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11.殺したくない

長いので今回も途中で切ってます><

「より面倒になった気がする」

「同感だ」

 昼からの訓練に備えて、2人は執務室で書類を片付けながらお茶をしている。朝ごはんは済ませてある。


 と言ってもまだパシャには、書類を種類ごとに分ける仕事くらいしか出来ないが。左上端に区分が書かれているので容易ではあるが、地味に面倒な作業だ。


 組織側に魔剣が渡ったのなら、第5隊長なんて相手にもならないくらい強いだろう。


「そういや、機会がなくて使ってないみたいだけど、リベラル、使えそう?」

「1人稽古の時に何度か試した。暗殺あたりが使いやすいな。速度が出る。超人は限定過ぎるな。10秒だからな…。怪力と超能力はあると便利だな。生き残り(サヴァイバー)はヒールとアンチポイズンなんかが使えるのは助かる」


「そういえばあの魔剣、動けなくなるからベツモノと勘違いしちゃうけど、毒だったね。アンチポイズンで治せそう」

「そう言われるとそうか。厄介さがちょっとマシになったな」


「願望とか使わないの?武器防具とか」

「統一規格のお仕着せがあるからな…団としては使えないな」


「大魔法は?」

「魔法ってのが良く解らん」


「ナビゲーターが教えてくれるでしょ?『不汚不壊』とか『容量無限』とか『時止め』とか「重量無視」とか、鞄とかに付与しとくと便利だよ?」

「ああ、なるほど…攻撃方向に頭が行ってた」


「攻撃は私も良く解らないんだ…そのうちナビゲータに聞こうと思ってるけど。あ、大きいなりそこないを一撃で倒した大きい刀は魔法だよ」

「えぐい威力だったな」


「フェンリルもあれで倒したもん」

「えげつないな…なんか呪文とかあるのか?」

「殆どないけど…あの魔法は『大刀降り落ちん』って唱えてるかな。安定する気がして」


「んー…要は感覚の話になる訳か」

「そうとも言うね。前に洗浄の魔法使ったとき、唱えてなかったでしょ?」


「あれ、遠征でめちゃくちゃ助かる気がしてる」

「水も出せるしね」

「飯も出せればいいんだけどな」


「それこそ願望で出せばいいじゃない」

「あー…やばい、脳みそ硬くなってんな俺」


「戦闘機器全般のが一番やばいかも知れないけど。周辺一帯を焼き尽くす爆弾みたいなの出せたりする。危なすぎて使ってないけど、戦争なんかが起こったら使うだろうね」


「あー…あれはおっさんにはちょっとハードル高いスキルなんだよ…。剣一本でやってきたからなあ」

「…隊長はまだお兄さんとの狭間のような気がする」


「お世辞言ったってなんも出んぞ」

「ホントのことだもん!」

 

 今日昼から行われるのが実戦訓練の日だ。定期的に溜まる森の魔物を打ち払うのはどの部隊も訓練に使っている程度に強すぎず弱すぎない。住民にも感謝されるしいい事づくめだ。気を抜きすぎた新人が毎年1人くらいは亡くなるのが玉に瑕だ。3マンセルで動くが、隊員は20名の為、どこかは2人になる。が、そこは2人で頑張って貰う。


 パシャと隊長が組むと訓練にならない為、この2人は単独行動だ。危ない隊員を見つけたら助けに入ったり、ガスなどで汚染されている危険区域に踏み込みそうな隊員を注意して引き戻したりする。パシャは必死でマップを見て地理を頭に叩き込んだ。


 パシャは適度に暗殺のリベラルでマップ内を飛び回り、魔物を間引いていく。そのうち、段々不審に思う。20人も居る筈の隊員と1度も遭遇しない。偶々だろうか?そう思っていると、オルソーニとばったり遭った為聞いてみる。


「隊員と擦れ違った?私一度も姿を見ないんだけど」

「いや、お前もか…何かおかしい。探索優先で行く。俺は左側、パシャは右側でいいか」

「わかった」


 二人はそこで別れ、魔物を(ほふ)りながらも人影を探す。居ない。その代わりになりそこないに襲われた。腹についた顔に見覚えがある。


「ラカッソ…?」

 顔はへらへらと笑っており、こちらに攻撃してくる腕に躊躇(ためら)いがない。理性も記憶もない様子だ。目には黒い偽リベラルが嵌まっている。


「ナビゲータァアアアアアア!!!」

 ――偽リベラルを回収し、元の人物を思い描きながら願望のリベラルを使うことで戻せます

「解った」


 基本的に黒リベラルは怪力のリベラルを模してある。一番単純ゆえに効果が高いのだろう。実際バリアが通用しないので気を抜くと危ない。超人のリベラルを使い、腕を跳ね除けながら、目から偽リベラルを回収する。なりそこないの動きが止まった。


「ラカッソさん、ねえ、ラカッソさんお願い戻って!!」

 じわりとなりそこないに変化がある。徐々にヒトガタに戻っていくのを見て、パシャの顔が(ほころ)んだ。ラカッソの姿に戻り、呼吸を確認する。問題ない。後は意識の確認だ。ぺちぺちと頬を叩きながら覚醒を促す。


「う、うう……」

「ラカッソさん、何があったか教えて!」

「女が…」


 きちんと喋れている。これは大丈夫そうだ。

「女が?」

 頭に衝撃がある、()ぎ取られている、と感じた瞬間にパシャは意識を失った。




 はっと意識が戻ると一人で魔物を間引いてる所だった。オルソーニと遭った後だろうか、前だろうか、それも解らない。取り合えずラカッソに出会った地点まで暗殺のリベラルで出来るだけ早く向かう。すると、ラカッソをボーラ3つで拘束し、無理矢理に黒いリベラルを口に入れようとしている女に出会う。カッとパシャの両目に憤怒が宿る。


