表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第3話 3年前の複雑な事情。


―――――3年前。



「お母さん!お母さんお母さんお母さん!!」

「何よ〜頭悪いオウムみたいに〜」

「オーディション!オーディション受かった!!」

「何の〜?」

「やったぁ受かった!受かったんだよお母さん!」

「なんのだっつってんだろがいボケ娘」

「モデルだよ!」


神崎ゆりあは、某化粧品のイメージモデルに100人の中から見事抜擢された。


「あたしモデルになったんだよ、これでワンランク高い醤油が買えるよ」

「そうねぇ、お父さんとゆりあと2回給料日があるから、給料日直前の『日本人は米を食べる のよ、肉なんてもともと食べなかったの、だから今夜は米オンリーよ』の夕食がなくなるわ ねぇ」

「ただいまぁ」

「あっ、慎帰ってきた」


神崎慎(かんざきしん)13歳が帰宅。ゆりあの弟。


「慎っ、あたしね、モデルのオーディションに受かったんだよ!」

「え、マジ?」

「元気と書いてマジだよ!」

「本気じゃね?」

「んなこたぁどーでもいいの!明日初仕事なんだ〜♪」



―翌日―


「ゆりあ、38度5分よ」

「アホだな姉ちゃん、昨日喜んで遅くまで野外ファッションショーなんてしてたから・・・」

「今日仕事なのにぃ〜・・・・・・」

「そーねぇ、ニート脱出の晴れ舞台だったのに」

「ニートじゃなくて学生だよぅ〜・・・」

「今日は安静にしてなさいね」

「だ、だめだよ〜、休んじゃダメって言われてたのに」

「だってあんたそれで行けるの?」

「いげない〜」

「も〜、じゃ、慎行きなさい」

「そーだね、オレが行くわ。・・・って、は!?」

「慎がゆりあのフリしてけばいいでしょ?あんた可愛いんだから」


基本的に母親は変人だった。

しかし彼女の命令は絶対なので、慎はカツラをかぶり女装し、撮影会場へ向かった・・・。



「あれ!?オーディションの時より綺麗じゃない!?」

「(マジかよっ)あぁ〜・・そうですか?ありがとうございます・・・・・」


・・・・・・とそんなこんなでスタッフは『神崎ゆりあ』ならぬ『神崎慎』をとっても気に入ってしまった。


本当の神崎ゆりあは、後日の撮影にウキウキと向かったところ偽者だと言われ追い返されてしまった、という悲しい結末を迎えたお姉さんなのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