203章 開幕!現冥大合戦
「何だっ!?一体何が起こっているんだっ!?」
司令室にいる皆が感じている事を司令が先に叫んだ。
謎の仮面Dレボリューション率いるワールドダガーズが高らかに戦線布告をした後、御頭街の空は赤と青の、地面は茶と赤のマダラ模様となっていく。
「さぁ、デュラハン・ガードナーの諸君!早く行動を起こさないとどんどん大変な事になっていくぞ?」
地面から赤い鉱物でできた大きな柱が次々と生えていく。
人魂のようなものもたくさん飛び回り始めた。
「う、うわあぁっ!?」
広場にいた市民たちは悲鳴を上げて逃げ惑っていた。
「おっと、逃がさないよ?」
地面の中から首無し鎧武者軍団が出現し、逃げる市民たちの前を通せんぼした。
「ひ、ひぃっ!?化け物ぉっ!?」
首無し鎧武者とダガー・デュラハンたちは次々と市民たちを拘束し、地面に沈んでいく。
「た、助けてくれぇ〜っ…!」
「おい、みんな!ぼさっと見てる場合じゃねぇぞっ!?」
深也の一声のおかげで道人たちはスクリーンに映る悲惨な光景から目を放す事ができ、気を取り直せた。
「あいつら、ディサイド・デュラハンとその関係者を刈り取るとか抜かしてんだ!こうしてる間にも…!」
「そ、そうじゃ!あいつら、俺たちの家族を傀魔怪堕に連れて行こうって言うんかぁっ!?」
「た、大樹君…!戦島の時、電波障害でスマホ繋がらなかったから、お爺さんに連絡するなら、今の内に…!」
愛歌は声を震わせながら大樹に話す。
「わ、わかったぞい!」
道人の脳内にも秋子の姿が思い浮かんだ。
道人、愛歌、大樹は震えてる手で急いでスマホを操作し、危機を伝えようとする。
「司令、大変です!これを!」
大神が急いでキーボードを叩き、スクリーンに御頭街の映像を映した。既に首無し鎧武者軍団が街中に出現し始めていた。
「虎城君!」
「はい、司令!わかっています!御頭街に住む市民たちに緊急避難の指示を…!」
「でも、虎城先輩!緊急避難場所なんて…!?」
「デュラハン・パークの遊園地エリアや実験エリアなら避難させるくらいはできる!急ぐんだ!」
「りょ、了解!」
「しかし、どうしたものか…!これでは市民たちは大パニックを起こしてしまうぞ…!?」
こうしている間にもスクリーンに映る首無し鎧武者軍団は次々と地面の中から出てきた。
「卒間殿、キャルベンの兵士たちを街に放っても構わぬか?」
「何だって?」
イジャネラが司令に策を提案してきた。
「我がキャルベンのコピー兵士たちを使う。何、大群には大群をぶつけるのじゃ。キャルベンの兵士たちも人々に化け物と見られてしまう恐れはあるが…。それでも奴らの足止めや避難誘導はできるであろう。」
「なるほど、確かにそれなら相手の物量にも対応できるかもしれないが…。」
イジャネラの言う通り、事情を知らない一般人からしたらキャルベンの兵士たちも化け物扱いされて余計に混乱に陥らせてしまう可能性がある。
「道人、私に良い考えがある。」
「ソルワデス?」
デバイスからソルワデスの声が聞こえてきた。
「簡単な事だ、道人。避難アナウンスでキャルベンの兵士たちは味方だと伝えればいいだけだ。気休めかもしれないが…名付けて、ご当地ヒーロー作戦だ。」
「ご、ご当地ヒーロー?」
「えぇい、ままよ!私に任せて!ソルワデスちゃんの意図を組み込んでそれっぽく整合性を合わせてアナウンスしてあげる!」
ソルワデスの通信を聞いていた大神が理解を示してくれた。
「と、とにかく!俺たちも出撃だ!敵を倒す事よりも市民たちの避難誘導を最優先して行動しよう!」
道人の言葉を聞いてみんな頷き、司令室を出て行こうとする。
「気をつけるんだぞ、みんな!」
「今、ヘリにジークヴァルたちのボディを積んでおる!絶対に間に合わせてみせるからの!」
通信越しから博士が道人たちに叫び伝える。
「ありがとうございます、博士!じゃあ、司令!行って来ます!」
道人たちは大急ぎで司令室を後にし、全力で走る。
「しかし、どうするよ!?奴らの出現範囲があまりにも大き過ぎるぜ…!」
「バラバラで行動するしかないんかっ!?」
