第11話 ナニカ支配が欲しい
―― ランスの家 ――
──がたっ!
耳がぴくぴくっと物音に反応したため、リルガは起きてしまった。
「……お帰り」
まだデラックスなランスがごそごそと何かを食べている。
「あふぁほほしひゃっひゃふぁね」
「……ん?」
『起こしてしまってごめんなさいと言ってます。リルガさん、物音に敏感ですね』
『……ランスは大丈夫?』
『ええ、お腹いっぱいになれば寝ますから大丈夫ですよ。
ああ、そうだ、明日……もう今日ですね、マスターがしばらくトイレを占拠しちゃいますので、リルガさんには別のトイレの場所を教えておきましょう』
ランスの家には地下があり、地下からどこかに抜ける道の途中にもトイレがあるらしい。
ネズミやGもいるらしいがリルガにとっては問題のないことだった。
トイレの場所を教えてもらったリルガは考える。
トイレにこもってる状態のランスは大丈夫でない。
自分にできることはあるだろうか。
自分にできること……変化と気配察知ぐらいだ。
『……何かしたい』
『ふむ、子狐モードでマスターにくっつくだけで良いと思いますが、さすがにトイレ中だとマスターも恥ずかしいでしょうし。
そうですね、考えておきましょう。ただ、もう遅い時間ですからリルガさんは寝ましょうか』
──こくん
「……ランス、キン、お休み」
『おおおおっ! これが萌えの心!』
(うるさいわよ、あんた名前呼ばれただけじゃない)
『……いいじゃないですか、人から名前呼ばれることなんてないんですから。
反転暴食中のマスターってホント毒舌ですよね』
(げええぇっぷ!)
『うわぁ……』
───
──
─
ばたばたばたばた! ガチャッ! バンッ!
『マスター、リルガさんもいるんですからもう少し静かにしてください』
(キンちゃん、そんなこと言ったって仕方ないじゃないか)
『マスター、何歳でした?』
(乙女の秘密を尋ねるなんて失礼よ)
──ことっ とたとた
『おや、リルガさんが起きたみたいですよ。
マスターのために何かしたいそうが、ご希望はありますか?』
(うーん! ないわねぇ。うーん!!)
『ちょっと考えてるのか頑張ってるのかの判断に迷いますね』
(両方ですけど!? いつまで乙女のお花摘みを覗いているのよ、出てってよ!!)
『いや、僕はマスターの魔眼の一種だから無理を言わないでください』
(この場合の出てっては、黙れってことなのっ!!)
『(めっちゃ機嫌悪いんですけど)』
誰だって個室で頑張ってるときに話しかけられたくはないだろうに。




