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魔眼使いのおネエさん~魔眼と物理で問題解決~  作者: yatacrow


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第19話 某有名料理レシピのサイトと歌舞伎風のツッコミが人気の芸人さんの話


―― ランスの家 ――


「ただいまーっ♪ もう夕方か、遅くなっちゃったね」


「……お帰り!」


「あらら、真っ黒じゃない!」


「……掃除がんばった!」


 白のワンピースはきちんと畳んでヘッチョンに着せられていた服が汚れて黒くなっていた。ヘッチョンの服もそこそこ良いお値段なのだが。


「ほんとねっ、リルガちゃんありがとう。嬉しいわ。晩ごはん奮発しちゃう!」


 ──ぶんぶんぶんっ!


 リルガが風呂に入っている間に、さささっと手際よく、ハニーマスタードサラダとスパゲティボロネーゼ、それに具だくさんトマトスープを食卓に並べていく。


 実は王都最大の料理ギルドがレシピサービスをやっており、現在、300万品を超えるレシピ、作り方をギルドの構成員が教えてくれるのだ。その中からランスは気に入った料理レシピを使いこなしている。


「はい、お待たせ~♪」


「……いただきます」


 ランスは美味しそうに食べるリルガを見ながら、父親と一緒に食べていた頃を思い出していた。


『マスター、どうしたんですか?』


(ああ、リルガちゃんが美味しそうにご飯を食べてるのを見て癒されてたの。私もお父さんと一緒に食べてたときはこんな感じだったのかなぁって)


「……美味しい、ランス食べないの?」

「うん、食べるわよ」


「これ美味しいっ! お父さん食べないの?」

「あぁ、食べような!」


『優しいお父さんでしたね』


(まだ生きてるわよ)


『いやぁ、この流れは死んでる者の流れぇ~!!!!』


(そんな今年ブレイクしそうな歌舞伎風のツッコミを入れなくても……)


「あ、そうだ、明日は冒険者ギルドに行くわよ」


「……冒険者って?」


「手に職を持たずに日雇いで色んな仕事をしている人たちのことよ。私もたまにだけど顔を出しておかないといけなくてね」


『間違いではありませんが、夢がないですね』


「……ランスも冒険者なの?」


「えぇ、私がやってるのは魔物討伐ばかりだけど。リルガちゃんも今後の事を考えると登録しておいたほうがいいかなって」


「……………………」


「怖い?」


「……怖い」


「じゃ、登録はやめときましょう」


「……いいの?」


「もちろんいいわよっ♪ ただ、どんなところかは見ておいたほうがいいから一緒に行こっ!」


「……うん♪」


『まだまだ人間不信ですね』


(そうね、まあ、そのうち慣れるわよ)


「念のため子狐モードで私から離れないでね」


「……わかった!」


 冒険者ギルド。


 登録しておけば最低限の身分証明をしてくれるし、仕事を斡旋してくれるところである。


 仕事をこなして信頼度が上がれば指名が入るようになり、やがて指名者の職場で就職が出来るようになる。


 これだと夢がないのだが、町中の仕事以外にも商人の護衛で町へ行ったり、錬金ギルドからの依頼で薬草集め、騎士団や王国からの依頼で魔物狩りやダンジョン探索、果ては魔王討伐の緊急依頼等もある。


 翌朝、二人は冒険者ギルドに向かうのであった。



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