130章 繋がれ、ディサイド!
道人とウェント、ディサイド・デュラハンたちとクロノスフィアアレウリアスの決戦が幕を開けた。
「さぁ、ウェント!お前の相手は引き続き俺がする!」
「来な、道人ぉっ!」
道人はまずウェントとクロノスフィアアレウリアスの視界共有を妨害するため、ウェントに攻撃を仕掛ける。ブレードフェザーを展開し、メタリー・ルナブレードで斬り掛かる。ウェントは両手に光の槍を持ち、道人と互いの武器を打ち合う。
「スラッシュ!」
道人はブレードフェザーを飛ばしてウェントの蝶の羽を狙う。
「ひどいな、道人!羽を狙ったら俺は地面に真っ逆さまじゃないか!」
ウェントはそう言いながらも両手に持った光の槍でブレードフェザーを弾き落とす。
「それくらいの事でやられる弾じゃないだろ、お前は…!」
「ははっ!道人に褒められちったぜ!」
ウェントは光の槍で突き・回転・打撃と様々な槍術を道人にぶつけて来た。道人も同じくメタリー・ルナブレードとブレードフェザー、盾を駆使して防御しながら飛び回る。
「ウェントの防衛も兼ねて、増やしておくか…。」
クロノスフィアアレウリアスは周りにシャドールナブーメランを出現させ、散らばせた。幾つか実体化してディサイド・デュラハンたちは背後を狙われるが、動き回って避け続ける。
「行くヨ、ダーバラ!」
「まさかその姿のトワマリーと共闘する日が来るとはねぇっ!」
エタニティアトワマリーは多数の∞リングから幾重ものビームを照射し、GPダーバラも共に燃えた四枚の羽から炎の羽根を多く飛ばす。
「下手な鉄砲は一つも当たらん!」
クロノスフィアアレウリアスはギャラクシーオーバーブレードで宙に銀河の切れ目を出現させ、向かってきたビームと炎の羽を吸い込んだ。
「それはどうかなっ!?やはり数うち当たるものだろう!」
ソルクロー・ジークヴァルスは周りにニードルを出現させ、クロノスフィアアレウリアスに向かって飛ばした。
「ちぃっ!ニードルとは妙な武器を…!」
クロノスフィアアレウリアスはデストラグルブレードで赤い竜巻を発生させて飛んできたニードルを弾く。
「行くぜ、おらぁっ!」
「しつこい奴らだ!」
今度はランドレイクがクロノスフィアアレウリアスに襲い掛かる。
「確か左手はチェーンソーだったな!その強化型だぁっ!」
「おう!」
深也の指示に従い、ランドレイクは左手をビームチェーンソーに変えてクロノスフィアアレウリアスに斬り掛かる。ビームチェーンソーを受け止めたギャラクシーオーバーブレードが火花を散らす。
「その宇宙の刀身をぶった斬るぜぇっ!」
エタニティアトワマリーはクロノスフィアアレウリアスの周りに∞リングを配置し、ランドレイクには当たらないように∞リングからビームを放つ。が、実体化させたシャドールナブーメランで弾かれた。
「あいつ、ウェントと視覚共有できてないはずなのに的確にブーメランを実体化させて攻撃を…!」
「ぼさっとするなよ、道人ぉっ!」
道人はすぐにウェントに意識を戻し、引き続き剣と光の槍をぶつけ合い、周りに羽根と鱗粉を撒き散らしながら飛び回る。
「ランドレイク、右手は大砲だぁっ!」
「深也、さっきから言ってるのって…!?」
深也は愛歌の驚きを気にせずにランドレイクに指示を飛ばす。ランドレイクは深也の指示に従って右手を大砲に変え、クロノスフィアアレウリアスに対してゼロ距離射撃を仕掛けた。
「この距離でも当てられない自分の身を呪う事だ。」
