218章 再戦!ジークヴァルVSアレウリアス
飛行形態のソルワデスに乗り、デュラハン・シップから外に出た道人とユーラ。
周りを確認すると広い海上の上で遠くに御頭街が見える。
モノレール乗り場付近で光が何度も点滅していた。
先に出撃したHoffnung=ドラッヘジークヴァルも道人たちと合流する。
「ユーラ、大丈夫?海に落ちないように俺にしっかり掴まっててね。」
「はい、道人…!」
ユーラは両手で道人の左腕をぎゅっと掴んだ。右腕はディサイドビーストデバイスが電流を発するので危険だからだ。
「へぇっ、道人。戦場に女連れとは随分余裕があるじゃないか。」
「…! ウェント…!」
道人とユーラを乗せたソルワデスの右に蝶の光の羽を生やしたウェントが両手をポケットに入れて浮いていた。
ユーラはウェントを警戒して道人の左腕を強く握る。
「しかも見た事のない、初めて見る子だ。モテるねぇ、道人。」
「この子は連れ出すくらい強くて頼もしくて、それだけの力を秘めた子なんだよ。舐めたら痛い目見るから、今に見てろよ?」
道人のその言葉を聞いたユーラは嬉しかったのか周りにハートマークを飛ばしまくる。
「また貴殿と相対する時を楽しみにしていたぞ、ジークヴァル!」
DPアレウリアスがデュエル・デュラハンの愛馬・クバリダスと共に姿を現し、左手に持ったデストラグルランスと右手に持ったデストラグルブレードで襲い掛かる。
「…! アレウリアス!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルも右手に持ったヴァルムンクと左手に持ったHoffnungレーヴァテインで応戦し、互いに両手に持った武器をぶつけ合わせる。
「お前は…私が前世で出会ったアレウリアスなのか…?」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルは刃をぶつけ合いながらDPアレウリアスに問うた。
道人たちもビーストヘッドの試練で見たジークヴァルの前世。その時に現れた黒騎士アレウリアスが本人かどうかは道人たちも気になっていた。
「ほう?前世か。どうやら、私の知らない内に貴殿は記憶を取り戻したようだ…な!」
「くっ!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルとDPアレウリアスは辺りを飛び回り、剣と槍をぶつけ合わせ、海の波の音に金属音を混ぜていく。
「道人、どうやらアトランティスとかいう場所に行って随分と力を付けたようだね。」
ウェントが話し掛けて来た。ウェントは視界共有能力を持っている。
アレウリアスと共闘させたら厄介なため、道人は話に乗ってやる事にした。
「まぁね。ウェント、一つ聞きたい。この戦いにバドスン・アータスは介入するつもりなのか?」
「さて、どうだろうね?それは教えられないなぁ。」
もし、バドスン・アータスが介入するとしたら、愛歌たちは二つの勢力を相手にパークを守らないといけなくなる。
道人はそれをどうしても聞き出したかったが、難しそうだった。
「さぁて、俺たちに見せてくれよ。新たに手に入れた力をさぁっ!」
ウェントは両手に光の槍を出現させ、道人たちに向かって突進して来た。
道人はまだオリハルコンスライドはできないし、ユーラもユードラ・オリファルゴンにはなれない。
道人が空を飛んでウェントと戦うにはジークヴァルのオリハルコン化を待つ事になる。
「姫、早速頼りにさせてもらうよ!ハーライム!」
道人はスマホから光の玉を出してハーライムを実体化させ、飛ばした。
十糸姫がくれた巾着袋のおかげでハーライムは実体化できる時間を回復させる事ができるので惜しみなく実体化させた。
ハーライムは両刃の斧で突撃して来たウェントに激突する。
このままだと飛行能力がないハーライムは海に落下してしまうので急いでプロペラブーメランヘッドを装着させた。
「なるほどね、空を飛べる鎧を身に纏うための時間稼ぎか!良いぜ、それまでこいつの相手をしてやろうじゃないか!」
ウェントとPBハーライムも光の槍と両刃の斧をぶつけ合いながら飛び回る。
『道人、待っていてくれ!アレウリアスを相手にすぐに研磨してみせる…!』
ジークヴァルから念話が届いた。今までは大量の骸骨兵や首無し鎧武者が相手だったからすぐにガイア・ジークヴァルになれたが、今回はアレウリアス一体だけなので時間が掛かりそうだった。
「ジークヴァル…!」
道人の脳裏に博物館での戦いが思い出される。
傷ついていき、最終的にデュラハン・ハートが砕け散ってしまったジークヴァルの姿が。
道人は首を激しく横に振り、周りを見渡した。
