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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

転生悪役シリーズ

恋敵は悪役令嬢

作者: マキシム

白百合のソナタに出てくるカルロス・ジークハルトのお話

私の名はカルロス・ジークハルト、父である国王と王妃である母の間に生まれた王太子殿下である。私にはかつて婚約者候補がいた。その名はエミリア・レッドハート、レッドハート公爵家の令嬢である。父から私とエミリアとの婚約話があったが白紙になった


【国王陛下】

「カルロスよ、お前とエミリア嬢の婚約は白紙になった。」


【カルロス・ジークハルト】

「理由を伺ってもよろしいでしょうか?」


【国王陛下】

「そうだな、レッドハート公爵は我ら王族との婚約の吉凶を易者に占ってもらったそうだ。どうやら悪い結果が出たらしく、それで此度の婚約を辞退したいと言ってきた。欲のないあの者を味方につけたかったが、仕方がないか。」


父からから聞いた話だが国で有名な易者の占いで私とエミリアの婚約の運勢が大凶と出たのである。その易者の腕は本物であり、父である国王も渋々、承諾し白紙になった。当時の私は王太子として欲しいものは何でも手に入れることができると思っていた。しかし今回のことでレッドハート公爵家、いやエミリア・レッドハートという令嬢によって潰された。私の中でエミリア・レッドハートは私のプライドを傷付けた人物として心に刻んだ。そこからは易者の噂が伝わったのか、貴族たちは私との婚約話の際は易者の占いによって、悪い結果に終わり、婚約話は全て白紙となっていた。当時の私は国王と王妃の前では恭しく振る舞っていたが内心では納得できず、私は従者に当たり散らしていた。私がいつまで立っても婚約者ができないのはレッドハート公爵家が易者を頼んだりしなかったからこんなことにはならなかったのだと・・・・


【カルロス・ジークハルト】

「エミリア・レッドハート、お前は敵だ!この恨み、必ず晴らしてやる!」


それから歳月が立ち、私はオリエント学園に入学することになった。オリエント学園には初の平民入学者が現れた。彼女の名はホリー・アージェント、私は彼女を一目見たときから、私の心はときめいた。今にして思えば、あれは初恋なのだと思った。私の薔薇色の学園生活が始まると思っていた。ホリー・アージェントと一緒にいるエミリア・レッドハートさえいなければ・・・・


【カルロス・ジークハルト】

「ごきげんよう、朝から麗しいご令嬢二人に会えるとは今日はついてるよ。」


【エミリア・レッドハート】

「ごきげんよう、ジークハルト王太子殿下。」


【ホリー・アージェント】

「ジークハルト王太子殿下、お、おはようございます!」


【カルロス・ジークハルト】

「ホリー、君のことは聞いてるよ。一緒に頑張ろうね。」


【ホリー・アージェント】

「はい、ありがとうございます!」


私は表面上、エミリアとは友人として接しているが、なぜか知らないがこの女と話しているだけでもイライラさせる。まるで前世は敵同士なのではないかと思えるくらいに・・・・

私の愛しの人であるホリーは、なぜか知らないがエミリアと一緒にいることが多くなった。しかも同じ部屋で寝泊まりしているのだ!これは学園の決まりだから仕方がないが、私は彼女があの女に苛められるのではないかとヒヤヒヤした。ある時、私はある場面に遭遇した


【令嬢A】

「貴方、平民の分際で調子に成績が優秀なのはどうしてかしら?」


【令嬢B】

「どうせ教員の誰かに媚を売ったのでしょう?」


【令嬢C】

「平民の考えることは浅ましくていけないわ!」


【令嬢D】

「平民は貴族の犬らしく我等、貴族を立てればいいのですわ!」


【ホリー・アージェント】

「うう。」


愛しのホリーが4人の令嬢に苛められている。どうやって助けるか考えていると・・・・


【エミリア・レッドハート】

「何をしているのかしら?」


【令嬢A&B&C&D】

「エミリア様!」


【ホリー・アージェント】

「エミリア様。」


そこへエミリアが現れた。あの女、何をする気だ!まさか、ホリーを苛める気じゃ・・・・


【エミリア・レッドハート】

「貴方たち、ホリーは私の大切な友人ですわ!私の大切な友人を苛めるとはいい度胸しているじゃない?」


【令嬢A】

「いや、私たちはこの平民が調子に乗ってるから注意しようしていただけで・・・」


【令嬢B】

「そうですわ、決して疚しいからでは・・・・」


【エミリア・レッドハート】

「お黙りなさい!」


【令嬢A&B&C&D】

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」


【エミリア・レッドハート】

「貴方たちがやってることは陛下の顔に泥を塗ってるのと同じなのよ!陛下は貴賎を問わずに優秀な人材を育てるためにホリー・アージェントを学園に入れたのよ!これからの王国の繁栄のためにね!それを平民だからという理由で差別するなんて恥ずかしいにも程があるわ!」


