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始まり

『動くな!』

一人の少女に向かって銃を向ける八人の軍人。

少女の格好は青の半袖でジーパンをはいている。

髪の色は黒でショートカットにしている。

『鎌使いめ!撃て!』

軍人の隊長らしき男が指示をだす。

銃が火を噴いた。

高速で飛んでいく弾丸が少女に襲いかかった。

だが、少女は体をひねりながら回避して軍人に接近する。

召喚サモン

少女は短く言い、接近しながら武器を呼び出した。

そして、銃を撃っていた七人とすれ違い隊長らしき男の首に得物を突きつける。

「“魔物使い”はどこにいる?」

少女が男に聴く。

しかし、男は不適に笑った。

「教えるわけないだろう。あの術は貴様等のような奴らを殺せる可能性があるのだからな!悪魔!」

「そう。さようなら。」

少女は男の首を切り飛ばした。

その瞬間、すれ違った七人の首も地に落ちた。

「私は悪魔じゃない、死神何だけどね。」

少女は鎌を持ったまま男達が護っていた建物の中に入っていった。

中は誰もいないロビーが広がっていた。

エレベーターが降りてきた。

ドアが開くとそこには右手に槍を持った少年がいた。

「遅かったな。上は外れみたいだぞ。真香しんか。」

少年が少女に話しかける。

「なら、下に行くだけよ。里谷さとたに。」

二人はエレベーターに乗り地下に向かった。

エレベーターの中で真香が聞いた。

「他の人達はどうしたの?」

里谷は下を向き言った。

布尾ぬのおは死んだよ。魔物にやられた。」

「そう。」

少女はそれだけで話をきった。

エレベーターが最下層についたようで扉が開く。

『死神さん達、いらっしゃい。よくここまで来ましたね。ご褒美に五十人の悪魔憑きの融合型のサイクロプスと闘って死んでください。』

アナウンスが流れ、真香達が乗っているエレベーターが上から潰される。

二人は通路にでて難を逃れる。

潰れたエレベーターの所にいたのは一つ目の怪力で3m位のサイクロプスだった。その剛腕が握っているのはかなりの重量がありそうな銀色の鉄槌だった。

「そこまでデカくないが力はかなりのものみたいだな。」

「怖じ気づいた?私一人でもいいけど?」

「冗談!行けるに決まってるだろ。」

そう言って二人はサイクロプスに向かって行った。

サイクロプスはエレベーターの場所から出てきた。

「先手必勝!一槍砲いっそうほう!」

里谷が突撃する。

一槍砲とは直線上50mを一瞬で通過する時に、槍を構えながら行くため貫通する技。

欠点としては、真っ直ぐにしか進めない点だけだ。

それはサイクロプスの鉄槌により守られた。

「やば!」

里谷が回避に移るがすでに遅かった。

サイクロプスの拳が里谷の顔を殴り飛ばした。

里谷は地面に溶けるように消えて行った。

サイクロプスと目が合う。

サイクロプスが鉄槌を振り上げる。

そして、地面を叩きつける。

砂塵が視界を奪う。

真香はその場から後ろに飛んだ。

さっきまでいた場所を何かが通るが真香を捕らえることは出来なかった。

砂塵が晴れては来ているがまだ完全には見えていない。

真香は鎌を構えながらサイクロプスが動くのを待っている。

サイクロプスは本来目が良い分耳は悪いはずだからだ。

動くとしたら見えてからだと考えた。

サイクロプスは動いた。

真香はそれを横に飛び回避。しかし、サイクロプスは振り下ろした鉄槌をすぐに横に振った。

「っつ!」

真香は鎌を間にいれ直撃を喰らうのを防いだが壁に叩きつけられてしまった。

サイクロプスが真香に近付く。

鉄槌が振り上げられる。

その瞬間、

「一槍砲!」

里谷の技は槍を突き刺すタイプだが鎌だとそれはできない。

それをアレンジして引っ掛けて切り裂く。

サイクロプスの頭が飛ぶ。

真香は無理やり体を動かしたため着地に失敗した。

「里谷の仇はとれたかな。」

独り言を呟きながら首をサイクロプスがいるほうに向ける。

そこには、首を無くしてもしっかりとした足つきで向かってくるサイクロプスがいた。

「嘘でしょ!もう動けないのに!」

サイクロプスが鉄槌を振り下ろした。

しかし、頭がない分感覚が違うのか少し手前に振り下ろされただけだった。

その一撃で床が抜けた。

サイクロプスは その場から飛んで難をのがれたが真香はそのまま落ちていった。

『サイクロプスのバカ!逃がしてしまったじゃないですか!』

音声がサイクロプスに文句を言う。

『さて、地下の下には隠し通路がありますが見つからないでしょう。』




地下の下水道ブロック清掃所


「清水の準備が出来たらでるぞ!校舎に魔物から取り返すんだ!」

腕に『生徒会 副会長』の腕章をつけた学生服の少年が言った。

「状況を確認するよ。悪魔憑きは一階と三階にいる。数は両方二人。生徒は二階の大会議場に避難しているが何人かは悪魔憑きの被害にあったらしい。後は、二階に行かれる前に叩くはよ。」

