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現実のジャーキーと異世界の干肉

作者: 滝川 海老郎

 唐突ですまない。俺はビーフジャーキーが好物の一つだ。


 今日もコンビニで2種類売っていたのを目撃して、その違いを楽しみに両方買ってしまった。同じメーカーの味違いで、両方とも40gで410円、合計820円だ。

 部屋にジャーキーの空の袋が4つも集まっているのを見て、ちょっとエッセイを書いてみようと思い立ち、今これを書いている。



 肉はうまい。



 なんといっても肉である。そう肉そのものだ。


 肉がダメな人はごめんなさい。このエッセイはそっとじしてください。


 俺とビーフジャーキーの出会いは小学生の頃だろう。おやじだか親戚のお土産かわからないが、テング印のビーフジャーキーを貰ったのだ。

 そのときも美味しいと思ったが、別に強い興味までは持たなかった。


 大人になったばかりの頃。ライトノベル「狼と香辛料」で羊の干肉が出てきた。中世風世界のファンタジーだ。

 登場人物は狼の化身なので羊が好きで、美味しそうに食べるシーンが印象的だったのを覚えている。

 そりゃもう、主人公に買ってほしいと要求するのが、独特の言い回しで魅力的なのだ。


 もうひとつ今検索したら出てきた。有名映画アニメ制作会社の作品で白い狼が拾ってきて娘にした子が干肉を食べていた。ナイフで千切り口で柔らかくしたのを、主人公に口移しで食べさせていた。

 あれは少し固そうだったのを覚えている。


 そして現在。たまにコンビニのビーフジャーキーを買ってきて食べるようになった。これをみると羊の干肉を思い出してしまう。


 ビーフジャーキーの定番は、前出のテングのものだ。これは日本人のアメリカ土産として日本人好みの味付けをしたもので、日系人が開発したそうだ。

 現在でも、輸入雑貨店やネットショップなどで購入できる。

 そして驚いたのが、購入したものはニュージーランド牛を使い、日本国内製造になっていた。てっきりアメリカ牛でアメリカで製造しているものを輸入していると思っていたのだ。

 内容量が100g前後と多くそのぶん値段も高めになっている。しかしグラム単価は普通だと思われる。


 各コンビニ、スーパーなどではテングはあまりなく、定番品のメーカーはない。色々なメーカの物が置かれていて味は様々だ。値段は400円前後。25gから40g位のものが主流だと思う。

 昔はコンビニでも店ごとにどの商品を入れるかはオーナーの判断だったようだ。しかし最近はプライベートブランド化が進んでいて、コンビニの種類ごとに固定化されつつあるように感じる。

 製造メーカはハムメーカーが多いようだ。

 違う種類を食べて比べる楽しみや、さらに美味しいものを発見する喜びもある。


 しかし、もちろん、当たりはずれがあり、不味いものは不味い。


 ハズレその一は「ハムっぽいもの」。どんな風なのか説明しにくいが、塩味はするけど、あまりおいしくない。さらに乾燥が弱く少し生っぽいのだ。

 これについては「おいしくない」と表現すると語弊があるかもしれない。俺が今このシーンで求めているのは、ジャーキーであってハムではないのだ。ハムはハムとして食べるなら十分おいしい。

 次に辛すぎるもの。「辛口」と大抵書かれているから辛いのだろう。トウガラシが強すぎて口がヒリヒリになるものもあった。

 胡椒が強すぎるもの。粒胡椒や粉の胡椒の量が多いらしくて、こちらもキツイものがある。

 良く分からないが不味いもの。塩・胡椒が弱すぎたり、燻製の匂いがきつくて好みでないものがある。

 あとは単純に肉が加工品で、肉自体が不味いものがある。これはドラッグストアなどに置かれていることが多い安物に多い。これは長方形の厚紙みたいなやつで、油で固めてあるからか、材料そのものが美味しくないようだ。


