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閑話2

滑稽に見えても、それぞれが非常に真剣に考えた結果がこれです

●魔人教/リッケルド・ギュラー・フェニウム


「誰でも服用可能なリベラルウォームが配られている?何の冗談だ?」

「いえ、それが…強力なものではなく…蝋燭を灯せる程度の火や一口分の水を出す魔法だそうで」


「魔女様が原点回帰なさった!!?」

「その魔法で、何度も繰り返し鍛錬して、器を育てれば大きい魔法も使えるようになるそうです」

「嗚呼!待つばかりではなく努力をせよと!そう仰っておられるのですね!!」


「まずは幹部様方の分だけでもと、10人で並んで10個受け取って参りました。使用すると暫く激痛が走るそうです、お気をつけて」

 部下たちはそう言いながら私の手に10個のリベラルウォーム……えらく色の薄い透明に近いものを置いた。


「下がって良い、これは上部で一旦預かる」

 扉が閉じた後、私は考えを巡らせる。


 こういったものは我が教徒となってから、教団から配るべきものだった。国から…しかも軍務伯から配られるとはなんたる失態!!この上はせめて大きい魔法を使えるリベラルウォームとやらを真っ先に使えるのは我が教団の幹部でなくてはならない。そして、その大きい魔法のリベラルウォームは我が教団から出さねばならない!!


 教祖――リッケルド・ギュラー・フェニウムは、幹部を招集し、透明なリベラルウォームを配った後に言う。


「幼女とオルソーニ、どちらが魔女なのか突き止め、魔女である方を浚って来るのです。傷つけず、丁寧に、丁重に、尊崇を込めて。我が教団の神となって頂き、リベラルウォームを生み出して頂くのです。優秀な者に仕事を任せ、決して通常戦闘員は参加させぬよう、早めに――そう、今夜にでもお招きして下さい」


 そうして幹部たちは一斉に透明なリベラルウォームを飲み込み、暫くの間身動きが取れなかった。余った分は、今夜の工作員に渡して飲ませた。



●人法教/アリバロイ・メッセン・フォートガート


「馬鹿な。今更大昔の状態に戻すだけのリベラルウォームを配るなど!器を育てる為?パシャ・コーストロードもオルソーニ・デル・メツェルディードも、鍛錬をした気配などなく大魔法を行使しているではないか!」


 人法教教祖、アリバロイ・メッセン・フォートガートは声を荒げる。

「その二人はもうイレギュラーだとしか…」


「で、どちらが魔女か――」

「いえ、どちらも魔女ではありませんでした」


「どちらも魔女ではない!?馬鹿な!!ありえない!!」

「しかし魔女は居ました。パシャの器の中に」


「パシャ・コーストロードの器に魔女様が宿っている…?ふむ…それは興味深い…お前達、良くそこまで調べ上げたな。ああ、鋲探を使ったのか。オルソーニに謎が残るが仕方がない」

「まだ調べますか?」


「いや、2人を調べるのは終わりだ。パシャ・コーストロードを浚っておけ。いざとなったらその器から魔女の魂を引き抜いて代わりに私の器を広げてもらう」

「は、今夜にでも」


「器に宿るのは魔女でなければならないのか、それ以外の人間でも自分の器に大量に盛り込めば広がるのか、実験せねばならない。実験体の補充は出来ているかね?よし、ならばまずは一般兵で試してみようではないか。通常の人間の魂を器に入れ、どう反応するのかを!」



●財務伯/ロファドレイ・エックト・メトセラド


「今更昔の状態へ戻すアイテムを配っているだと!?しかも軍務伯が!!ええい、鬱陶しい…第一王子派が勢いづくではないか!しかし何故そんな事が出来る…?誰が実際に生み出している…?」

「魔女だと疑惑の上がっているパシャ・コーストロードあたりが発端ではないかと…」


「そうだな。人間に出来る業ではないな。魔女か。まだ生きておったというのか…?いや、最後は自らが何かの破片となって飛び散ったのであって、死んだ所を誰も見ておらんのだったな。若返って我らの目を誤魔化して来た訳か!全く気に食わない話だな!そのアイテムを配り終え次第、今度こそ魔女には死んでもらう。愚を2度と犯さぬようにな」


「アイテムは何陣にも分けて配る予定のようで、いつ終えるとも知れないようです」

「今更贖罪の心算か!500年も沈黙しておいて都合の良い事だな!そんなものを待っていたらいつまで経っても放置せねばならんではないか!――もういい。人は魔法のない生活に既にとけこんでいる。今晩で構わない。――殺せ」


