43章 僕の選ぶパートナーは…
「それでは今ファッションショーのルールを説明させて頂く!」
グルーナが指を鳴らすと大広間が暗転し、巨大スクリーンが投影されて図と共に説明する。
「まず最初に会場にいる人の中からパートナーを探す所からスタート!パートナーは誰でも可!」
「パ、パートナー?つまり、愛歌たちに呼ばれたら僕らも参加する事になるの?」
そんな事パンフレットに書いてあったかな?と道人はパンフレットのページを確認する。
「グルーナがその場で出す課題って書いてあったから、多分それだろ?」
「サプライズってやつじゃろう。」
深也と大樹の意見を聞いて道人はあ、そういう事か、と納得した。
「パートナーを見つけた後、二階の洋服売り場でパートナーと協力してランウェイを歩くための服を選んで着てきてもらう!尚、最終的に選んだ服は私に気に入られた場合、そのままプレゼントだぁっ!」
グルーナのプレゼント発言を聞いた参加者の一部が興奮し、喜んでいる。
「こりゃ、罠だな。」
「ん?どういう事じゃ?」
「そうだね。プレゼントされるって事に目が眩んで、ショーのために服を選ぶ事よりもこの服が欲しいって欲の方を優先してしまう人も出てくるだろうね。」
「なるほどのぉ。」
大樹は道人の解説を聞いて腕を組んで頷いた。
「服を選ぶだけで終わりじゃない!デュエル・デュラハンのコーディネートも忘れちゃいけない!同じく二階の広場にてデュエル・デュラハンのドレスアップコーナーを設けてある!そこに置いてあるドレスアップデータをスマホにインストールして、自分が選んだ服と合う様にデュラハンをコーディネート!テーマは騎士と女の子だぁっ!ちなみにドレスアップデータも服と同じく、私に気に入られたらプレゼントだぁっ!我ながら太っ腹ぁっ!」
グルーナの発言にまた一部参加者が興奮する。
「そしてそしてぇっ、自分とデュラハンをコーディネートし終えたらここに戻ってきてランウェイを歩いてもらい、自分をアピール!それでゴールだぁっ!自分とデュエル・デュラハンのコーディネートの制限時間は一時間とさせて頂く!更に更にぃっ、ここでもサプラァーイズ!志湯座氏、例の物を起動をお願いしまぁーす!」
志湯座がキーボードを操作するとグルーナの隣に等身大のデュエル・デュラハンの立体映像が出現する。それを見て驚嘆の声を上げる観客たち。
「驚いただろう?私のデュエル・デュラハン、キャロルナの登場だぁっ!」
「へぇっ、すごいな。結構手間の掛かったイベントだな。」
「あぁ、大したもんじゃ。」
深也と大樹もホログラム技術に感心している。
「パートナーは服選びを手伝ったら終わりじゃない!デュエル・デュラハンを操作して参加者と共にランウェイでパフォーマンスをしてもらう!結構責任重大だぞぉ〜?以上がルール説明だぁっ!参加者が服を選んでいる間、スクリーンにその様子が映し出される!私が実況するので観客席のみんなは退屈しないから安心してね!」
グルーナは観客に向かって右目をウインクする。
「それじゃあ、行くよぉっ?ゲームスタァート!」
グルーナがスタートを宣言し、参加者たちがステージを駆け降りて近場の観客席からパートナー探しを始めた。愛歌と潤奈、虎城が道人たちの元まで走ってくる。
「道人!パートナー、お願い!」
「…道人!パートナー、頼める?」
「えっ!?はいぃっ!?」
道人は愛歌と潤奈に同時に誘われて慌てた。
「えっ?」「…えっ?」
愛歌と潤奈はお互いを見つめ合った。
「深也君、大樹君、稲穂、誰かパートナーをお願いできるでしょうか?」
「すまない、俺はパスだ。観客席でじっとしてるぜ。」
「って事は俺の出番じゃぁっ!良いか、稲穂ちゃん?」
「うん、いいよ!」
「よし、選ばれたからには虎城さんの役に必ず立ってみせるぞい!」
「よろしくお願いしますね、大樹君!」
大樹は立ち上がり、虎城と一緒に二階へ向かった。未だに見つめ合う愛歌と潤奈。
「こ、今回の買い物理由は潤奈のため…!言わば、潤奈が主役!だから潤奈が…。」
「…ううん!私はお好み焼きやこのファッションショーの件で愛歌には我儘聞いてもらったから、愛歌が…。」
「いや、でもでも潤奈が…。」
「…愛歌の方が…。」
二人が目の前で自分の譲り合いをし始めて道人は困る。
「ど、どうしよう?ジークヴァル?」
道人は慌ててジークヴァルが映ったデバイスを見る。
「わ、私に聞かれてもだな!道人を助けたい気持ちは山々なのだが!なのだが!」
ジークヴァルも自分と同じく動揺が見て取れる。さすが相棒だ、気持ちは一緒だ、と道人は少し安心を抱く。
「し、深也…。」
「…なるほどな、これが女難の相というやつか…。強く生きろよ、道人…。」
おのれ、他人事だし、内心この状況を見て楽しんでいるな、こやつめと道人は思った。
「道人ぉ〜っ、どうしよう…?」
「…道人の譲り合いが終わらない…。」
愛歌と潤奈も困り果てていた。道人は頭をフル回転させてこの状況の打開策を考える。
「…よし、ジャンケン!ジャンケンだ!勝った方と僕は組む!それでいい?」
道人は自分に降り掛かった問題を天に任せた。
「ジャンケン…。わかった。正々堂々、勝負よ、潤奈?」
「…うん、いざ勝負。」
「こんな形で潤奈と争う事になるなんて…。」
「…気にしないで。どんな困難が待ち受けようとも、私と愛歌の繋がりは揺るがないよ。」
「…! もちろん!あたしもそうだよ、潤奈!」
二人はお互いの友情を確かめ合い、ジャンケンに挑む。何て悲壮感のあるジャンケンなんだ、と道人はこの方法を選んでしまった自分に何か罪悪感を感じる。
「行くよ?」
「…うん!」
「「最初はグー!ジャンケン、ポン!」」
果たして勝ったのは…!?
勝ったのは愛歌だ!→44章A 愛歌のパートナーになる!へ
勝ったのは潤奈だ!→44章J 潤奈のパートナーになる!へ
どっちを見ても45章に繋がるようになっています。二つとも見て違いを楽しむのも自由です。