腕に『生徒会 会長』の腕章をつけたジャージの少女が言う。

「「「了解。」」」

何人かの学生が言った。

「誰か来てくれ!人が流れてきたぞ!」

遠くから少年の声が聞こえた。

学生達はそのほうに向かった。

そこには、怪我まみれの少女がいた。

「保健部、手当てをお願い。それ以外は私に続いて悪魔憑きを叩くわよ。副会長は一階を風紀と体育部と行って。私は、三階の奴を文化部と行く。みんな怪我しないでね。」

少女達は梯子を使い上に向かった。


体育館倉庫


「敵影なし。行きます。」

副会長が走る。

それに追従する二人。

校舎の玄関に向かい走る。

それを確認し会長もそこからでる。

会長達は校舎横の緊急避難階段から三階に向かう。

『会長。こちら敵を発見攻撃を始めます。許可を。』

トランシーバー(以後、シーバー)が鳴った。

「了解。もう一つにも注意しながら行動してね。こちらも攻撃開始する。」

シーバーに答えて前に現れた少年を見る。

周りに黒い球体を浮かばしながら校舎を徘徊している。

早奈さな。援護よろしく。」

文化部の少女が頷く。

茅秋ちあきも気をつけてね。」

会長がハンドガンを構え突っ込む。

少年が茅秋に気づき黒い弾を撃ってくるが、早奈のスナイパーライフルに打ち消される。

その間に茅秋は近づき頭を撃ち抜く。

「まずは一つね。次はっと!」

飛んできた剣を後ろに飛び回避する。

「外しましたか。動けなくして実験体にしたかったのに。」

剣が飛んできた方を見ると、黒いマントと三角帽をかぶり杖を持つ少女がいた。

朱理しゅり鳥梨ちょうり。あなたが今回の原因ね。なんでこんな事をするの?」

「魔術を極めたいから。」

鳥梨が言う。

そして、ナイフを飛ばしてきた。

「会長制限を持ち悪魔を駆除します。」

ハンドガンを腰に直し、

「召還」

一言呟く。

茅秋の手に倭刀が握られている。

「魔を絶ち、人の理を守るために選ばれた力を受けて見ろ。」

茅秋が走る。

「黙れ!死神!殺してやる!『黒き炎龍』!」

杖を床に突きそこを基準として半径1mの魔法陣を展開させ、その上に龍を召喚した。

「今日捕まえた五人を変換してこんな事も出来るわけよ!」

龍が襲ってくる。

そこまでは大きくないせいぜい2m位だろう。

「人を対価に払い龍を使役している。しかも、炎でできているから普通の武器では倒せない。でも、あなたはこれ以上魔法を使うと悪魔になるわよ。いいの?」

茅秋が龍の突進を避けながら言う。

「全ては王の為に。私の魂も王の為に。王への絶対的忠誠を。」

鳥梨が譫言のように何かを返してきた。

それを聞いて茅秋は倭刀を下構えにし突進してくる龍に向かって走り始めた。

「忘れたの?普通の武器じゃ倒せないのよ!」

鳥梨は龍を加速させた。

茅秋は直撃をかわし、下から龍に倭刀を振るう。

龍は二つに分かれ地に落ちる。

「クソが!『炎上の剣』!」

鳥梨が炎を纏うロングソードを出し茅秋に向かって走る。

茅秋も立ち上がり鳥梨に向かって走り出す。

武器がぶつかり合い硬直状態に入る。

炎が二人を包む。

しかし、炎が消え去った。

「馬鹿な!こんな小娘ごときに僕の炎が!」

鳥梨が叫ぶ。

「やっぱりね。鳥梨。今助けてあげる。」

茅秋が鳥梨の首元に手を伸ばしネックレスをもぎ取る。

「うぅ。いやぁぁぁぁ!」

鳥梨が悲鳴をあげ倒れる。

気絶したようだ。

茅秋はネックレスを開ける。

そこには、ドレッグがいた。

ドレッグは大小さまざまな奴がいる。

理由は悪魔になりきれなかった残りカスの部分だからだ。

「さあ、あなたの飼い主を教えてくれるかしら?」

