第64話 リルガとアーリー&メリッサのほのぼのライフ
―― ランスの家 ――
「それでは後でメリッサさんが来てくれますので、お留守番よろしくお願いしますね。」
「……行ってらっしゃい」
「ファイトっすー」
キンランスが王城へ出発した。
──コンコン
「やほー、来たよー♪」
二人が掃除を終えて一息ついているとメリッサが大量の荷物を抱えてやってきた。
「なんすか! 荷物多いっすね」
「うん、こないだランスちゃんと一緒にお買い物したときにリルガちゃん、アーリーちゃんに似合う服を見つけたから買ってきたのよー」
「これって、お人形の服っすね。自分、あんまり着替えがないから嬉しいっす!」
「ほんとー、良かった、喜んでくれて。背中は羽を出せるように開けてるから着やすいと思うわー」
「……リルガ、用事を思い出し――――」
──がしっ
「リルガちゃんのも買ってきたのよー。……着て欲しいなー?」
「……わかった」
メリッサはファッションショーが好きなのだ。
「あ、でもとりあえず夕食の準備をするからー、二人はお風呂入ってきてー」
「……おっけー(助かった)」
「わかったっす」
二人が風呂に行ったあと、メリッサは手際よく食事の準備を進める。
「よし! 新ジャガとゴーヤ炒め、もやしとウインナーのスープ、それにささげと油揚げでいいかなー♪」
──がらっ ぶるぶるぶるぶるっ
「うわーっ、ぶるぶるするなっす! せっかく拭いたのに台無しっすよ!!」
「……リルガは乾いた」
「おー、出てきたねー。ご飯出来てるから食べましょー」
「……おおっ!」
「うまそーっす」
「……いただき!」
「いただきまーす」
「いただくっす」
「どうかなー? 美味しー?」
「……美味しい」
「うまいっす」
「良かったー、ねー、明日は王立公園に行ってみない?」
「……行く」
「公園っすか? 行ってみたいっす」
「じゃ、決まりー。運動しやすい服も買ってきたから選んでねー」
「……はーい」
「ありがとうっす!」
「それじゃ、食べたらファッションショーだー!」
「……うっ!」
「なんすかそれ?やるっすー!!」
正反対のリアクションだった。
───
──
─
王立公園は、ランスの家からだと王城の向こう側にあり、青々茂る庭園、広がる草地、手入れされた芝生があり、周囲をジョギングする人や散歩する人もいれば、ベンチで本を読む学生など都民や観光で来た者達にとっての憩いの場となっている。
「やっとついたっすー!」
「少し遠かったかしらー?」
「……そんなことないよ」
ぽかぽか陽気の中で3人は木陰で昼寝したり、ボールで遊んだり、昼顔ごっこをしたりとまったりとした時間を過ごした。
帰り際、市場でタイムセールを発見したメリッサが主婦達との熾烈な戦いの果てに大量の食料を買い込むのだがランスが戻る頃にはほとんどの食料がリルガ達の胃の中におさまっていた。