【令嬢C】

「へっ、陛下の顔に泥を!」


【令嬢D】

「はわわわ!」


エミリアの一喝で4人の令嬢たちは完全に戦意を喪失していた


【学園長】

「はぁ、誠に残念だよ、君たちには。」


【令嬢A&B&C&D】

「が、学園長!」


学園長は父である国王陛下の弟であり、ホリー・アージェントをオリエント学園に入学させた人物である


【学園長】

「君たちの処分は追って沙汰があるから覚悟はしておきなさい。」


それを聞いた令嬢たちは完全に腰が抜けていた


【エミリア・レッドハート】

「ホリー、大丈夫、一人にしてごめんね。」


【ホリー・アージェント】

「うぅ、エミリア様!怖かったです!」


ホリーは安心してかエミリアの胸で泣いていた。そんなホリーをエミリアは優しく慰めていた。本来だったら私がその立場だったのに!私は黙って見ていることしかできなかった。その後、4人の令嬢は退学となり、実家からも勘当されたと聞く。父である国王がエミリアのことを誉めていた。ホリーもあの女に誑かされている


【カルロス・ジークハルト】

「父もホリーもアイツの毒牙にかかっているんだ!そうに違いない!」


私は何とかあの女の悪評を探したが、一向に出てこず、むしろ学園で人気が高く、あの女を慕う者が現れる始末である


【カルロス・ジークハルト】

「あれはホリー。」


私が途方に暮れていると、ホリーが用紙を運んでいた


【カルロス・ジークハルト】

「やぁ、ホリー、今は大丈夫かい?」


【ホリー・アージェント】

「カルロス王太子殿下!すいません、このような状態で申し訳ありません!」


【カルロス・ジークハルト】

「いいさ、それよりも私と一緒に食事でも行かないかい?」


【ホリー・アージェント】

「申し訳ありません、今、私は生徒会で書類の作成の最中ですので、お食事の件は御辞退いたします。」


【カルロス・ジークハルト】

「他の人に任せればいいじゃないか。さぁ、一緒に行こう!」


【ホリー・アージェント】

「王太子殿下、申し訳ありませんが、今は本当に忙しいのです、どうかご容赦を。」


【カルロス・ジークハルト】

「私が命じているんだ!いいから来るんだ!」


【ホリー・アージェント】

「ひぃぃ!」


ホリーは用紙を落とし、完全に怯えていた。しまった!私としたことが・・・・


【エミリア・レッドハート】

「殿下、何をなされているのですか?」


【学園長】

「カルロス、何をしているのだ!」


【カルロス・ジークハルト】

「叔父上、エミリア。」


そこへ叔父である学園長と宿敵のエミリアが現れた


【エミリア・レッドハート】

「殿下、嫌がる女性に対して、権力を振りかざすのはどうかと存じますが?」


【カルロス・ジークハルト】

「いや、それは。」


【学園長】

「カルロス、ここでは王太子の権力は通じない。ここは身分等、関係なく学ぶ場所だ。お前はここで女性を無理やり連れ出すのが目的で入学したのか?」


【カルロス・ジークハルト】

「申し訳ありません。」


【エミリア・レッドハート】

「大丈夫、ホリー。」


【ホリー・アージェント】

「ありがとうございます。学園長先生、エミリア様。」


まただ、またエミリアに邪魔された、くそ!その後、両親からこっぴどく叱られ、しばらく謹慎処分を言い渡された


【カルロス・ジークハルト】

「くそ、エミリアめ、必ず復讐してやる!」


私は謹慎中は家庭教師によるマンツーマンで勉強することになった。あぁ、ホリーが心配だ。このままではエミリアの毒牙にかかってしまう。だが今は謹慎中の身だ、我慢するしかない!こうなったら卒業パーティーの日に断罪するしかない!罪については適当にすればいい!王太子の権限で押し通してやる!私の心の中には【打倒!エミリア】という文字しかなかった。それから私の謹慎が解け、私は時が来るまで大人しくしていた。愛しのホリーはあれ以来、私のことを避けるようになった。私はただ、ホリーと仲良くしたいのに!学園での私の立場は正直、微妙である。学園で女性に乱暴を働いた問題児として距離を取られているが、一応王太子なので、粗略には扱われてはいない。ここは我慢だ!卒業パーティーまで我慢するしかない。そこから歳月が流れ、私は復讐の機会を待ちわびました。そして卒業パーティーの日がやって来た


【カルロス・ジークハルト】

「エミリア、お前の泣き叫ぶ顔が拝めると思うとワクワクしてしまう。」


私の中の邪悪な悪魔が住み着いたことも知らずに、私はエミリアへの復讐に燃えていた

卒業パーティーが始まり、和やかに進んだ。愛しのホリーは悪魔のエミリアと一緒に食事を取っている。私はエミリア断罪劇が始まった


【カルロス・ジークハルト】

「エミリア・レッドハート公爵令嬢、君はホリー・アージェントに対し、数々の嫌がらせを行っていたことは明白である!王太子の権限にて君を断罪する!」


私の宣言に周囲は私を見ている。エミリアのアホ面が見れて気持ちよかった。そして次にいこうとした瞬間・・・・


【ホリー・アージェント】

「お待ちください!エミリア様は私に嫌がらせ等はしておりません!」


愛しのホリーがエミリアを庇った


【カルロス・ジークハルト】

「ホリーよ、無理をしなくてもいい。君はその女に惑わされているんだ。」


【ホリー・アージェント】

「いいえ、エミリア様はこの学園に来てからできた私の大切な御方です。私がこの学園に来てから平民である私にエミリア様は温かく迎えてくれました。エミリア様のおかげで学園生活を楽しく過ごすことができました!恐れながら王太子殿下、エミリア様を断罪するなら、私も一緒に断罪してください!」


