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happy time  作者: TOURU
10/10

着信音

大好きな音色が聞こえる。

優しい音色。


あれ。朝?


2度寝の誘惑を振り切り、携帯を開けるとメールがきていた。

今何時・・


えっ!!

もうこんな時間!

時計を見るといっきに目が覚めた。


早く用意しないと。


私は急いで家を出た。


良かった。

何とか間に合いそう。


そういえば、メールきてたな。


あっ、坂本さんから。


(昨日はありがとう。楽しかったよ。二日酔いとか大丈夫?今日も仕事頑張ろう。)


そうだ。昨日アドレス交換したんだった。



返信を何て返そうか考えていると、後ろから声が聞こえた。


「おはよ」

相変わらず笑顔がさわやかだな。


「坂本さん、おはようございます。昨日はありがとうございました。メールありがとうございます。すみません、今見ました。」


「こちらこそありがと。俺も楽しかったよ。今見たの。笑 もしかして、寝坊した?」

「・・・はい。」

2人で話しながら会社に向かう。昨日の食事でなんだか距離が縮まったみたい。

「今日は例のイベントの会議が一日中あるんだ。」

「1日中ですか!?大変ですね!」


イベントの・・そっかぁ。ということは、影山社長もくるのかな。


「どうしたの?」


坂本さんが不思議そうに顔を覗きこむ。


やばい。私また影山社長のこと考えて・・。


「いえっ。すみません。何かぼーっとしてました。では、また。会議頑張って下さい。」

受付に着いたので、軽くお辞儀をして坂本さんと別れた。



午前10時過ぎ。予想は的中した。


影山社長だ。

「こんにちは。海外イベントの件で伺いました。A会議室に行きたいのですが。」


真っ直ぐ向けられた視線に何だか落ち着かない気持ちになる。


「こんにちは。ご案内させて頂きます。」


私は平静を装い笑顔で答えた。


「ありがとうございます。」


彼は相変わらずの他人行儀。


エレベーターに乗ると、突然着信音が鳴った。

しまった!マナーモードにしてたはずなのに。

「申し訳ありません!」

私は慌てて携帯をポケットから取り出す。


あれっ?何もきてない。


「申し訳ない。俺の携帯だ。マナーモードにするの忘れてた。会議の前に気付いてよかった。」


影山社長は慌てて携帯を取り出し、少し恥ずかしそうに笑った。


「いいえ。大丈夫ですよ。」


私は嬉しくてつい顔がゆるむ。何だか彼の素顔が見れた気がする。


私の携帯じゃなくて良かったぁ。

あれっ?てことは、、、

あの曲、私といっしょだ!!



「おはようございます!」


会議室前に坂本さんがいた。

「影山社長、本日はお忙しい中ありがとうございます。どうぞ中へ。」

坂本さん、緊張しているみたい。

会議室には、たくさんの人が集まっていた。


「では。失礼します。」

私は2人に頭を下げ、受付へ戻った。



びっくりした。

着信音。影山社長が公園でひいてた曲だ。

私の大好きな、思い出の曲。


彼にとっても何か特別な曲なのかな。


なんとなくそんな気がした。




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