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システムナビゲーションと一緒!  作者: ハヤニイサン
エピローグ
28/29

之共に元え




『要するに高次元生命体が司る事象は

 其れこそ、

 人が認識し得ること総てに渡っているのです。

 ですから、

 其れに伴って高次元生命体も其々の事象毎に

 受け持っている存在が居るという事になります。

 具体的な例を挙げれば…

 この空に浮かぶ星を担当している物も居ますし、

 勿論この大地を担当している物も居ます。

 ですが、其々存在している場所が異なりますので

 会おうとするならば、場所を特定しなければならないのです。

 また、同一の事象を司る存在も複数居ますが、

 其々に位階が異なっています。

 結論を言うならば!

 私に遇えた幸運をもっと噛み締めてですね―――』




 俺達は現在、聖女ちゃんが高次元へと至った存在から、

 異なる世界を渡る為に必要な知識を学んでいる最中だ。

 といっても、殆どがシスターシャから聴いた話なのだが



『ケントさん!

 聴いていますか?

 貴方が元居た世界に帰りたいというので

 私が尽力しようと頑張っているのですよ?』


「解ってるよ。

 有り難いと思ってる。

 要するに、君が司る≪生死≫の事象で

 俺を彼方の世界に送ろうって事だろう?」


『……そういう事です。

 何で殆ど聴いていなかった様なのに 

 理解しているんですか…』


『フフフッ

 私が居ますからね。

 殆どの事はもう総て

 私とケンタロウ君は把握しているんですよ♪』


『うっ……

 また出た…

 貴女と彼が仲睦まじいのは解りましたから、

 そんなにも惚気ないで下さいよー』


「ハハッ

 悪いね。

 俺とシスターシャの仲だから目を瞑って欲しい。

 …ところで、

 一応君の口から最終確認として聴いておきたい。」


『……ハァ

 解りました。

 では、貴方の送還方法ですが、

 第一に貴方には死んで貰います。

 第二に転生という形を以って彼方の世界に移動させます。

 以上ですね。』


「おいおい、説明が短いよ。」


『むぅ…

 解りました、解りましたよ。

 ケントさんは、

 死んだ後に高次元に至ります。

 それは、童貞(・・)のまま

 ナターシャ=シスターマ様を至上(・・)に愛するという

 条件を満たしているからですね。

 それから、高次元に至った後、

 今までの様な不老不死の身体で

 彼方に転生して貰います。

 …その事についてはお詫びを。

 如何しても高次元に至ってしまうと

 転生体はケントさんの様な身体になってしまうのです。

 後は、記憶の方ですが…多分大丈夫です。

 ……勿論根拠はありますよ。

 ケントさんとシスターシャ様が契約している為、

 一緒に移動する場合に限り、

 その絆のお蔭で次元が移動しても損なわれない筈です。

 其れでその際には、

 シスターシャ様もケントさんと同様な肉体を持つ事となるでしょう。

 但し、高次元生命体では無くなってしまいますが…

 そうなってしまうと

 【システムナビゲーション】の便利な機能が――――』


「『望むところだ。』」


『うっ……

 まだ説明の途中で

 ハモって打っ手切らないで下さいよぅ

 此方が惨めな気持ちになっちゃいますよぅ』


「悪いね。

 俺達は一心同体だから…

 君には苦労を掛けさせてしまったようだ。」


『フフフッ

 そうですよー

 私達は一心同体で最強ですから。

 たといどんな困難が待ち受けていようと

 如何という事はありません。』


『……

 困難で思い出しましたが、

 貴方達はイレギュラーとして

 彼方の世界に渡ります。

 その所為で何か歪みが生じるかもしれません。

 というか、絶対生じます。

 ですので、

 その歪みは貴方達が責任を以って解消すると約束してください。』


「『勿論!!』」


『……また……

 ハァ……

 もういいです。

 其れでは行っちゃってくださーい』



 その言葉を最後に俺達は光に包まれる。

 だが重要な事を彼女にまだ伝えてない。



「最後に!

