第六話 東京孔封じ込め「東京孔もんどり作戦」許可
孔の直径は既に25mとなり、かなり巨大なビルが飲み込まれ被害は拡大していく。
速度も人が歩くレベルまで加速しだした。もう猶予はあまりない。
時間から割り出すと皇居に到達する頃には40m弱の大きさだと予測される。
被害は甚大になりこのままでは東京壊滅かもしれない。
大泉は水路を作り一か八か運を天に任せても行動しなければ皇居すら守れない。
直ちに高内総理大臣に面会を申し込む。
執務室に入るとアメリカ大統領からから事態の説明を求められている所だった。
このまま止められなければ東京、日本、いや最終的に世界が危ないかもしれないのだ。
大泉防衛大臣は高内総理大臣に水を避けるかも知れない事、皇居方面へ向かう東京孔の封じ込め作戦を実施したい事などを説明した。
場所は青山墓地の皇居側、参議院議長公邸、衆議院議長公邸、メキシコ大使館のある位置だ。
場合によっては建物を破壊せざるを得ないがその許可と連絡を申し入れた。
「水ならば皇居には堀があります。小さい川では超えてしまうのなら大きさに合わせかなり大きな工作になるでしょう。許可します! 大使館、自治体に協力を申し入れ、直ちに作戦の立案と実行をお願いします」
「はっ!」
もんどり とは魚を捕らえる為の罠である。
◇◇◇◇◇
この時点で赤羽の荒川河川敷に新たに未確認の孔が見つかり、東京孔は5つ目となった。これはなんと土手を昇って来たのだ。
片瀬 千尋の言う通り土地の高低差は余り関係ないようだが、孔の直径に比して荒川の幅が広いからか水を避けて都心方面へと向かったのかもしれない。
孔はおおよそ30mに達し、通常の家屋はそのまま飲み込まれる状態になった。
新しく見つかった荒川からの孔は住宅街を蹂躙し北区区役所の放送やサイレンと重なり混乱を極めた。
逃げ惑う人々。飲み込まれる家を見つめるその家族。
最早この現実に立ち向かわなければならない事は東京都民の誰の目にも明白だった。
室井博士曰く、劇映画のゴジラよりも厄介で退治出来ず、自衛隊も武器を使用しても何もならない為、避難誘導に専念した。
それでも被害は拡大し、新たに逃げる最中に転ぶなど怪我人が28名、孔による行方不明者は7名に及んだ。
病院からは都内で協力しあい歩けない患者達が救急搬送される。
臨海副都心の孔は動きは海に遮られジグザグとなるが被害はかなり甚大だ。
埠頭に並ぶ貨物コンテナはめちゃくちゃに孔に落ち、大型のビルも飲み込まれ始めた。
恐らくこのままだと未来館へ向かいダイバーシティの巨大施設にまで被害が及ぶと予測された。




