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happy time  作者: TOURU
3/10

会いたい

気がつくとあの夜のことばかり思い返してしまう。

現実だけど夢だったようにも思える時間。

名前、聞いておけば良かった。


-----

彼は静かに言った。

「名前は?」

「えっ」

「あんたの名前。教えて?」

「あっ、、いちご、佐藤いちご・・です。あのっ!私もあなたの・・・」

えっ。

彼が一瞬真顔になったので、私は思わず言葉がつまった。


だけど彼はすぐにふっと笑い、言った。

「いちごか。おいしそ~な名前。」

そう言って、何故か私をじっと見つめてくる。

自分でも顔がほてるのがわかる。

「あのっ、何ですか・・・?」

「・・・別に。さっきの仕返し。」

あっ、またさっさの意地悪な顔。

「じゃあ、俺帰るから。気をつけて帰りなよ。」

そう言って、彼はさっさとギターを片付け、公園の出口の方に歩いて行き、見えなくなった。


あ~あ、あの時私も名前聞こうとしたのになぁ。


彼とはそれきり一度も会えていない。

仕事帰りに通る公園からギターの音が聞こえてくることはなくなった。


あれからもう1ヶ月。

まだ公園を横切るとき、つい期待してしまう自分に驚いてしまう。

今日はいるかなって。

何であんな身元も知らない彼が気になるのか。

普通は夜一人でギター弾いてる人なんて怖くて関わりたくないよね。

でも、一緒に歌ったあの楽しさが忘れられない。

もう一度会いたい。

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