表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
happy time  作者: TOURU
2/10

重なるメロディー

時間は夜の20時過ぎ。公園にはもう人影はない。

一目惚れ・・・ってこういうことなのか。

白いシャツにジーンズ姿。ベンチに座りギターを弾く彼の姿から目が離せない。年は20代後半くらいかな。音色が心地好い。心が満たされてゆく。

このままずっと聞いていたい。あっ、きれいな指・・

「あのさ、、」

突然音が止む。

「そんなに見つめられたら照れるんだけど」彼は少しうつむきぎみに、片手で髪を触る。

「! ごめんなさい、そうですよね」

恥ずかしい~!私は彼に言われるまで自分のその行為に気付かなかった。ほんとに無意識だったのだ。

一瞬の沈黙。


破ったのは彼だった。「まぁ、別にいいけど、、この曲歌える?」

私は思わず笑顔になった。

「はい、歌えます!!」

嬉しかった。心のどこかで思っていた。この音色に合わせて歌ってみたいって。

「よし。じゃあ最初からな」

彼は満足気に笑い、ギターに手を添える。

私の大好きな最初の伴奏がはじまる。耳を澄まし、息を吸った。

最初の第一声。私の声がギターの音と交差し、糸を紡ぐように、ハーモニーが生まれる。その音が耳に流れる。心地好い。やばい、気持ちいい。楽しい!


最後のメロディーを歌い終え、私は何とも言えない満足感に包まれていた。

彼と目が合った。彼は少し驚いた様子で私を見た後、にやっと笑い意地悪な表情を浮かべる。

「ありがとう。あんたの声良いね。すごく気持ち良かった。」

その声色が何だか色っぽくて、少しドキドキした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