第二章 〜最初の試練〜
前回公開した作品ですが、挿絵の出し方が分からず、URLベタ貼りになってしまいました。
今回はその画像の問題の解答が含まれます。
今作でも同様の挿絵を入れますが、答えを絶対見たくない!というかたは、大変お手数ですが、前作よりお読みください。申し訳ありません。
今回も謎解きを出します!
お楽しみに。
fig1. 最初の課題
ヒロは頭を悩ませた。通常の穴埋めのように簡単にはいかない。テレビでやるような漢字穴埋めは何度も経験してきたがこれはどうしろというのか。
-待て待て、一旦下がって考えよう。
ヒロは問題の置かれる状況の確認から始めた。
まず、通常の穴埋め問題なら四方を取り囲むのは漢字である。しかし今回は漢字にカタカナ、さらにはアルファベット。あまりにもバラバラすぎるのだ。これらが意味することはなんなのだろうか。
ヒロは鉛筆を咥えて、グッと背もたれにかかり、窓の外を眺めた。
「あら、ヒロくんもう降参?そんなんじゃ活躍できないわよ。」
「あや、木坂さん。多分、多分いけます。」
そういうとヒロは瞼を少し縮めた。
木坂は「そう。」と少し唇を窄めて呟いた。
「?」の周りには依然として、異なる種類の文字が付きまとった。しかし何度見ても「?」は一つ目。つまり別の種類でも同じ形の文字があるのではないか。
-そうか、そういうことか。
-ここに入る文字は漢字でありカタカナでありアルファベットなのか。いや、しかしそうするとここは…ああ、なるほど。それに加えて記号でもあるのか。
全てを悟ったヒロは思わずフフッと笑い、加えていた鉛筆を持ち直し解答欄にビシッビシッと力強い二本の線を描いた。
-答えは…「×」だ。
縦読みでコメと〆鯖
横読みでBOXと×ゲーム(罰ゲーム)
見事に四方が意味を成した。
一つ目の山を越えたヒロは、落ち着くことなくすぐに次のページをめくった。
fig2. 続く難所
また訳のわからない問題が来た。
-あしたがアメリカで、監査にでも参加するのか?
勿論すぐに解けるとは思っていなかった。しかし、「一問目だけじゃないか」と少し余裕を見せていた自分がいたのは確かだった。テレビでもなんでも、掴みで力尽きることはよくある。二問目は知識だけでなんとかと思ったが、残念ながらそうはいかなかった。
もとい、ヒロは全く残念とは思っていなかった。
再び頭を抱えさせる、しかも普段の勉強などとはまた違った所を使わせる。ヒロは再び窓の外を遠く眺めた。
-そもそも他の人たちもタライって読めてるのかな…
「はーい、じゃあ全員二問目で悩んでるようなのでヒント出しまーす。」
木坂が声を張り上げた。
「ヒント〜。この漢字は『タライ』と読みまーす。じゃあ頑張ってね!」
そう言って木坂はどこかへ出かけてしまった。
-なんか隣の男子がそっくり返ってる。なんだっけ。たしか獅子目くんといったっけ。ずいぶんかっこいい名字だな。
そんなことを思いながら、美紅は美紅で二つ目の山を登ろうとしている所だった。
一つ目は発想の転換からすぐに思いついたけど、これは単純な発想の転換とはいかなさそうだった。
-タライって読むのがわかったのはナイスヒントだったわ。だけど、それ以外何も進まないじゃない…
美紅もまた、あしたとアメリカの関係性が全く見えなかった。
-うーん、監査と参加は多分逆さ読みだよね。つまり黒い矢印「→」は逆さから読めばいいようなるんじゃないかな。でも、白矢印は一体なんなのかな。とりあえず、一段階目は『イラタ』?あーもう分かんない!
美紅は後ろで縛っていた髪の毛をほどいた。
-よーし、少しスッキリした気がするわ。
美紅はもう一度、問題とにらめっこをすることにした。その時だった。
「ははっ。なんだこんなことかいな。お前ら、あんま悩んでるとハゲちゃうぞ。」
「うるせーなコガマン。こん中で一番お前がハゲそうだろ。」
という静寂を切り裂いた古賀の発言と近藤の痛烈なツッコミに、新入生は思わず笑った。
そこで獅子目は気づいた。
「あれ、ていうことは、もしかして古賀先輩はもう解けたんですか?」
「あったりまえだろ。だから言ったろ。おれはこん中じゃ一番天才なんだよ。」
「す、すごいっすねぇ。」
獅子目はハーンと納得した。古賀さんは頭の柔らかさは随一だけれど、ひたすら勉強は嫌いなんだな、と。
「いいか、お前ら。どうせ頭が働いてないから解けねぇんだよ。逆立ちすれば頭に血が行って、少しは賢くなれるんじゃないか。ハハハハ。」
そう言った途端、松戸が「ウアーーーーー」とうな垂れた。
「わわ、マッツンどうした突然。」
と突然の会長の奇声に近藤が口走った。
「なんでもねぇよ。なんでもねえええよおおおおお。」
そう言って松戸は解答欄に文字を埋めた。それを見た古賀はまたキャッキャと子供のように笑っていた。
ヒロはそれを見てひとしきり笑った後、もう一度問題と面を向け合うことにした。
-はーん。あ、そうか。そういうことだったのか。だから会長は。俺はトンデモナイ勘違いをしていたのか。ああ考えてるだけじゃダメだったんだ。あれは「あした」じゃないし、「アメリカ」ですらなかったんだ!
ヒロもまた奇声をあげそうになってしまったが、ここは新入生の恥じらいを持って、ぐっとそれを飲み込んだ。
その横顔を見て美紅は先を越されてしまったと、再びシャープペンシルを強く握って、頭のエンジンをフル回転させた。
-お願い、お願いだから、何か思いついてちょうだい!
視聴覚室には、再び静寂が戻ってきていた。しかしその部屋は音のない感嘆に満ちていたのだった。
今回も謎を残していきます!
もちろんヒントもたくさん散りばめてます。
小説ではあんなこと書いたけど、こっちの方が簡単かも?
みなさんの評価やレビュー、お待ちしています。
よろしくお願いいたします!!!