第87話 町長の正体は……
―― 孤児院 テイコクダイカンゲイ ――
「ズバリっ! ダンジョンマスターでしょう!」
「「 ええええーっ!!!! 」」
驚くのはティラとユーナで、リルガとアーリーはダンジョンが分からないようだ。
『ところでその瓶底メガネ、どこから出したんですか?』
(ほら、私もファンだしぃ、偲びたいじゃない)
「おネエさん、爆弾発言したあとに固まらないでよ!」
「ランスは固まることが時々あるっす」
「へへっ、やるねぇ。
そうだよ、俺はこのダンジョン『キターノの町』のダンジョンマスターだよ。
この部屋の奥にはダンジョンコアがあるから通すわけにはいかねぇよ」
『ラスボス感が凄いですね』
名前:【ビーツ】
年齢:68歳
称号:キターノ町長 ダンジョンマスター
魔王候補
能力:ダンジョンクリエイト
内政
収納(無限)
状態異常無効
自然回復(極)
自己再生(極)
威圧(極)
魔力操作(極) 他
加護:邪神エヴォイル
「驚いたわね、町全体がダンジョンだったなんて!」
「…ダンジョンて?」
「ダンジョンマスターってなんすか?」
『お二人に説明しましょう。
ダンジョンとは簡単にいうと迷路が付きの洞窟や塔、お城を指します。
ダンジョンマスターとはダンジョンを維持するために必要なエネルギーの塊であるダンジョンコアを守護する者のことを指します。
ちなみに、ダンジョン維持に必要なエネルギーはダンジョンの領域内にいる魔力の有する者から吸収できます。』
「魔力を有する者って、自分や魔物、魔族とかっすか?」
「もちろん人族以外の種族のほうが魔力は有しているけど、人族だって魔力を持っているわ。ビーツさんはどういう経緯でダンジョンマスターになったのか分からないけど、まさか町作りに使うなんて……」
「あんちゃんの言うとおり、俺はここがまだ小さなキターノの村と呼ばれている頃に偶然ダンジョンコアを拾ったんだ。
初めは村の畑の収穫が上がるだけだったけど、だんだんと人口が増えていけばエネルギーも溜まるだろ? 気づいたら町になって俺も町長になってたんだよ」
「そして、より多くのエネルギーを集めるために帝国やビガーさん、冒険者を利用しているのね!」
「まあ、そんなところだなぁ」
「じゃあ、やっぱり悪い奴っすね!」
「俺が悪い奴ねぇ……。 ダンジョンルームのモニターだと声が拾えないからわかんなかったけど、ユーナとあんちゃん、お嬢ちゃん2人以外にここには誰かいるのかい?」
「自分が見えてないんすね、これでどうっすか?」
「へえ、あんちゃんの連れは天狐に魔族に妖精かい、へへっ、面白いなぁ」
「出会いは偶然だったけど、とっても素敵な仲間でしょ」
『マスターは可愛いに囲まれて幸せそうですね』
「羨ましいなぁ、俺の仲間はユーナ以外はバカな野郎ばっかりだ。そこにいる兄貴達もせっかく帝国から呼んだのに俺に隠れたつもりで好き勝手やるんだもんなぁ」
「っ!? 訓練場から転移させたのね!」
「あっ、壁に吊るしてた僕のお客さんもいるんだね。ビーツさん、すごいや」
「兄貴達を訓練場に放置しとくと何も知らない冒険者が訓練に来たら驚いちゃうだろ? それにあんなところに帝国の暗部の奴らなんか吊るしちゃダメだよ。そういうことするとみんながびっくすんだから。だからそこに集めておいたんだよ」
ビーツは部屋の片隅に、す巻きにされたままのビガー達をまとめて寝転がしていた。
ダンジョンマスターの能力の1つだが、ダンジョンの領域内であれば魔力を使って人や物を転移させることが可能なのだ。