「はっ…影の者に行かせますか?」

「それで行くしかないだろう。下手に私兵などを動かせば、あちらは騎士団だ。全面戦争になる可能性がある。そうすれば、我らがクーデターを起こしたという最悪な結末が見えるな!」


「それではなるべく秘密裏に…」

「そうだ。私が後ろに居る事を悟られない人選をしろ。外部から雇っても構わない。私の名前を出すなよ」


「御意に。では早速動いて参ります」

「頼んだぞ。もう魔女の話題など聞きたくもない!さっさと片付けてしまえ」



●オルソーニ


 いや、違うんだ。俺は幼女趣味ではない。パシャだからこそ惹かれたのであって…こう…運命的なものを感じたというか…。


 え?何を言おうがパシャは幼女だろうって?五月蝿い解ってる!!育つまで手を出す心算などない!!危なっかしくて見ていられないと思えば逆にこちらがいつの間にか庇われている。そういう所に惹かれたのかも知れない。


 俺が乙女!?何言ってるんだ?普通は逆だと?――ああ、まあ、確かにそうかも知れないな。戦闘能力はパシャの方が高いんだ。仕方がないだろう。まあ、最近では肉薄できているが。


 近頃俺がパシャと同じような事が出来てずるい?あー…そこんとこは伴侶特権というか、俺にしか適用されないんだ。諦めろ。8歳児を伴侶と呼ぶなって?実際そうなる予定なんだから問題ないだろう。


 世間体を気にしろと?――ん~でも悪い虫避けにもなっていいんじゃないのか?なんで呆れた顔してるんだ。惚気てない!!今のところは親子関係にでも見えるようにせいぜい頑張ってみるくらいしか出来んからな!!はぁ…俺は部下に何の心配をされているんだ…?


 お前ら腕立て1000回な。五月蝿い。とっとと始めろ!



●パシャ


 いつからオルソーニさんに恋してたかって?うーん。解んない!気づいたら大好きになって、特別になってたよ!


 オッサンが相手でいいのかって?失敬な!オルソーニさんはおっさんじゃないよ!お兄さんだよ!


 欲目で見てる?んー。それは解らないな。そうなのかも知れないね。


 これだけ年が離れてると先に逝ってしまう事が寂しくないのかって?うーん。そこは…ちょっと秘密なの。うん。話せないね。ごめん。


 あっバタバタしてて、皆に奢ってもらうの忘れてたよ!明日から順番におねがいするね!ごはんかデザート、両方でもいいよ!


 ん?ふるこーすでなくて良かった?ふるこーすって何?知らなくていい?なんで?来月になったら教えてくれる?変なの。なんで期間限定なの?深い訳がある?そっか。深いならしょうがないね。


 あ、もうちょっと休んだらまたコアを作らないといけないから、そろそろ休憩も終わりにしなきゃ。せめてこの町に居る人々だけでも早く魔法を使わせてあげたいから、がんばるね



●ナビゲーター

 

 アア、ヤハリ私ガ間違ッテイタノダ。魔女様ハぱしゃノ中ニ居ラレテ、タダ平穏ヲ望ンデオラレタ。世間ニ対スル復讐ヲ望ンデオラレタノハ表層ニ出テ来タ2重人格ノ方ノミ。兵器ニ寄セテシマッタモノヲ戻ス事ハデキナイケレド、料理ヤ掃除ナドノ家庭的ナ能力ヲ得ル事モ出来ル様、かすたむスル事ハ可能ダ。


 ぱしゃガナルベク笑ッテスゴセル未来ヲオ望ミニ…?ナラバ出来得ル限リノ障害ヲ打チ払イ、おるそーにトノ幸セナ夫婦生活ヲ応援スル事ニ致シマス。ドウカ憂イ顔ヲナサラナイデ下サイ。


 敵ガ消エタ訳デハナイノハ承知シテオリマス。ソノ障害ヲおるそーにト共ニ切リ抜ケル事デ、仲モヨリ深マリマショウ。取リ合エズ把握シテイル敵組織ハ3。少々数ガ多イデスガ、2人ノ保身ヲ最善ニ考エ、部隊ニ損傷ノナイヨウ気ヲ配ル事ト致シマショウ。


 私ノ予想デハ、功ヲ焦ッタ組織共ガ三ツ巴デヤッテキテ潰シ合イヲ始メルト思ッテオリマス。ソウデスネ。今晩辺リデハナイデショウカ?


今晩、一体鉢合わせするのは何処の組織になるのやら、気になりますね。

読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!

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