「…でも、一人で行動するのは避けた方がいいと思う…!」
「そうよね…!あいつら、あたしたちも優良人種扱いして捕らえて来るかも…!」
深也、大樹、潤奈、愛歌の言葉を聞いて道人は判断を急いだ。
「よし、デュラハンとそのパートナー、二組以上になるように行動しよう!」
「では、私とスランはこのまま街に直行します!」
海音の言う通り、海音とスランはこのまま街に行ってもすぐに戦う事ができる。
「お願いします!それじゃあ、もう一組は…真輝さんのエッジヴァハムートなら!」
「おう、任されたぜ!」
道人たちは走りながら話していると会社エリアの外に出られた。
「それじゃあ、飛ばすぜ!エッジヴァハムートォッ!」
「おう!」
真輝はエッジヴァハムートを実体化させた。
エッジヴァハムートは真輝を抱える。
「海音ちゃん!」
「大丈夫です、真輝さん!私は海からで大丈夫ですから!ビーネ・イオーシャ・ア・クアン!」
海音は高くジャンプし、人魚騎士に変身して海に飛び込んだ。
「行きますよ、スラン!」
「あいあいさー!」
スランと真輝を抱えるエッジヴァハムートは空を飛んで、海を泳ぐ海音と共に先に街に向かった。
「…私とフォンフェルも先行できるよ、道人!」
フォンフェルは急に姿を現し、潤奈をお姫様抱っこした。
その時、ちょうど輸送ヘリが飛んで来た。
「さすが博士、仕事が早い!」
輸送ヘリが着地した後、道人たちは急いで乗り込んだ。
「ジークヴァル!」「トワマリー!」「カサエル!」
「「「インストール!」」」
道人たちは互いのパートナーのディサイド・デュラハンに意思データを転送した。
「皆さん、乗り込みましたね!?飛ばしますよぉっ!?」
操縦士がそう叫ぶと輸送ヘリはすぐに飛び立った。
街は目と鼻の先なのですぐに着地した。道人たちは急いで降りる。
道人たちの眼前で既に逃げ惑う市民たちが首無し鎧武者に襲われていた。
「野郎っ!」
ランドレイクは装飾銃を構え、目の前で襲われている人々の救出に向かった。
キャルベンの兵士たちもぞろぞろと海の中から姿を見せて行く。
「よし、ランドレイクに続くぜ!ついて来い、大樹!」
「わかったぞい!」
「やってやるさぁっ!」
深也と大樹、カサエルがタッグを組んで真っ直ぐに走ってランドレイクに加勢した。
「皆の者!イジャネラ様の命により、これより我らが隣人、地球人たちの救出作戦を開始する!」
「みんな、深也殿たちに続けぇっ!」
「我ら、ご当地ヒーロー軍団!行くぞぉっ!」
「「「おぉぉぉぉぉーっ!!」」」
キャルベンの兵士たちは一斉に展開し、首無し鎧武者軍団に戦いに行った。
キャルベンの兵士と首無し鎧武者、互いに武器をぶつけ合わせて幾つもの金属音を響かせ、街中はあっという間に合戦場と化した。
「あ、あたしたちの街が…。」
「愛歌、しっかり!」
「…! 道人…。うん!」
愛歌は自分の両頬を二回叩いた。
「俺と愛歌は一人でたくさんデュラハンを連れてるから、別々のチームの方がいいね…!」
「そうね、わかった!じゃあ、潤奈!行こっ!」
「…うん!気をつけてね、みんな!」
「行くわヨ、ダーバラ!」
「あいよ!」
「皆さん、ご武運を!」
愛歌とトワマリー、ダーバラ、潤奈とフォンフェルも左方向に展開する首無し鎧武者軍団の元へ走っていく。
「じゃあ、私は道とんとタッグね!」
「はい、行きましょう!グルーナさん!」
「奴らと僕とでは永遠に対する価値観があまりにも違う…。」
「ヒッヒャァッ!行くぜぇっ!」
ヤジリウスが実体化し、刀を構えて戦闘態勢を取る。
「ユーラ!」
「はい!ヤジリウスさん、頭です!」
ユーラは両手に持っていたヘッドをヤジリウスに投げ渡し、ヤジリウスはキャッチして装着した。
「よし、私も行くぞ!」
ソルワデスが飛行形態に変形し、飛んで首無し鎧武者たちにビームをお見舞いした。
「この街の平和は私たちが必ず守ってみせる!行くぞ、道人!」
「うん!奴らの好きにさせてたまるかぁっ!」
こうして、道人たちは街中に鳴り響くサイレンの中、右方向にいる首無し鎧武者軍団に向かって駆けて行った。