 コンビニには「厚切り」や「千切って食べる」タイプもあるが、グラム単価が高くてコストパフォーマンスが悪く手を出しにくい。

 あまり肉が大きくて固いとあごが痛くなる問題もある。


 俺の好みはテングの商品に近いタイプだ。

 肉を切って乾燥させた感じのまさに干肉に見えるもの。

 味は適度な塩胡椒に醤油ベースの味付けが美味しく感じる。

 今日購入した燻製タイプは例外的にそれほど臭いがきつくなくて美味しかった。


 市販品はニュージーランド牛が流行っているらしい。ジャーキーには脂身の少ない肉質が好まれる傾向にある。


 安いけれど不味い粗悪品は、残念ながら商品棚から消えてほしい。たとえドラッグストアであってもだ。店員は自分で買って味を確かめていないのだろう。

 そのような商品は、最初の1回は買うとしても、なかなかリピーターにはならない。



 そして異世界またはVRMMOの干肉についても書いてみようと思う。

 中世の文明レベルでは、冷蔵庫が発達していない。

 そのため保存食が普及していて、干肉、ジャーキーもその一つだ。

 当然のようにハムとソーセージ、ベーコンなどもあるだろう。

 また魔法などで一定の低温環境が実現できれば、熟成・エイジングと呼ばれるものも可能になるかもしれない。


 しかし何といっても、一番手軽なのが干肉なのだ。

 俺好みとは言えないかもしれないが、肉類に塩・胡椒があれば、あとはお好みで燻製やハーブを効かせるだけで、作ることができる。

 ハムのようにしばったり色々する必要もないし、ソーセージのように腸に詰めたりする大変な加工は不要だ。

 実際は似たりよったりなのかもしれないけど、詳細まではわからない。


 ということで俺の作品には、異世界ではポコジャーキーという羊風の干肉が出てくる。書いてる途中のVRMMOものでは、モンスターの肉は決まって干肉にするようにしている。


 なに? アイテムボックスに入れて置けば腐らないから普通に肉も保存して料理するだって?


 確かにそういう作品も多い。ではアイテムボックスを持っていない現地人、住人はどうしているだろうか。

 やはり干肉にして持って歩き、硬い干肉を粥やスープに小さく切ってから入れて食べる。

 冒険者ならそういうサバイバル的なことをするのが多くなるだろう。

 ハンバーグにステーキに牛丼、すき焼き、日本風焼肉。もちろん、そういう日本の食事を持ち込むという話も面白い。

 それとは別に、ファンタジーで冒険者としての楽しみかたというのだろうか。

 とくに転移直後やVRMMOを始めたばかりでは調味料もろくにないから、飯はまずいんだよ。

 そして他の冒険者はみんな、干肉しか持ってないんだよ。

 っていう現地を体験する楽しみ、不自由を謳歌するみたいなのがあってもいいと、俺は思う。


 中世にしろ異世界にしろ、塩だけの干肉はあまり美味くない。美味しいのは胡椒が効いていると相場は決まっている。

 しかし香辛料は、高価という設定が多いので、美味しい干肉は高価になってしまう。

 創意工夫、とくにハーブと燻製の活用など、美味しくして女の子に喜んでもらえるための工夫、そういうのもあってもいいんじゃないかと思う。



 他にもこんな話を妄想してみる。

 ドラゴンを討伐したぞ。ほぼ誰も食べたことがない最高級肉だ。

 しかし、時間停止アイテムボックスを持っていない。

 干肉にしよう。

 いや、干肉なんてもったいないことはできない。

 でもここでステーキで食べても余ってしまう。

 腐ってしまうから、干肉に加工するほうがもったいなくないんだ。

 大量のドラゴン干肉を、魔法袋に入れて持って帰るA級冒険者たち。


 どうだろうか。

 流行らないし日刊にも載らずブクマもつかないかもしれない。

 それでも異世界のちょっとしたエピソードとして、異世界をのぞき見したような、ワクワクを感じないだろうか。



 俺はこれからも、現実で美味しいビーフジャーキーを追い求めるし、異世界でもVRMMOでも、モンスターのお肉は積極的にジャーキーにする話を妄想して、そしてたまに執筆して、そういう話が出てくることも楽しみになろう小説を読んで回る日々を送るだろう。


 願いが叶うのなら、一度、胡椒の効いた最高に美味い羊の干肉を食べてみたい。


 皆さまにも、ジャーキーと干肉のよい出会いがありますように、この世界と異世界の神々にお祈りを捧げる。


 アーメン。



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― 新着の感想 ―
[一言] 刺激されました。 いち干し肉愛好家として作品を仕上げます。 私もジャーキー大好きです!
[一言] 価格設定で こういう干し肉と精肉ってどっちが高いんでしょうね?
[良い点] わかるわかるぞぉぉぉ!! 昔児童文学のファンタジー小説でなぜか硬いパンと焼いた干し肉に(焚火には特に水蒸気が含まれているので柔らかくなる〉チーズという割とがちがちな描写の入った小説を読んで…
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