第七章 〜矛盾の崩壊〜
今回で謎、大体見えます!お楽しみに。
「さて、片っ端から見てくわよ。」
木坂はザッと部活一覧を見ていった。
「やっぱり見てるだけで答えがおりてくることは無いわね。一つ一つ精査するしか無いわ。まずは球技系ね。野球、サッカー、ラグビー、バレー、テニスにバドミントン。あら、印刷が『バトミントン』になってるわ。でもどうでもいいわね。この中で答えみたいなものはないかしらね。」
「そうっすねぇ…例えば1/2や1/8とかがチーム分けと配置分け見たいなものだったらどうですかね。」
「そうするとどちらかはチームな訳だから、チームが偶数人のスポーツね。えーっと…」
美紅は上を見ながら言った。
「野球とサッカーは九と十一で割れないわね。えーとテニス、バドミントンは二人。バレーボールは六人だから割れるわ。バスケは十二人制なら割れるわ。ラグビーは…えーと…十人くらいいたかしら。」
「確か真ん中のやつがナンバーエイトとか呼ばれてなかったか。十五人と予想する。」
「ちょっと待っていま調べるわ。」
木坂はスマホを取り出して調べた。
「獅子目くんの通り十五人だわ。」
「じゃあ消えるわけね。」
「少なくとも、この考えではだがな。次のヒントはカドがなんとかだったな。コートの形は…ぜんぶ長方形か。いやまて、そもそも八人以上いないとチーム分け1/8って、ありえないんじゃねーか。相手含めてもバレー以外八人以下だ。だがバレーは合わせて十二人で八で割れない!唯一割れるのはバスケの相手含めて二十四人だ。」
「じゃあバスケかしら。」
「でも結局コートは長方形。カドが二ヶ所のというのは残念ながら関係ないな。」
女子二人も「あー…」といってガックリした。
ヒロはつづけた。
「結局この問題から考えられることとして、何分の一とかは結構理由づけできるけどカドが二ヶ所が数学上成り立たない。だからこの意味が分かるまでわからないんじゃないですかね。」
「じゃあ、そっちからやりましょう。その前に、ちょっとお手洗いにいってくるわ。ちょっと待っててちょうだい。」
と言って木坂が出て行った。
当然部屋はヒロと美紅の二人である。
「ねえ、獅子目くんって中学校はどこなの?」
「あー、俺は白崎南中だよ。」
「あら、隣の学区だったんだ。私は新坂中だったの。」
「へー。じゃあ家結構近いのか。」
「私の家は、ほら最近できたショッピングモール知ってるかしら。」
「あーうん。ゲーセン目的で友達と行ったよ。あそこの近くなの?」
「うん。丁度向かいだわ。正面玄関から。」
「それなら俺の家から…大体五分かそこらだな。学校まで微妙に遠いんじゃないか?」
「自転車許可が下りるまではバスが走ってるから、それを使うわ。」
「なるほど。」
ヒロは自転車許可が来たら一緒に帰ろうか、などと下心な感情を持ちながら美紅の顔を見ていた。
「あの、夏になっ…」
たら一緒に帰ろうと誘おうと思った時、なんとタイミングの悪いことか、木坂が戻って来た。
「おまたせ。さあ、やるわよ。」
とヒロの心いざ知らず、また謎解きを始めた。
美紅もまた気にすることなく解き始めた為、ヒロは残念な気持ちを抑えながら共に謎と向き合うことにした。
「やっぱり私、勘違いしてるような気がしてならないのよ。」
木坂は送られた二通を視聴覚室のホワイトボードにツラツラと書いていった。
「今更だけど、『シロ』がカタカナっておかしいんじゃないのかしら。何かを示したいなら漢字でいいはずだわ。」
「あ!それだ!それぞれ別の『シロ』を表してるんじゃねーのか?」
「そうね。そうするとシロと読む漢字は…」
木坂はホワイトボードに書き出していった。
とはいえ、出たのはわずかに二文字。
【白】と【城】である。
「二つしか…思い浮かばないわ…」
「半分が白色で、八分の一がお城?なんだそれ。そんなものあるか。」
「白色とお城があるものを探せばいいのじゃないのですか?」
と美紅が考えた。
「あ!」
「何か思いついたのかしら。」
「違うんです!この問題じゃなくて!さっきの問題。あっちもそうだったのよ!」
「あのカドの問題か?」
「だからそれが違うのよ。どっちかはカドでももう一つはカドとは読まなかったのよ!」
「あー、なるほど…」
「美紅ちゃん、お手柄だわ。」
三人は安堵の笑顔を浮かべた。
あえて答えだけ残しました。
いよいよ次回!三年生のところへ三人が向かいます。
果たして解いた場所に彼らはいるのか…
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