「…! ソルワデス、あそこだ!あそこに小さい岩場がある!一旦俺とユーラをあそこに!」
「えぇ!」
ソルワデスは道人の言う事を聞き、道人とユーラは岩場に着地した。
「ヤジリウス!」
「おう!」
道人の言葉に答え、ヤジリウスは実体化した。
「はいっ!」
ユーラは両手に持ったヤジリウスの頭を投げた。
「ありがとよ、ユーラ!」
ヤジリウスはキャッチし、自分に装着した後、ソルワデスに乗った。
「ヤジリウス、ソルワデス!飛び回ってジークヴァルとハーライムを援護してあげてくれ!」
「えぇ!」
「おし、来た!行くぜぇっ、ソル嬢!」
ヤジリウスを乗せたソルワデスは飛んで行った。もうすっかり二人はタッグパートナーみたいになって微笑ましく、また頼もしかった。
「貴殿、随分肉弾戦に拘るな…!新たな力と関係すると見た!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルはヴァルムンクを一旦消し、両手のクローと大きな羽、尻尾に巻いたHoffnungレーヴァテインでDPアレウリアスのデストラグルブレードとデストラグルランスをぶつけ合っていた。
「遠距離攻撃をご所望か!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルは胸の竜の顔と巨大な羽に光を溜め始める。
「喰らえ、ドラッヘブラスター!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルは押忍の構えを取り、胸の竜の口と羽からビームを放つ。
「ちぃっ!」
DPアレウリアスは何とか横に回避しようとする。
「避けんじゃねぇっ!大人しく喰らっとけぇっ!」
「…!? 貴殿!?」
ヤジリウスはクバリダスに飛び蹴りを喰らわし、DPアレウリアスの回避動作を妨害。
ソルワデスもビームを乱射してDPアレウリアスに当てた後、ヤジリウスを回収して飛び去る。
「くっ…!舐めるなっ!」
DPアレウリアスはすぐにデストラグルランスに赤い竜巻を発生させる。
「クバリダス、回転しろ!」
DPアレウリアスはクバリダスと共に回転し、赤い竜巻と一体化してドリルと化し、向かって来るビームを打ち消し進んだ。
「野郎、何て奴だ…!?避けられないからって、強引に向かって来るビームを切り裂きながら突き進みやがった…!?」
驚くヤジリウスを気にする事もなく、DPアレウリアスとクバリダスは回転を止め、浮遊した。
「だが、おかげで隙が生まれた!」
「くっ!?」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルはDPアレウリアスの背後で暴走状態となり、右手のクローで殴った後、即座に右膝蹴りを喰らわした。
「がっ…!?」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルはこの隙を逃さずにDPアレウリアスに両手クローによる乱打を喰らわせる。
クバリダスは主を守るために敢えて逆さになり、DPアレウリアスをわざと落っことした。
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルは落下するDPアレウリアスを追いかける。
「意思なき獣と化した己を呪え!」
DPアレウリアスは両手に持った剣と槍を思い切りよく投げ捨て、ダブルビームピストルを出現させ、向かって来るHoffnung=ドラッヘジークヴァルに連射した。
右羽を集中的に狙い、飛行バランスを崩させた。
「ふん。」
DPアレウリアスは下で待機していたクバリダスに着地し、クバリダスの頭を少し撫でた。
「…くっ…!だが、今ので大分研磨に近づけたはずだ…!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルは自力で暴走状態を解除できていて道人はほっとした。
恐らく飛行バランスを崩して海に落ちそうになったので正気に戻れたのだろう。
ガイア・ジークヴァルの状態なら、ビーストによる暴走は制御できるが、素の状態のジークヴァルでは暴走状態になるようで注意が必要だと道人は改めて理解した。
「…なるほど、現時点で貴殿は前の戦いよりも確かに強くなっている…。男子三日会わざれば、刮目して見よ、とは言うが…信じたくなった。」
「まだだ、私と道人たちがアトランティスで得られた力はこんなものではない…!それをこの戦いでお前相手に証明して見せよう、アレウリアス…!」
Hoffnung=ドラッヘジークヴァルはそう言いながら右拳を緑色に少し輝かせた。




