいつを死ぬ前に殺せたら入り口を開けて差し上げましょう。』
声が聞こえた。
「神召器・サイス。展開!アーバンク・セイバー!」
真香が鎌を上に向けて叫ぶ。
鎌が光に包まれ、形を変えていく。
光が大きくなり、真香を包んだ。
「なら、本当の力を出さないと倒せませんから。」
光が収まり、真香の姿が見えた。
膝あたりまでの長さの袖のない上着、膝に届かない位のズボンとハイカットのブーツ、そして深紅の刀身の両刃剣。
さらに、真香は髪が赤みを帯び、瞳が朱くなっている。
「真香、あなたは何者なの?」
茅秋が問う。
「神の武器を持つ者。そして、その力を使うことの対価に人として死ねなくなった者よ。」
真香がサイクロプスに向き直り、跳躍した。
サイクロプスは武器を構え、迎撃に入る。
しかし、その間に真香はサイクロプスの後ろに着地していた。
「これで終わりね。」
真香は血を祓った。
サイクロプスの身体から火が噴き出した。
火はサイクロプスの体を包んでいき、炭に変えてしまった。
『お見事。約束は守りましょう。後、コレは使えなかったのであなた方に返しましょう。』
床が下がりはじめ、上から武器が降ってきた。
それは、神召器だった。
「貴様!みんなを殺したのか!?」
真香が叫ぶ。
『それじゃあ、私のところまで来たら教えてあげましょう。』
そう言って回線が切られた。
「これは、雷斧。それに炎剣に氷槍。葬鬼双刃もある。滅鬼狙銃と死鬼刀まで。みんな殺されたのか!」
真香が叫ぶ。茅秋が近づき抱きしめる。
「落ち着いて。今は悲しんでいては駄目よ。進んで行ってから声の主を倒してから泣いて。」
茅秋がそう言うと、真香は落ち着きこう言った。
「ありがとう。」
そして、みんなに聞こえるように大きな声で、
「この中で、人を辞めれる人は私のところにきてくれ。」
と叫んだ。
茅秋のノートパソコン。
『地下で道を確認。進むが残り60名まで数を減らす。』