クロノスフィアアレウリアスは六枚の羽を羽ばたかせ、大砲を避けてみせた。そのまま身を翻してギャラクシーオーバーブレードで横一閃を放った。
「胸にはクジラの顔をつけろぉっ!」
ランドレイクは力を抜いてわざと落下して横一閃を避けた後、すぐに胸に機械のクジラの顔をつけた。
「おら、発射ぁっ!」
ランドレイクは機械のクジラの顔から水流を発射。水流はクロノスフィアアレウリアスに向かって飛んでいく。近くのシャドールナブーメラン三つを実体化して束ね、水流を防いだ。
「ねぇ、深也…。所々違うけど、あの姿って…?」
「あぁ、そうだ。再びデストロイ化した際のランドレイクをイメージしてる…。あの時の反省バージョン、って所だ。」
「へぇっ、いいじゃん。」
愛歌と深也は共に笑みを浮かべた後、すぐにクロノスフィアアレウリアスの方へと意識を戻す。
「行くぞ、アレウリアス!」
ソルクロー・ジークヴァルスはヴァルムンクを右手に持ち、ウイングと両肩のブースターを点火し、クロノスフィアアレウリアスに向かって飛ぶ。
「来るがいい、ジークヴァル!」
ソルクロー・ジークヴァルスはクロノスフィアアレウリアスに向かいながらビームを連射し、ヴァルムンクで斬り掛かる。
「ちぃっ!」
クロノスフィアアレウリアスは飛んできたビームを避けながらもソルクロー・ジークヴァルスとの剣同士の鍔迫り合いをやってみせた。ソルクロー・ジークヴァルスは左肩のブースターを外し、左腕に装着。ニードルを装着してクローに変えた。巨大な爪とヴァルムンクの挟撃でクロノスフィアアレウリアスに挑む。
「俺も混ぜろ、ジークヴァル!」
ランドレイクもビームチェーンソーでクロノスフィアアレウリアスに背後から迫る。
「全く、多勢に無勢とはこの事だ!」
クロノスフィアアレウリアスはこれでも周りのシャドールナブーメランでエタニティアトワマリーとGPダーバラが近寄れないようにし、ソルクロー・ジークヴァルスとランドレイクの相手に留めている。しかも、なるべく接近戦を挑むようにして、相手の遠距離攻撃に対してフレンドリーファイアも狙っている。
「やはり数は減らすに限るか!」
クロノスフィアアレウリアスは一旦両手に持った武器を宙に浮かせ、両手から巨大な懐中時計を四つ出現させた。
「な、何だっ!?時計!?」
「馬鹿なっ、あんな能力のヘッドは使ってないはず…!?」
「ふっ、これはクロノスフィア自体の能力なのだよ。」
クロノスフィアアレウリアスにまんまと嵌められた。初手にギャラクシーオーバーブレードやシャドールナブーメランを見せつけて今まで使用したヘッドが使える姿だとわざと道人たちに印象付けたのだ。今の今までクロノスフィアの能力を見せなかったクロノスフィアアレウリアスの策士振りに道人たちは驚かされる。
「喰らえ。」
「…!? いかん、その時計に当たるな、ランドレイク!」
ソルクロー・ジークヴァルスは持ち前の高機動で飛んできた時計を避けるが、ランドレイクは時計の一つに当たってしまった。
「な、何じゃっ…こりゃあぁっ…!?」
ランドレイクの身体に時計が張り付き、時計の針がスローで回り始める。針と同時にランドレイクは動きがスローモーションになった。クロノスフィアアレウリアスは武器を持ち直した。
「これなら良い的になるという訳だ。やれやれ、これで一人減るな。」
「…!? させんぞ、アレウリアス!」
ソルクロー・ジークヴァルスはヴァルムンクと巨大クローで急いでクロノスフィアアレウリアスに攻撃を仕掛ける。
「仲間を必死で守ろうとして集中力が欠けたな、ジークヴァル。」