茅秋は睨みつけながら言った。

しかし、ドレッグは空気に溶けて消えた。

「茅秋!それを捨てて!」

早奈が叫んだ。

茅秋はネックレスを捨てる。

ネックレスが地面に落ちそこを中心に2m範囲が消滅した。

「『円陣型消失陣』だね。コレを使うとなるとさっきのドレッグを仕込んだときにネックレスに一緒に仕込んだのね。」

早奈が言いながら近づいてくる。

「ドレッグは発動キーね。ネックレスは爆発物みたいな感じに作られていた。危うくやられるところだったよ。ありがとう、早奈。」

茅秋は礼を言う。

「それよりは、鳥梨をどうする?今の状態だと悪魔になるのはほぼ確実だよ。じゃなくても異法の力で変色してるから人じゃなくなる可能性が高い。」

早奈が冷静に答える。

「ひとまず禊ぎをしに戻りましょう。」

茅秋が鳥梨を担ぎ歩き出す。


その頃、一階では。


副会長が戦っていた。

「よくも!この命に替えてでも貴様を消してやる!橋林はしばやし!」

副会長が目の前の男に向かって言う。

「鳥梨を使うとこまではよかっただろ。奴は周りにちやほらされることが多いからつけ込む隙がすごかったよ。近付いて甘い言葉を囁いたらあんな風に操れるようになったよ。元彼さん。いや、想辞そうじ君。」

橋林が想辞を挑発する。

「よくも鳥梨を!アイツは普通の人間だぞ!」

想辞も食い下がる。

「まあ、奴が悪魔になりゃてめぇもまともに付き合えるんだから良い話だろう?」

橋林が言う。

次の瞬間、想辞が動いた。

ナイフを持ち一気に接近する。

そして、心臓に突き立てる。

「ふざけるな!彼女の幸せを考えるならこっちを教えるべきじゃない!」

ナイフを引き抜く。

橋林はそのまま倒れる。

足元に血溜まりができる。

「こちら、今より戻ります。」

シーバーに向かって話ながら打ち合わせの場所に行こうと歩こうとした瞬間、足に違和感を感じ下を見ると、血が足にまとわりついていた。

「なっ?しまった!」

想辞は理解した。

「甘いな。悪魔は心臓なんて関係ねーんだよ。」

橋林が生きていることを。

「なら。」

想辞は振り返りナイフで開いた所に手を突っ込む。

「これならどうだ。『死の禊ぎ』!」

橋林が顔をしかめる。

「てめぇも消えるんだぜ。『生の道連れ』!」

二人の体が地面に溶けていく。

「もともと、死ぬつもりさ。悪いな鳥梨。会長。」想辞はにこやかに消えて行った。




生徒会室。


「副会長部隊全滅。悪魔と遭遇し殲滅。三名の損失です。補給が必要です。後、今回の被害者は六人内五名が消えました。残りは、三年は二十人、二年は十五人、一年は十五人です。」

会計が言う。

「そろそろ、学校も限界ね。地下にこもる用意を全員に言っておいて。保健部。二人はどうなの?」

茅秋が指示をだしながら聞く。

「はい。薬をうってはいますが意識は戻りません。悪魔化の予兆もありません。」

保健部が報告する。

「わかったわ。今日は解散。」

そう言って茅秋は席を立った。

そして、隣の部屋『会長部屋』に入って行った。


会長部屋


ネットに繋いだ茅秋はソファーに腰掛けながら情報を見ていた。

『自衛基地が強襲される。強襲したのは三名。安否不明。』

『地下下水ブロック上層に入口を発見。』

『陸上地下降下用ゲート付近にドッグズが発生。損害小。』

偵察部隊と警戒部隊、防衛部隊からの報告が入っていた。

茅秋もパソコンのキーボードを叩く。

『学校に悪魔発生。被害大。地下に潜る合流求む。』

叩き終えるとソファーに転がり眠りに落ちた。


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