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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第2部 DULLAHAN WAR
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95章Side:深也 参の巻 新たなるリミッター解除

 深也はオルカダイバーと共に仁王とダイナミックリーゼルドと向かい合う。右肩のエンブレムをタッチし、制服姿に変わった。


「あ?深也、てめぇっ…!いつから変身ヒーローになった?真っ白な服を身に纏ったからってお前の(けが)れがなくなると思うなよ!」


 仁王が右手を前に出すとダイナミックリーゼルドのリーゼントに光が集まり、ビーム砲を発射した。


「ちっ!」


 深也とオルカダイバーは右に側転し、回避。背後で爆発が起きる。近くのコンテナに身を隠し、スマホを操作。オルカダイバーにアクアバズーカヘッドをつける。その後、大神に電話をかけた。


「大神さんか?悪ぃっ、至急ランドレイクのワープカードを転送してくれ!今、デストロイ・デュラハンと交戦してんだ!」

「えっ!?えっと…じ、事情はわからないけど…わかったわ!待ってて!」


 電話を切るとリーゼントキャノンがまた深也の横を通過し、爆発を起こす。


「どうした、深也ぁっ!かくれんぼは小学生で卒業したろ?」

「そう言うなよ、この年でやんのもまだ楽しいもんだぜ!」


 深也はそう言うとアクアバズーカオルカダイバーと共に姿を現し、アクアバズーカを発射。水風船がダイナミックリーゼルドに向かっていく。


「水じゃあなぁっ!」


 仁王が余裕を見せて両手をポケットに入れて水風船を睨むとダイナミックリーゼルドが巨大なクシを出現させ、両手に持って水風船を縦に真っ二つにした。水風船は左右に散って霧散する。その後、リーゼルドはクシを布で拭いた後、自分のリーゼントをクシで整える。


「水で俺のリーゼントが錆びたらどうするつもりだ、ごらぁっ!」


 ダイナミックリーゼルドが怒りの感情を言葉に込めて言い放つと同時にリーゼントキャノンも放つ。


「怖っ!?また武闘派な人が相手なの?」


 アクアバズーカオルカダイバーは怖がりながらもホバーで後ろに下がり、リーゼントキャノンを避けながら水風船を二発放つ。深也のデバイスに光が収束し、ワープカードが出現した。


「さすが大神さん、仕事が早いぜ!」

「狼がどうかしたのか、深也ぁっ!?」


 ダイナミックリーゼルドは両足に履いているジェット革靴を脱ぎ捨て、アクアバズーカオルカダイバーに向かって飛ばした。


「わぁっ!?何それっ!?」


 アクアバズーカオルカダイバーはリーゼルドの意外な攻撃に驚いたものの、後ろに仰け反って何とか回避。両手をぐるぐる回して何とか背後に倒れないようにする。


「隙ありぃゃぁっ!!」

「わぁっ!?」


 ダイナミックリーゼルドは軽くジャンプして戻ってきたジェット革靴を履き直し、そのままアクアバズーカオルカダイバーに回し蹴りを喰らわした。健闘虚しく、結局オルカダイバーは倒れてしまう。


「ちぃっ、やるぜ…!」

「これが準優勝の実力かよ?大した事ねぇな!」

「はっ、言ってろ!」


 深也はワープカードをデバイスにスラッシュさせる。


『転送開始。』


 深也が持っていたカードが消え、デバイスから光が溢れ出す。深也の前に光が収束してランドレイクが現れた。深也がデバイスとスマホを合体させるとネックレスが首に装着される。


「っしゃぁっ!待たせたな、船長!」

「頼りにしてるぜ、ランドレイク!」


 ランドレイクは倒れているアクアバズーカオルカダイバーの元まで跳び、両手に装飾銃を出現させ、持ってすぐに連射した。ダイナミックリーゼルドは近くのコンテナに身を隠した。


「行くぜ、ランドレイク!ヘッドチェンジだ!」

「おう!」


 深也はカードを実体化し、デバイスに読み込ませた。


「早速使わせてもらうぜ、潤奈!ヘッドチェンジ!オーシャンビッグバスター!」


 深也は昨日潤奈がパックから当てたヘッドカードを早速使った。


『あなたは物事に執着せず、自然の成り行きに任せて行動できますか?』

「余裕!」

『承認。』


 ランドレイクにコバルトカラーの海賊帽ヘッドがつき、新たな肩パーツと反動防止のためのレッグパーツが装着される。巨大なオーシャンビッグバスターを両手で持って構えた。


「ヒュ〜ッ…!いかにも強そうなキャノン砲じゃねぇか!潤奈の嬢ちゃん、ありがとうよ!」


 O(オーシャン)B(ビッグバスター)ランドレイクはこの場にいない潤奈に感謝すると早速オーシャンビッグバスターを構え、ダイナミックリーゼルドが隠れてたコンテナを狙う。


「ターゲット、ロック!ウォータァーッ!」


 O(オーシャン)B(ビッグバスター)ランドレイクは直線に真っ直ぐ、勢いよく飛ぶ水流を発射。着弾した後、コンテナ付近一帯が水浸しになる。


「気をつけろ、二人共。」

「うん、わかってる。」

「まるで手応えがねぇ。もうあのコンテナの裏にはあいつはいねぇな。」


 O(オーシャン)B(ビッグバスター)ランドレイクとアクアバズーカオルカダイバーは周りを警戒した。


「くたばれ、深也ぁっ!!」

 