クロノスフィアアレウリアスは先程放った懐中時計を自分の目の前に配置し、盾代わりにした。
「ちぃっ!」
ソルクロー・ジークヴァルスはブースターの高出力でブレーキを掛け、無理矢理上へ上昇して避けた。
「ほう、凄まじい機動性だ。」
「へへン!私たちモ、機動力じゃ負けてないかラ!」
エタニティアトワマリーとGPダーバラは高速で飛んできてスローモーションのランドレイクを急いで回収した。
「あなたも時計をたくさん散らすのに気がいっテ、影のブーメランが疎かになったんだかラ!」
「世話ないねぇっ!」
エタニティアトワマリーは弓矢を持ち、光の矢をクロノスフィアアレウリアスに向かって放った。クロノスフィアアレウリアスは避けたはいいが、避けた先にも∞リングが配置されていた。
「なっ…!?」
愛歌がデバイスを操作し、∞リングをクロノスフィアアレウリアスが矢を避ける地点を予測し、配置していた。
「やっちゃエ、愛歌ァッ!」
∞リングはビームを放ち、クロノスフィアアレウリアスに向かって飛んでいく。
「ちぃっ…!数は…一、ニ、三、四…五か!」
クロノスフィアアレウリアスは即座に∞リングの位置を把握し、ビームが向かって来ない方向へと飛ぶ。
「何よ、あいつ!?あの一瞬でビームが届かない場所がわかったって言うの!?」
「だけど、これは好機さね!」
ランドレイクをクロノスフィアアレウリアスから離れた場所に浮かせたGPダーバラは鳥型の飛行形態に変形し、全身に炎を纏わせて高速移動した。
「しまっ…!?」
「能力を見せてないのはあんただけじゃないって事さ!」
GPダーバラはクロノスフィアアレウリアスへの体当たりに成功し、そのまま飛び回る。
「ダーバラの言う通り、今が好機だぁっ!」
道人はメタリー・ルナブレードを変形させ、メタリー・ルナブーメランにさせてウェントに向かって投げた。
「何っ…!?ブーメランになっただとっ!?」
「ソルクロー・ジークヴァルス!」
道人はウェントから距離を取り、新たなカードを実体化させた。
「任せろ、道人!今が決着の時!」
ソルクロー・ジークヴァルスは左手に付けたクローをブースターに戻して付け直す。飛んできたメタリー・ルナブーメランをキャッチし、クロノスフィアアレウリアスに向かって飛んだ。
「ダーバラ、お待たセ!」
「一緒に蜂の巣にするよ、トワマリー!」
人型に戻ったGPダーバラはエタニティアトワマリーと共にクロノスフィアアレウリアスの周りを飛び回りながら炎の羽根と∞リングのビーム、弓矢を当てまくる。
「調子に…乗るなぁっ!」
「きゃアッ!?」「うおっ!?」
クロノスフィアアレウリアスは周りに散らばしたシャドールナブーメランを全て実体化させ、エタニティアトワマリーとGPダーバラに直撃させた。
「はあぁぁぁぁぁーっ!!もっと速く、もっと速くだぁっ!」
ソルクロー・ジークヴァルスは全身から軋む音や砕ける音を鳴らしながらもシャドールナブーメランの当たらない場所を、遠くから見ると細い糸がすり抜けるように高速移動し、左手に持ったメタリー・ルナブーメランでクロノスフィアアレウリアスに打撃を与える事に成功した。
「斬!」
「させん!」
クロノスフィアアレウリアスはギャラクシーオーバーブレードとデストラグルブレードを交差し、ヴァルムンクを受け止めた。
「せっかく得た好機は無駄に終わったな…!」
「そうでもないさね!」
再び飛行形態になったGPダーバラは横からクロノスフィアアレウリアスに激突し、吹っ飛ばした。