 君の名前だけど!

 良かったら俺が考えた名前を使ってくれ!

 君の名前は…

 ホリー・L(レディ)・バース」


『……最後に何て爆弾投げつけてくるんですか!

 こんなの嬉しいに決まってるじゃないですか!


 ……絶対、

 絶対に。また逢いましょう!!

 待ってますからね!!

 私!人外だから!待てますから!』


「『勿論ですとも――』」


『消え際でもハモらないでよーーー!!』




 ……

 ……

 …




 俺達は今、荒野のど真ん中に立って居る。

 本当に戻って来たのか半信半疑ではあるが

 隣で彼女の確かな息遣いを感じられるので

 無事転生に成功したと思わざるを得ない。



「此処が貴方が元居た世界ですか……」


「ようこそ、いらっしゃい。

 君の声が漸く空気を通じて感じられているのに、

 何か変な感じなんだよね。」


「フフフッ

 私もですよ。

 私も肌に耳に鼻に目に口に

 五感の総てを使って貴方を感じたい。」


「やっぱり、君は過激だよね。

 一体誰に似たんだか…」


「フフッ

 貴方も思ってるくせに♪」


「ハハッ

 そうは言うけど、

 君だって触れる事を恐れている…

 ううん、違うな…そう。

 躊躇ってる。

 これが夢でない事を願ってる。

 だから踏ん切りがつかないんだ。」


「貴方が思ってる事の説明を有難うございます。

 フフッ

 勿論私も思ってますけどね♪」


「よし。

 こういうのは勢いが肝心なんだ。

 俺が十数えるから―――」



 残りの言葉の総てを言い終える前に…

 俺達は事前に示し合わせたかのように


 互いの手を取り合った…重ね合わせた



 掌に感じる温もりは…


 以前から知っている


 感じた覚えのある


 確かな心地良さ


 何も新鮮さは無い


 ただ有るのは当り前


 だってこの温もりなら


 とっくに感じていたもの


 先に心を通わせた俺達には


 その程度のものでしかないよ


 俺達は直接触れ合う以上の事を


 もう既に経験し尽くしているから


 だけど それでも嬉しくも喜ばしい


 何故なら 俺達は同じだと感じられる


 俺達はずっと一緒に存在し続けられると


 俺と彼女は 思わずにいられないのだから


 この気持ちを共有できた事実は尊いのだから


 だからこそ 共に世界に在れる幸せを感じよう


 世界の人達との間に 新たな縁を重ね合わせよう


 それ故に 今こそが俺と彼女の新世界を創世する時


 俺と彼女は光輝く未来たる 新世界を待ち望んでいる


 手始めに この世界へ帰って来た目的を果たすとしよう




「じゃあ、君を俺の両親に逢わせなきゃね。

 その為に帰って来たようなもんだから。」


「えぇ。

 たといご存命でなかったとしても…

 私が実体を伴わなかったとしても…

 私達は報告しに帰って来たことでしょう。」


「あぁ。

 俺が彼方の世界に転移した事は

 決して間違っていなかったと…

 此処まで君と来た道程は

 決して寄り道ではなかったと…

 報告するために。」


「「新たな人生の


  門出を迎える為に。


  共に歩もう。


  共に導こう。


  共に支え合おう。


  そして傍に


  ずっと一緒に。」」






***



 

 斯くして


 ふたりでひとりの物語は決着と相成った。


 然れども


 彼彼女にとって人生の終わりは果てない。


 何故なら


 彼彼女は之からもずっと一緒なのだから。



 ()らば その道程は 地獄と成り得るか


 ()らば 彼彼女は その道程を厭うのか


 ()らば その道程の 袂を分かたぬのか



 そは 心ななり



 細工は我流 仕掛けも程々


 後は 個々の心のまにまに






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