208章 蒼鷹!キャプテン・雷牙!
倒したはずが、変質して復活した竜鳥亀虎=四騎王と新たに二機現れた竜鳥亀虎=四騎王。
未だに地面から現れ続ける棒人間たちと危機的状況だった道人たちの前に意外な助っ人が姿を見せた。
道人はキャプテン・雷牙を名乗るデュラハンに声を掛ける事にした。
「…あの、ライガだよね?シチゴウセンの…。」
「人違いだ。」
即答された。
「いや、でも服の背中に雷牙って…。」
「これは瀕死だった俺に姫さんが与えてくれた魂の字だ。この背中の文字には名前とは別の意味が込められているのさ。」
「お、俺の知らない所で一体何が…?」
困り顔の道人に対して姫はピースサインをして見せた。
パークの実験エリアでジークヴァルと死闘を繰り広げた後、行方不明だったライガ。
あの時、道人は幽体離脱という形で傀魔怪堕に行ったが、ひょっとしたらライガは別の形で傀魔怪堕に行っていたのかもしれない。
『ライガだって…?何で今になって…?』
「あん?何だ、小僧?何でライガの名を知っている?」
ガイアヘッドはキャプテン・雷牙に突っ込まれると視線を逸らした。
道人はそのさりげないガイアヘッドの仕草に何か大事なヒントがあるような気がした。
「とにかくじゃ、きゃぷてん!我が愛しの道人がピンチなのじゃ!力を貸してやろうではないか!」
「あいよ、姫さん!」
キャプテン・雷牙はそう言うと高くジャンプし、ガイアグレート・ジークヴァルの近くに着地した。
「ラ、ライガなのか…?お前、何故…?」
「人違いだ。…だが、一つ言わせろ、ジークヴァル。そのライガという男は別にお前に肩入れする味方になった訳じゃない。お前との決着は別の機会に着ける。そこを勘違いするなよ?」
「あ、あぁ…。わ、わかった…。」
ガイアグレート・ジークヴァルも何だか反応に困っていた。
「今の俺はただ、姫のディサイド・デュラハンとして大地をただ蹴り続けるだけの事よ!」
「行くぞ、きゃぷてん!我がディサイド・デュラハンとしての力、存分に振るって見せよ!」
「任せとけぇっ!」
キャプテン・雷牙は上着を脱ぎ、高くジャンプした。
「チェィンジ、ビーストォッ!」
キャプテン・雷牙は人型から狼形態になり、獣の顔で吠えた。
雷牙は猛スピードで駆け、近くのビルや電柱、あらゆるものを足場にして電流が走る牙と尻尾、口から放つ雷弾で三機の竜鳥亀虎=四騎王に攻撃し、翻弄した。
「は、速い!」
「ふふん、そうであろう?きゃぷてんは我と共に傀魔怪堕の赤き大地を駆けた勇士である!」
雷牙は竜鳥亀虎=四騎王の一機の頭に噛み付き、合間に光弾をゼロ距離から放ちながら無理矢理捻り取ろうとする。
「「モーションパターン、トワマリー。」」
二機の竜鳥亀虎=四騎王はジェルを鞭に変えて雷牙を捕らえようとする。
「おっと!どうした、どうしたぁっ!?何だったら、こんがらがせてやろうかぁっ!?」
雷牙は持ち前の速さで鞭を避け続ける。変質した竜鳥亀虎=四騎王は全身から鞭を伸ばした。
「おっと、こいつは別格って訳かい!だが、問題ないぜぇっ!」
雷牙は捕われてしまいそうなどころか、うねうねと動くたくさんの鞭をも足場にしてコンクリートに着地してみせた。
「おっしゃっ、姫!そろそろヘッドチェンジを頼もうか!」
「任された、きゃぷてん!」
姫はカードを実体化し、網目模様のデバイスにカードを読み込ませた。
「ヘッドチェンジ!蒼鷹!」
『あ、一糸乱れずとは?』
「乱れなき整然たる姿!」
『あ、承り!』