「アレウリアス!?待ってろ!今、行く!」
ウェントは道人に構うのをやめてクロノスフィアアレウリアスの元へ向かおうとするが、愛歌がデバイスで操作する∞リングのビームが妨げた。
「くっ、愛歌…!」
ウェントは地上にいる愛歌を見ると愛歌はあっかんべーをしていた。体制を立て直したエタニティアトワマリーがウェントの相手をする。
「行くぞ、ヤジリウス!」
「えっ!?俺!?」
空が飛べないため、地上でソルクロー・ジークヴァルスたちの戦いを眺めていたヤジリウスが急に道人に呼ばれて驚いた。道人はさっき実体化させたカードをディサイド・シールドに読み込ませた。
「三枚目のDUNAMIS、発動!追加合体!ヤジリウス!」
「な、何だってぇっ!?う、うおぉっ!?」
『KAIMAKAIDA DUNAMIS』
ヤジリウスは新たな鎧に変化し、空を飛んでソルクロー・ジークヴァルスの元へ向かう。ソルクロー・ジークヴァルスはメタリー・ルナブーメランを道人に向かって投げ返す。ヤジリウスはバラバラになり、ソルクロー・ジークヴァルスに黒い鎧が追加される。ヴァルムンクとヤジリウスの刀が内包された巨大剣「エクストラレーヴァテイン」を持ち、ソルクロー・ジークヴァルスは更なる合体を果たした。
「追加合体!ソルクロー・ジークヴァルスVer.Y!行くぞぉっ、アレウリアスゥッ!」
ソルクロー・ジークヴァルスVer.Yは両手にエクストラレーヴァテインを持ち、ブースター全開で突撃した。
「あいつ、一体何回合体するんだ…!?」
エタニティアトワマリーと交戦中のウェントは思わず突っ込んだ。
「ディサイドは無限大!足手纏いには誰にもさせない!行けぇっ、ソルクロー・ジークヴァルスVer.Y!!」
「向かって来るか、ジークヴァル!ならばぁっ!」
「ちぃっ!?」
クロノスフィアアレウリアスはシャドールナブーメランを束ねてGPダーバラを吹っ飛ばせた後、ギャラクシーオーバーブレードの刀身を天高く伸ばし、大銀河の刃を作り出す。
「果てよ、ジークヴァル!!」
「はあぁぁぁぁぁーっ!!」
ソルクロー・ジークヴァルスVer.Yも対抗し、両手に持ったエクストラレーヴァテインにワームホールの巨大な刀身を作り出し、伸ばした。
「「いざ、勝負!!」」
二人の作り出した銀河とワームホールの刃は激突し、周りに電流と嵐を巻き起こした。互いに巨大な剣で押し合う。
「ふん、このまま押し切らせて…!」
その時、クロノスフィアアレウリアスの右から二つのレーザーが飛んできてバランスを崩した。
「な、に…!?」
クロノスフィアアレウリアスは右を見ると両肩にキャノン砲を新たに背負ったランドレイクが宙に浮いていた。まだ本調子ではないが、動けるようになっていた。
「よっしゃぁっ!決まったぜ、船長!イルーダの嬢ちゃんのパクリ!ホーミングレーザーだぜ!」
「貴、様…!」
「このくらいの綱渡りじゃないとアレウリアス、お前を打ち破るのは難しかった…!行けぇっ、ソルクロー・ジークヴァルスVer.Y!」
ソルクロー・ジークヴァルスVer.Yは身体を軋ませながらもエクストラレーヴァテインを力強く斬り下ろした。
「はあぁぁぁぁぁーっ!!一刀、両断!!」
「ちぃっ…!」
クロノスフィアアレウリアスはエクストラレーヴァテインに押され、博物館近くの道路に激突した後、巨大な爆発が起きた。土煙が舞い、ワームホールでできた巨大な刀身と土煙はギャラクシーオーバーブレードの宇宙空間に吸い込まれ、急に辺りは静けさに包まれた。