 勢いのまま女にタックルし、ラカッソから離す。女を超能力で身動きが取れないように着ている衣服で縛り上げる。


「お前は1人か」

「ひ…1人よ(嘘、3人居ると知れば絶望するかもね)」


 統率を介してサトリの能力を使ったパシャは強張った顔で女の額を撃つ。懐を探ると黒いリベラルが10、リベラルが1見付かった。リベラルのみ回収、あとはサイフを貰っておく。


 ラカッソを拘束したボーラを解き、どうすべきか迷う。置いて行けば同じ目に遭う可能性が高い。1人で帰らせても同じく、(かえ)って狙われそうだ。ついて着て貰うのが一番安全、と結論付ける。


「3マンセルの残り2人は何処だ?」

「ば…ばけもんになっちまった…」


「どっちへ行った?」

「あ…あっち…」


 指された方向へ2人で向かう。なりそこないを発見し、急いで傍に寄ろうとした時、その顔をツヴァイハンダーが抉った。


「ぁ…ユルファ……」

「お、パシャか。妙になりそこないがうろついてるから気をつけろ。此処に来るまでに5匹も倒した」


「ィイイイヤアアアアアアアアア!!!!」

「…おい、パシャ?どうした…」

「…どせるの。それは隊員たちで、元に戻せたの…!」


「なっ………え…じゃあ…俺は…?」

 パシャはぶるぶる震える腕で腰の銃を抜くと、耳元に当てて。

「戻るね」


 ズドン!





 はっと意識が戻ると一人で魔物を間引いてる所だった。オルソーニと遭った後だろうか、前だろうか。つい先ほどの周回で会う前の感じからして遭う前の可能性が高い。きょろきょろと周りを見渡すと見慣れた背中が消えていくのを見かける。暗殺者のリベラルで加速し、オルソーニに追いつく。前を塞ぐ形で相対した。


「パシャ?どうした」

「組織が来てる。3人。一人は女。団員をなりそこないにして回ってる。なりそこないからリベラルを抜いて、その団員の元の姿を思い浮かべながら願望のリベラルを使えば戻せる!なりそこないを殺さないで!」


「解った。なりそこないに遭う前で良かった。3人居るなら別行動の方がいいか」

「私は地点が解ってる右から行く。左は任せる。ボーラで拘束しようとしてくる筈だから気をつけて」


 2人は分かれ、パシャは先ほどの地点へ急ぐ。まだラカッソが拘束されている状態だ、間に合った。

 そのままの勢いで先ほどと同じくタックルをかまして女を突き飛ばし、何かを言う前に腰の銃で額を撃った。リベラルとサイフの位置は把握している。さっさと鞄に回収し、団員のボーラを外してやる。


 怯えた目で震えてるラカッソの背中を大きくバシッと叩き、少し正気に戻す。


「あ…2人が…」

「こっちでしょ」

「あ、そ、そうなんだけど、ばけもので」


 なりそこないのユルファを見つけ、怪力のリベラルと傀儡のリベラルで動きを止める。

()()()()()()()()

 目から偽リベラルを抜き、渾身のイメージでユルファの姿を念じる


「ユルファ、返ってきて。お願い戻って…!」

 ラカッソが震えながらキョロキョロと辺りを見回している。ユルファは程なく元の姿に戻った。

「ユルファァアア!!」


 ラカッソが泣きながら飛びつく。

「も、もう…ダメかと…俺…」

「え…俺?何が…女が…」


「どけぇえええええ!」


 パシャが叫び、2人を足で蹴り飛ばして逃がす。2人を千切ろうとしたルーフェスのなりそこないの手が宙を切った。傀儡のリベラルで叫ぶ。

()()()()


 ルーフェスの偽リベラルを抜き、ルーフェスの姿を鮮明に思い出し、願望のリベラルに請う。

 ルーフェスの姿がもう少しで戻る、と嬉しそうにパシャが微笑んだところで、視点が回転し、刀を持った男、首のない自分と団員の死体を見たところで意識は暗転した。




 はっと意識が戻ると一人で魔物を間引いてる所だった。暗殺者のリベラルで加速し、オルソーニに追いつく。前を塞ぐ形で相対した。

「パシャ?どうした」

「組織が来てる。3人。一人は女。団員をなりそこないにして回ってる。なりそこないからリベラルを抜いて、その団員の元の姿を思い浮かべながら願望のリベラルを使えば戻せる!なりそこないを殺さないで!」

「解った。なりそこないに遭う前で良かった。3人居るなら別行動の方がいいか」

「私は地点が解ってる右から行く。左は任せる。ボーラで拘束しようとしてくる筈だから気をつけて」

 地点へ急ぎ、組織の女を殺してラカッソを救う。ユルファも救った所で、パシャは気配を探る。居る。

 そちらに気を配りながらも、団員2人を蹴り飛ばしてルーフェスの動きを止めておく。

「覗き見は良くないね、オッサン」


「気付いてたのに構ってくれなかったのかい?寂しいねえ」

 超人のリベラルにバリアの重ねがけ、男の振るった刀をそのまま受けて圧し折る。腰の銃を口に捻じ込み、引き金を引いた。念のため首を千切っておく。そこで超人のリベラルが時間切れした。


 ルーフェスを戻そうとそちらへ向かい、なんとか呼び戻す。ほっとしたところに、横から影が差す。

「ピ…」


 名を呼ぶ前に頭と胴を掴まれ、ぶちぶちと千切れる音を最後にパシャの意識は暗転した。


今回はちょっと時間掛かりそうです。正解のルートはどこでしょう

読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!

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