 深也の背後から金属バットを持った仁王の取り巻きが襲い掛かる。が、制服バリアに守られ、奇襲は無意味と化した。深也はゆっくりと取り巻きの方を見る。


「なっ…!?」

「…悪い事は言わねぇ。デュラハン同士の戦いに巻き込まれたくなかったら、さっさとここから逃げな。」

「ざけんなぁっ!」


 取り巻きは何度も制服バリアを叩く。深也は溜め息をついた。


「聞き分けのない奴は、こうじゃぁっ!」


 制服を着た大樹が取り巻きの背後から襲い掛かり、背負い投げでカサエルの方に吹っ飛ばす。カサエルが取り巻きを両手でキャッチする。


「これ以上怖い思いをしたくなかったら、この場から去るさぁ。」


 カサエルは取り巻きに見えるように周りの三つの三度傘を回転させて警告する。取り巻きは慌てて逃げていった。


「大樹、カサエル…!?お前ら…!」

「何でここに?って顔じゃな。友のピンチに駆けつけるのは当然じゃ!」

「ワープ場所を特定した後、あっしが大樹を抱えて屋根を飛び跳ねて急いでここに来たさぁ。」

「…へっ、頼もしいぜ!」


 深也はどこに隠れているかわからないが、仁王に話し掛ける事にした。


「仁王、こっちのデュラハンは三体だぜ?降伏するなら、今の内だ!」

「なるほど、一対三は確かに不利そうだ。」


 仁王はダイナミックリーゼルドと共に積み重ねられたドラム缶の裏から姿を現す。


「だが、ニ()三ならどうだろうな?」

「は?お前、何言って…?」


 仁王は右手に持ったデバイスを勢いよく前に出した。


「確か、三つ編みの小僧はこうやれって言ってたぜ!リミッターリムーバル・アクセルブーストォッ!」


 仁王がそう叫ぶとデストロイデバイスが変形し、ダイナミックリーゼルドのリーゼントが形を変え、砲門が大きくなって六本の角が生える。両手にメリケンサックがつき、火力増加による反動に耐えるように足も大きくなって番長感が更に強まった見た目になる。


「何だとっ!?いつものリミッター解除じゃねぇっ!?」

「どういう事じゃ、深也?」


 大樹はデストロイ・デュラハンのリミッター解除を見た事がなく、話でしか知らなかったので深也に聞いた。


「いつもなら、化け物みたいな姿に変わるんだが、最小限の強化に留まってやがって…しかも、デストロイ・デュラハンもパートナーも意思が残ってやがる…!」

「良いリアクションだぜ、深也!早速試させてもらおうかぁっ!」


 ダイナミックリーゼルドがリーゼントの先に光を収束し、発射。先程よりも更に大きくなったビームが発射される。


「やべぇっ!?避けろ、大樹ぅっ!」


 深也たちは急いで右にジャンプし、地面に倒れた。幸い、ビームは大きくなった分、進みが遅くなっていた。ビームは入り口の鉄扉を吹っ飛ばし、工場内に光が差し込む。


「ヒュ〜ッ…!良い火力してんぜ、リーゼルド!」

「へへっ、まぁな!」


 ダイナミックリーゼルドは巨大なくしでリーゼントを整える。深也たちは起き上がって仁王たちを見る。


「悪ぃっ、大樹…!俺がリミッター解除をマーシャルやシユーザーによく煽ってたからな…!改善して来やがった…!」

「何、深也のせいじゃない。リミッター解除は負け続きじゃったんなら、どの道何かしらのタイミングで改善はしてきたんじゃろうて。」

「これならデュラハン・パークなんてあっという間に占拠できるぜ!俺らの夢の実現は今日だ!」

「大艦巨砲主義、バンザァーイ!」


 ダイナミックリーゼルドは両手を上に上げて仁王と共に喜んだ。


「パークを占拠?何言っておるんじゃ、あいつ?」

「聞いたら頭痛くなるから聞かねぇ方がいいぜ…!」


 O(オーシャン)B(ビッグバスター)ランドレイクとアクアバズーカオルカダイバーはお互いに離れ、ダイナミックリーゼルドに向かって水流と水風船を放った。仁王とダイナミックリーゼルドはまた近くのコンテナに身を隠す。


「うまいぞ、深也!ランドレイクとオルカダイバーが別行動で動けば、奴のリーゼントビームは片方にしか狙いを向けられん!」

「あぁ、狙いをつけなかった方がその隙に奴らをぶん殴るって寸法よ!」

「よし、俺らも加勢するぞ、カサエル。ヘッドチェンジじゃ!」

「あなたの相手は私がしますよ。」


 大樹と深也は急に背後から聞こえた不気味な声に寒気を感じた。


「大樹、危ないさぁっ!」


 カサエルが宙に浮かんでいる三度傘を掴んで投げた。声の主は高く飛んで宙返りし、着地した。


「おっと、危ない。戦島(いくさじま)ぶりです、カサエル。」

「お前さんは…シャクヤス!?」

「名前、覚えていてくれたんですね。嬉しいなぁ〜っ!」


 シャクヤスは自分の頭パーツでお手玉を披露する。

 

「私、今回は見学してるだけのつもりだったんですが、カサエルが来たんなら話は別です。ようやく二人で芸を競う事ができますね。前回はディアス様がいらしたので。」

「くっ…!深也、シャクヤスは俺とカサエルが相手をする!お前さんはあのリーゼントの相手に専念するんじゃ!」

「…わかった!気をつけろよ、大樹!」

「おう!」


 深也と大樹はお互い右手をパシっと叩いた後、深也は移動を開始し、別のコンテナに向かった。大樹はデバイスを構えてカサエルと共にシャクヤスと向かい合う。


「待ってましたよ、この時を…!さぁ、大道芸大会の開幕だぁっ!」

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