闇墜ちカメラマン戦死!
元は理想に燃えた平和主義の記者・綾城貞久。
真実を伝えることで、戦争は止められる‥。
そう信じ、何度も前線に赴いた。
だが彼の原稿はことごとく軍に検閲され、仲間が爆死した現場写真は報道価値ゼロとして葬られた。
上層部は読者が望んでいないと冷たく言い放つ。
何かが壊れた。
貞久は報道から逸脱し、敵も味方も殺す映像を売ることにした。
地獄の現場でカメラ片手に死者の最後を演出することで、禁断の戦争映像作家として裏の人気を得ていく。
だが、虚偽の演出はやがて本物の死を呼ぶ。
彼がレンズを向けたその先に、本物の死神が立っていた。
空爆の音が去って、十五秒。
貞久は、煙の向こうに立ち上がる男をズームした。
片腕を失った少年兵が、まだ銃を離さない。
シャッター音が三度鳴り、その命は終わった。
撃たれる前と死ぬ瞬間の間に、わずかな編集が施される。
視聴者は、その真実を知らない。
こんなものは、もう報道じゃない。
だが再生回数は数百万。報酬は、戦場カメラマンの10年分だった。
貞久がある日撮影していた少女兵士。
だが、その少女は貞久の存在に気づき銃口を貞久に向ける。
貞久は自分が撮られる側になったと気づく‥。
その瞬間、銃弾が貞久を貫いた。
少女兵士はカメラを手に取り‥
「最後の戦場記録よ‥。あなたの血は、ちゃんとこれに残してあげる。」