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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第2部 DULLAHAN WAR
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75章 新人オペレーター

 道人たちは司令の後を付いて行き、司令室の近くまで来た。司令が立ち止まるので道人たちも立ち止まる。司令が振り返って道人たちを見た。


「さて、司令室に入る前に道人君たちも制服に着替えようか。」

「臨時の更衣室を用意しましたので私がご案内します!」


 司令の隣りに初めて見る女の人が立っていた。黄色髪に黒色のメッシュが入ったサイドテールで、大神や虎城と比べると背も低くて十代後半くらいの見た目の女性だった。


「あの、こちらの方は…?」


 道人が皆を代表して司令に訪ねた。


「あぁ、紹介しよう。彼女は会社エリアの社員で、今日付けでデュラハン・ガードナーの新オペレーターとなった…。」

流咲光(りゅうざきひかり)です!不束者(ふつつかもの)ですが、よろしくお願いします!」


 流咲が敬礼すると深也以外は敬礼をし返した。


「さぁさ!皆さん、こちらへ!着替えを用意してますので!」


 流咲がそう言うと司令室の近くの空き部屋に案内される。臨時ではあるが、男子更衣室と女子更衣室と貼り紙が貼ってある。


「私は道人さんたちに説明致しますので、申し訳ないのですが、潤奈さんが愛歌さんに制服の説明をして頂けないでしょうか?」

「…わかりました。さっき私にやった通りにすればいいんですね?」

「はい、お願いします!」


 流咲はまた敬礼する。


「…さ、入ろ、愛歌!」

「わわっ、ちょっと!?」


 潤奈に背中を押されて愛歌は先に更衣室に入った。道人たちも男子更衣室に入る。中は制服が入った箱が多数机に置いてあって、それ以外は何もなく、確かに臨時更衣室だった。


「あの、ロッカーとかは?」

「あ、大丈夫!ロッカーは普段使っている場所を今後も使ってもらって大丈夫ですよ?」

「でも、今後も制服に着替えるんじゃろ?」

「いえ、()()()()()()()()()()()、制服を着替えるための更衣室は必要ないんですよ!」


 道人は?マークを浮かべて両脇にいる大樹と深也を見た。


「ふふん、何のこっちゃ?って顔をしていらっしゃいますね?すぐにわかります!私、外にいますから着替え終わったら言って下さいね?」


 流咲は退室しようとすると転けそうになった。


「だ、大丈夫ですか?」

「す、すみませ〜ん…!私、ヒールに履き慣れてなくって…!失礼致しました!」


 流咲は焦って退室し、扉を閉めた。


「うんうん、初々しくていいのぅっ!初めてで緊張しておるんじゃろう!大神さんや虎城さんとはまた違ったオペレーターさんじゃ!これまた凄い新人さんがやってきたわい!」

「良かったさぁっ、大樹!」

「何かテンション高いね、大樹…。」


 とりあえず道人たちは用意された制服に着替え始めた。


「おぉぉぉ〜っ!?えっ!?何これ、やばっ…!?」


 隣りの壁から愛歌の声が少し篭って聞こえてくる。


「…? 何だ?」


 道人たちは愛歌の声が聞こえる壁を見る。


「えっ?すごい、すごい!これ、何度も押せるじゃん!これ、後からでもデザイン変えられるんだよね、潤奈?よぉ〜し、もうちょいだけ変えさせて…!」


 一体隣りの女子更衣室で何が起きているんだ?道人たちは気になって仕方がなかったが、まず自分たちの着替えを終わらせた。


「あの、流咲さん。三人とも着替え終わりました。」

「あ、はい!よっと…。」


 流咲は今度は転ばないように足元を確認して歩いた。道人たちは流咲の前で横並びになった。それぞれ赤・青・黄のラインが入った白い上着と黒いズボン。道人は赤、深也は青、大樹は黄色のネクタイをしている。


「うんうん!皆さん、よくお似合いですよ?」

「そうか?一応、ちゃんと着たてみたが…早く着崩したい。不良的に。」

「俺も。」


 深也の意見に大樹も賛同した。確かに二人が服をきちんと着ているのは珍しいかもしれない。


「大丈夫!今から説明したら、自由にコーディネートして構いませんよ?それでは皆さん、私また外に出てるんで。()()()()()()()()()()教えて下さい。」

「えっ?せっかく着替えたのにまた私服に着替え直すんですか?」


 道人は流咲が言っている事がよくわからないので質問した。


「ふふっ、いいですから、いいですから!私が外に出たら右腕のエンブレムを軽くポンっと叩いてみて下さい。それじゃ!」


 流咲が退室すると道人たちは言われた通りに右肩のエンブレムを軽く叩いた。するとエンブレムが虹色に光出す。


『SAVE』


 エンブレムから音声がなると道人たちは服が消え、下着姿になった。エンブレムだけが地面に落ちる。


「な、何ですかぁっ!?」「何だとぉっ!?」「何じゃぁぁぁーっ…!?」


 道人たちは急いで私服に着替えた。着替えた後、再び流咲を呼んで問い(ただ)す。流咲は嬉しそうに入ってきた。


「ふふっ、驚いたでしょう?」

「はい、驚きましたよ…。」

「全くだぜ…。」

「何じゃ、このドッキリは…?」


 さっきの愛歌の叫びは同じ目に遭っていたのか、と道人は気づく。変な想像をして頬を赤くしてしまったので首を思いっきり左右に振った。


「な、何なんですか?一体これは…?」

「ふふっ、次はさっき皆さんが地面に落としたであろうエンブレムを拾ってみて下さい。」


 道人たちは慌てていたので地面に落ちたエンブレムを回収していなかった。道人たちは落ちている三つのエンブレムをそれぞれ拾った。


「そしたら、右腕にエンブレムを服に貼ってまた軽く叩いてみて下さい。」


 道人たちは流咲に言われた通りにエンブレムを軽くタッチした。


『WEAR ON』

 

 音声がなると一瞬でさっきの制服に姿が変わった。


「えっ!?嘘っ!?」

「何じゃっ!?早着替え!?」

「すげぇな、おい…。」


 道人たちは自分の全身を隈なくチェックする。


「また叩くと「WEAR OFF」。私服に戻ります。さぁ、服装登録はやり直しできますから、オシャレするなら今の内ですよ?

