第21話 勇者?あらわる!!
―― 冒険者ギルド ――
「はい、……アベル様ですね、申請書を受理しました。それではこちらの水晶に手をかざしてください」
少年が水晶に手をかざすと、水晶がパッと明るくなった。
「ではしばらくお待ちください」
ビージンは奥に入っていった。
名前:【アベル】(ゆうさく)
年齢:15歳
称号:異世界人 勇者候補
能力:異世界共通言語
剣の才能
収納(体重×2倍)
鑑定(強)
偽装(強)
自然回復(弱)
嘘から出た真実
加護:女神ガデス
(キンちゃん、ありがとう。ふうん、異世界人か、久しぶりに見たわね)
『先ほどマスターを鑑定しようとしたのでレジストしました』
(あっ! それで私の顔を見て驚いたのね)
『ステータスは大して高くありませんね、使い方次第ですけど【嘘から出た真実】というスキルは……』
【嘘から出た真実】
効 果:嘘が真実になる。
発動条件:対象と目を合わせること
現実的に起こり得る嘘であること
効果は対象または周囲に嘘と見破られるまで続く。
(確かに面白いスキルねぇ。私には効果あるかしら?)
『どうでしょうか、嘘をつき終わる前にマスターなら物理で解決しそうですね。
あ、それと――――』
(ガデスちゃんか、てことはアッチもそろそろ準備中なのかしらね?)
『さあ、マスターも忙しくなるかもしれませんね』
(ふふっ……どうしようかな)
「……なぁ、あんたさ、何者だよ?」
「おい、ランスさんにまで失礼な態度を取るんじゃねぇよっ!」
「イノスちゃん、ありがとね。
でも、私にそんな気遣いは無用よ。
それで……何者って私はランスよ。冒険者をしているわ。ふふっ」
「……お、おう。なあ『■■』って知ってるか?」
「えっ? 何っ? 分からなかったわ」
「……そうか、もしかして同郷かと思ってな」
「同郷……、ああ、髪や瞳の色が似てるものね。ねぇ、ナンパするなら名前ぐらい教えてほしいわね」
「はっ!? 違うっ! あ、すまない俺はアベルだ、同郷の者を探していたんだ」
「アベルちゃん、よろしくね♪」
「おっ、おう」
『引いてますね』
(いきなり声をかけてきて、前にどっかで会ったことないか? ってもはやナンパでしょ)
『まあ、そうですね。(それが異性であれば)』
「アベル様、お待たせしました。こちら冒険者カードです、Fランクからのスタートです。ランクシステム、ギルド内のルールを説明しますので奥へどうぞ」
「悪いけど……チュートリアルは飛ばす派なんだよ。魔物討伐クエストはあるか?」
「困りますっ! 申請書にも説明を受けることの同意事項があります、説明を聞かないのであれば登録は抹消しますよ!」
ビージンが食い下がる。
王都所属の冒険者の問題行為、規約違反はギルド全体の信用にかかわる。
「……そういや書いてたか。あいよ、奥に行けばいいんだな」
面倒くせ~……とぶつぶつ言いながらアベルは奥へと歩いて行った。