メタリー・ルナブレードを振って棒人間たちから姫とグルーナを守っている道人は姫のデバイスから普段と違う江戸っ子な感じの電子音声が流れて面を喰らった。
蒼い機械の鷹が出現し、コンクリートを駆けている獣状態の雷牙の背中に合体して飛んだ。
「ヘッドチェンジ!キャプテン雷牙・蒼鷹!」
獣状態から人型形態になった後、機械の鷹はバラバラになって雷牙に青い頭と尖った肩パーツ、鳥の爪のような足パーツがつき、大きなウイングがついた。
「駆けよ、蒼鷹!姫の想いに応える雷牙が如く!」
雷牙・蒼鷹は一瞬で竜鳥亀虎=四騎王の背後に回り、飛び蹴りを喰らわした。
「気をつけろ、雷牙!そいつは戦う度にこちらの動きを学習して強くなっていくぞ!」
ガイアグレート・ジークヴァルクはガイア・ブラスターを変異した竜鳥亀虎=四騎王に当てながら雷牙に助言をした。
変異した竜鳥亀虎=四騎王は腕を先鋭化させてガイアグレート・ジークヴァルを何度も刺そうとする。
「なるほど、ならば問題はない。そいつの認識速度よりも、俺が速く動けばいいだけの事よ!」
雷牙・蒼鷹は最初は目でも捕らえられるスピードだったが、段々と姿が確認できなくなる程のスピードになっていく。
「超えろ、己の限界を…!大地だけでなく、空さえも駆けよ、雷牙!」
雷牙・蒼鷹は竜巻と化し、持ち前の爪とウイング、雷弾で竜鳥亀虎=四騎王をあらゆる方向から連続攻撃をして見せた。
「か、解析…不能…。」
「おっしゃぁっ!とどめのフィニッシュクローだ!」
雷牙・蒼鷹は空高く飛んだ後、右足で飛び蹴りを喰らわして竜鳥亀虎=四騎王を仰け反らした。
両爪で罰の字に斬り裂いた後、竜鳥亀虎=四騎王の身体中のパークを抉り取ってバラバラにし、吠えた。
「よっし、一機は仕留めた!今の俺の雷の如き疾駆、捕らえられまい!」
残った一機の竜鳥亀虎=四騎王は雷牙・蒼鷹の動きを学習できた様子はなく、雷牙・蒼鷹を見て怯えているようにも見えた。
「おっと、悪いな!一つ学習させちまったようだ!恐れっていう感情をな!ま、機械人形のお前さんにはそれでも真似事だろうがなぁっ!」
雷牙・蒼鷹は次の竜鳥亀虎=四騎王を標的にし、飛び掛かった。
「み、Ms.大和撫子?何か滅茶苦茶な強さなんだけど、あのデュラハン?」
「うむ!我の頼りになるきゃぷてんじゃ!」
姫の言う通り、確かにライガは以前に実験エリアで闘った時よりも更に強さに磨きが掛かっているように見えて道人も思わず息を呑んだ。
その間にルレンデスは元の姿に戻った。
「うっ、もう三分経ったの…!ヘッドチェンジは後一回…。」
「ねぇ、グルーナ。何だかこの場は君以外が目立っているね。」
ビーフォールが不満そうにグルーナに話し掛けた。
「うっさいわね、ビーフォール!思わぬ助っ人なんだから、仕方ないでしょ!ルレンデスは後一回しかヘッドチェンジできないなら、あなたの力を寄越しなさいよ!それで最高のパフォーマンスを見せてあげるんだからっ!」
グルーナは求めるようにビーフォールに向かって右手を差し伸べた。
「なるほど、そう来たか。そういう飽くなき力の求め方、センスも素敵。いいよ、見せてあげる。ルレンデスの前世をさ。」
「…!?」
ビーフォールが目を光らせた瞬間、グルーナは気を失った。
「グ、グルーナさん!?こんな状況で前世を!?」
「おっとっと!」
姫がグルーナが倒れる前に支えてくれた。ルレンデスも機能停止し、その場でしゃがみ込んでしまった。
「さて、前世から着想を得て僕に見せてよ。過去の君を超えた、エターナル・ビーフォールをね…。」