あちらにサブオプションのアイテムを箱に用意してあるので自由に使って下さい。」

「へっ、面しれぇっ…!」

「うおぉーっ!やったるぞい!」


 深也と大樹は嬉々として箱の元に向かった。となりの部屋の愛歌も恐らく着替えに盛り上がっているのだろう。


「おや?道人さんはよろしいので?」

「あ、はい。僕は別にこのままで…。」

「着崩しなしで行きますか。真面目さんですねぇ、道人さんは。」

「うちの道人は真面目さが売りだからな。」

「何でプロデューサーみたいなんだ、ジークヴァル…。」


 しばらくすると深也も大樹も服装が決まった。深也は全体的にだらしない感じでネクタイを緩め、上着のボタンも開けている。大樹は私服と同じように上着を肩にかけ、黄色いシャツに着替えていた。


「皆さん、着替え終わりましたね?それじゃあ、司令室に行きましょうか!」


 流咲と共に臨時更衣室を出ると既に愛歌と潤奈が待っていた。


「おっ!みんな、ばっちり決まってんねぇ〜っ…!どうよ?あたしの制服姿も!」


 愛歌は右手を右耳に当てて、左手を腰に当てる。ピンクのネクタイにピンクのラインが入った白い上着とスカート。愛歌のピンクの髪も腰まで伸びている。


「何じゃ?何で髪まで伸びてるんじゃ?」

「ウィッグよ、ウィッグ!すごいよね、髪型まで記録してくれるんだよ、このエンブレム!」

「みんな、喜んでくれているようじゃの。」


 博士が歩いてきて道人たちの側で立ち止まった。流咲は慌てて敬礼する。


「博士、すごいですね、これ!驚きましたよ!」

「あぁ、デュエル・デュラハンのドレスアップモードとワープカードを参考にして作ったんじゃ。」


 道人は御頭(おがしら)デパートでのコンテストとルレンデスとの戦いを思い出す。


「この制服は特殊な布でできておる。ちょっとしたバリア機能もあって、かなり頑丈で破れたりもしない。君たちの怪我を減らすために作ったんじゃよ。しかもコーディネート機能もあるから多少の着崩しもOKじゃ。ナイスじゃろう?」


 博士は左目でウインクして歯を輝かせ、右手でサムズアップする。


「わしはみんなにこれくらいしか手を貸す事ができんからな…。」

「そんな!?何言ってんですか、博士!」

「そうだよ、博士!博士にはあたしたち、大分助けられてるよ?」


 道人と愛歌が真っ先に博士のネガティブな意見を否定し、みんな頷いた。


「そうか、そう言ってくれるか…!よし、これからもどんどん君たちをサポートする発明をするからな!」

「はい、頼りにしてます!」


 道人たちは博士と共に笑い合い、司令室に入った。


「おっ、何やら賑やかだな。みんな、よく似合っているじゃないか。」


 司令が道人たちが入室したと同時に振り返って道人たちの方を向いた。流咲は敬礼した後、走って自分の席に座る。


「虎城先輩、大神先輩、遅くなりました!オペレーター研修の続きをお願いします!」

「あの子たち、着替えで盛り上がってたんでしょ?なら、仕方ないわ。」

「はい、再開しましょう。」


 流咲はさっきまでとは変わって真剣な表情で虎城と大神の教えを受ける。


「ヤッホー!みんな、よく似合ってるねぇっ!私もほら!」


 モニターに映っているグルーナも制服を着ていた。グルーナの制服には黒いラインが入っている。アクセサリーなどもつけてオシャレに決めていてさすがファッションデザイナーという感じだった。


「…わぁっ、すごくお似合いです、グルーナさん!」

「サンキュー、潤奈!でも、まだよ!私のファッションデザイナーとしてのプライドが妥協を許さない!今後も更なるセンスを磨いていくわ!」

「皆さん、盛り上がってますねぇ〜。私はまだ制服が届いていないのでお預けです。」


 海音もグルーナの隣のモニターに映っている。


「みおん、かめら、すこしななめになってない?しゅうせい、しゅうせい…。」

「ありがとう、スラン。うん、もう少し右じゃないですかね?」

「こう?それともこうかな?」


 海音もスランもリモート通話に慣れていない様子だった。


「さて、みんな。楽しんでいるところすまないが、早速話そうか。何故私たちが君たちをD(ディサイド)D(デュラハン)FORCE(フォース)と急に任命したのかを…。」


 道人たちは気を引き締め直し、真剣な顔つきで司令を見つめた。

○流咲光 19歳

血液型 AB型

誕生日 3月8日 魚座

身長 161cm 体重 秘密

趣味 機械いじり 研究

好きな食べ物 肉じゃが コンビニ弁当

嫌いな食べ物 白菜 漬け物

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