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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第3部 多元なるアトランティス
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170章 地上とアトランティスを繋ぐ門

 急に足場となっていた結界を消したアトランティスのデュラハン。道人はガイアグレート・ジークヴァルに抱えられて一旦下降する。


「くそぉっ、みんなは…!?」


 道人を抱えているガイアグレート・ジークヴァルは姿勢を調整し、地面に着地をする準備をする。


「あ、ありがとう、ジークヴァル…。おかげで助かったよ…。」

「深也とランドレイクは私に任せろ!」


 名無しのドラゴンはそう言うと飛行能力のない深也とランドレイクを気にしてくれて助けに向かってくれた。

 ヤジリウスを乗せたソルワデスも道人とガイアグレート・ジークヴァルと共に着地し、人型形態に戻った。


「くっ、みんなは無事なのか…!?」


 道人は急いで確認すると遠くでG(グレン)(フェニックス)ダーバラが愛歌とトワマリーを、T(テクニカル)C(コマンダー)ディアスが卒間を、スランが海音を抱えて地面に降りて行った。


「良かった…。みんな、無事に着地できてそうだ…。」

「お〜い、道人ぉっ!ソルワデス姉様ぁっ!」


 キャルベンの宇宙船からグゲンダルが手を振りながら走って来た。


「グゲンダル、どうした?」

「いや、オレの方が状況を聞きてぇよ、姉様。…おっ!あんた、目が覚めたのか。何か姿変わってるけど…良かったなぁっ!」

「あ、あぁ、ありがとう…。」


 ガイアグレート・ジークヴァルは味方になっているグゲンダルに戸惑いながらも礼を言った。道人は急いで簡単にグゲンダルに状況を説明した。


「イルーダがアトランティスのデュラハンと共に戦ってたのはオレも確認した。それで姉様たちがやばそうに見えたから、宇宙船の中を少し爆発させてお前らが逃げられるタイミングを作った。」

「あっ!?あの時の爆発ってグゲンダルのやった事だったのか…。」


 アトランティスのデュラハンとの交戦中、ジークヴァルの声が突然聞こえてきた時の事だ。あの時、突然キャルベンの宇宙船の船内が爆発したおかげで道人たちはジークヴァルの元へと行く事ができた。


「しかし、イルーダがイジャネラ様をぶっ刺しやがったとはな…。どうする?兵士たちにイルーダの謀反を伝えれば量産装置を再起動して増援として扱えるぜ?」

「…いや、グゲンダル。お前は最悪の事態を想定して宇宙船に残っていてくれ。もし、イルーダがアトランティスのデュラハンと共に元の世界に戻ろうとした際に足掻いてもらいたい。」

「わかったぜ。いざとなったらエンジンをぶっ壊そう。そうしたら、あいつら直せなくて慌てるはずだぜ。」

「頼んだよ、グゲンダル。それにしても、アトランティスのデュラハンの奴、どこに行ったんだ…?」

『道人、聞こえますか?』


 ガイアグレート・ジークヴァルの右肩の竜の顔が目をチカチカ光らせながら話かけて来た。ユーラの声が突然聞こえてきたので道人は驚く。


「な、何だ?あのユーラとか言う嬢ちゃんの声だよな?」

「話すと長くなるから気にするな…。」


 きょろきょろし出すグゲンダルに対し、ソルワデスは静かに突っ込んだ。


『アトランティスのデュラハンは恐らく、地上とアトランティスを繋ぐ門に向かったと思われます。』

「門に…?」


 道人たちがアトランティスに来る際、デュラハン・シップで通った門の事をユーラは話している。


『はい。道人たちのいる世界は今、異常現象が起きているんですよね?それは恐らく、この空に浮かぶ映像のせいだと思います。門が開かれてしまった事で映像が地上世界に流れ込んでしまい、処理ができずにオーロラや雷となって漂っているんです。」


 あのオーロラはそれが原因だったのか、と道人は理解した。


『ごめんなさい、話すのが遅れてしまって…。』

「いや、短期間に色んな事が起こっているこの状況じゃ仕方ないよ。俺たちの優先事項はアトランティスのデュラハンの復活の阻止が最優先だったしさ。教えてくれてありがとう、ユーラ。」

「しかし、奴は門に向かって何をしようってんだ?」


 ヤジリウスがユーラに質問した。


『恐らく、門の近くに何かしらの足場を作って、フルパワーでガイアグレート・ジークヴァルたちの相手をしようとしていると思われます。』

「…! そうか、あの門の近くにいれば、ただ待っているだけでも映像が吸い込まれるという形で自分に寄って来る訳だ…!」

「だとしたら、こうしてはいられない…!すぐに追いかけよう!」

「留守を頼んだぞ、グゲンダル!」

「おう!姉様たちも気ぃつけろよ!」


 ガイアグレート・ジークヴァルは道人を抱えて、ソルワデスはヤジリウスを乗せて門を目指した。


「奴が門を目指しているなら、すぐに見つかるはずだ…!」


 道人たちは周りを見渡していると各所で爆発音や土煙が舞っているのがわかった。


「…! 愛歌や深也たちもこの近くで交戦しているのか…?」


 道人たちは愛歌たちを心配しつつ、下の水玉がついた森林地帯を見渡した。その時、門の近くで急に尖った複数の岩場が姿を現した。


「…!? 何だっ!?」

「…いた!奴だ!」


 アトランティスのデュラハンは両手に巨大な板を持ち、一気に振り下ろして岩場の上に配置した。飛び回りながら武器を次々と出現させ、己が作った突貫の足場を整えていく。


「野郎…!楽しんでやがる…!」


 アトランティスのデュラハンは言葉は発しないが、ヤジリウスの言う通りだった。アトランティスのデュラハンは確かに楽しそうに自分が有利に戦える武闘場を作っているように見えた。

 アトランティスのデュラハンは出来上がった武闘場の上に立ち、腕を組んで待ち構えた。アトランティスのデュラハンを中心に草が一斉にフィールドに生やされた。


「自分に有利なフィールドを作り出した訳か…。道人、行くしかあるまい!」

「あぁ、もちろんさ!」


 ガイアグレート・ジークヴァルは草と岩のある武闘場の上に着地し、道人を下ろした。ヤジリウスを乗せた飛行形態のソルワデスも道人の近くに浮遊する。

 アトランティスのデュラハンは右手の人差し指を何度も動かして挑発して来た。


「野郎…!調子に乗りやがって…!」


 ヤジリウスは怒りに震えながらも抜刀の構えを取る。


「…あの余裕…。何かを企んでいるに違いないよ…!」

「だな…!油断せずに私たち全員で挑むぞ!」

「さぁ、再戦だ…!覚悟しろ、アトランティスのデュラハン!」


 道人とガイアグレート・ジークヴァルは共に剣を構え、アトランティスのデュラハンと対峙した。

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