なぜだ、エミリア、どうしてそんな女を庇うんだ!そうか、悪魔に心を奪われたんだな、私が君を悪魔から救い出してみせる!


【カルロス・ジークハルト】

「君はその女に騙されているんだ!エミリアが君に対して嫌がらせをしているのは明白なんだ。これ以上、庇っても君の立場が危ないよ!」


【ホリー・アージェント】

「それはできません!私はエミリア様を心からお慕い申しております!その御方を侮辱するなら、王太子殿下といえど、許しません!」


くっ!予想以上に粘るな!私は王太子だぞ。この国で偉いんだぞ!私に敬え、ひざまづけ!


【カルロス・ジークハルト】

「なぜそこまで庇うんだ!」


【ホリー・アージェント】

「それは決まっております!エミリア様と私は真実の愛を誓いあった仲だからです!」


えっ、今、何と言った?


【カルロス・ジークハルト】

「君とエミリアが真実の愛を誓いあった仲だと!」


おい、冗談だよな、冗談だと言ってくれ、私だけのホリーがそんなこと言うはずない!


【ホリー・アージェント】

「はい、エミリア様と私は毎夜、一緒のベッドで愛し合う仲なんです!あんなことやこんなこともしました!エミリア様と私は一心同体なのです!」


え、あんなことやこんなこと、え、え、え、え、え、え!


【カルロス・ジークハルト】

「あっ、あっ、あっ。」


そんな私の愛しの人が・・・・・


【ホリー・アージェント】

「私は全世界を敵に回してもエミリア様をお守りいたします!たとえ相手が国王陛下でも噛みつきます!」


【カルロス・ジークハルト】

「あ~。」


私はその場で意識を失い、気が付いたら、そこは医務室だった。私は数日は安静にした後に、私は父のいる広間へと足を運びました。そう、卒業パーティーの件である


【国王陛下】

「この大馬鹿者!エミリア嬢に濡れ衣を着せ、断罪しようとは持っての他だ!」


【カルロス・ジークハルト】

「父上、決して濡れ衣ではなく、私は、ただホリーに纏わりつくエミリアを凝らしめようと・・・・」


【国王陛下】

「喧しい!お前には監視をつけておったのだ!お前がエミリア嬢を陥れようとしたことぐらいお見通しじゃ!」


【カルロス・ジークハルト】

「私に監視が!」


【国王陛下】

「そうだ、お前は王太子ゆえ、常にお前の言動を見張っていたが、この間の件のみならず、今回の件は断じて許すべき案件ではないわ!」


【カルロス・ジークハルト】

「ちっ、父上。」


【国王陛下】

「普段のお前には常に胃が痛む思いをしたが、どこかでお前が改心することを望んでいたが、全て無駄に終わってしまった、本当に残念だ。」


【カルロス・ジークハルト】

「父上、私は。」


【国王陛下】

「カルロス、お前は今日限りで王太子の身分を剥奪、及び王籍から除籍、本日より男爵位を授け、辺境の領地への転封を命じる、衛兵、連れてけ!」


【カルロス・ジークハルト】

「何だと!クソオヤジ!やはりお前もエミリアに誑かされてたのか!離せ、私は王太子だぞ!おい、クソオヤジ、私を国王の座に据えなかったことを後悔するぞ!」


私は父を罵倒し、広間から連れ出された


【国王陛下】

「よいか、領地に着いたら、即刻行え。」


【衛兵】

「御意。」


私はそのまま、辺境の領地へと護送中に、馬車を止めた。すると衛兵が馬車のドアを開けて、私を引きずり出した。すると衛兵が剣を抜き・・・・


【カルロス・ジークハルト】

「何をする!」


【衛兵】

「国王陛下の命により、謀反人、カルロス・ジークハルトを成敗する」


【カルロス・ジークハルト】

「何!父上が、父上がそんなこと言うはずがない!」


【衛兵】

「カルロス男爵、お覚悟!」


【カルロス・ジークハルト】

「ひぃぃぃぃ、だっ、誰か助けてくれ!誰か!誰か!」


私はどこで間違ってしまったのか、エミリアを断罪したことか、ホリーに惚れてしまったことか、私は衛兵に斬られたと同時に意識を途絶えた






















カルロス・ジークハルトの転落劇(自滅)でした。18禁版の男性向け小説「エミリアとホリーだけの世界」を執筆したので是非御覧ください

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