第十四話 荒川放水作戦
室井「孔は水場を避けますが、もしかすると雨や水責めに弱いのかもしれませんね」
荒木「それはどうでしょうか? 地面の足場として水を避けているだけなのかもしれませんよ」
大泉「いや、そうかもしれませんが今は対処の可能性があれば何でもやってみるべきでしょう」
荒川河川敷に大型放水車両を並べ荒川の水を一斉放水してみるという作戦だ。
水の上を避けると言う事は水が中に入れば問題になるのかも知れない。
これまでの全自動掃除機のような動きから故障を避ける為なのか理由は判らないが足場が水の場合、向きを変える事は事実なのだ。
考えてみれば確かにこれまで天候は雨もなかったが水を嫌うのなら放水すればどうなるのか? は解決策の一つになるかも知れない。
今の所、孔の進路は正確に予測出来ている。
大泉は荒川土手に放水車両を数多く並べた。埼玉など近隣の消防からも掻き集められた。
消防隊員達は必死にホースを延長して対処した。
東京消防庁は職員約18000人以上を擁する日本最大の消防で赤羽消防署を始めとして近隣の精鋭隊員が集められた。
ハシゴ車両を伸ばし、遠くの孔の状況を゙確認しながら準備と指揮が始まる。
消防署長は放水が届く範囲も正確に把握している。
移動線上からかなりずらしても今の速度でゆっくりと前を通過するなら充分に命中する配置だ。
準備は間に合い、孔がゆっくりと現れた。土手を下り真っ直ぐに荒川へと向かう。
野球グラウンドの上を通過している。
直径が60m近くになると子供の野球グラウンドなど全面が孔に入ってしまうように見える巨大さだ。
普段、消火放水のプロフェッショナル達が構える。
ハシゴ車両から見守る消防署長が拡声器で合図を送った。
消防署長「全車両放水開始!」
巨大な孔のほぼ中央に放水が集まる。
大泉「頼む! 上手くいってくれ!」
全ての放水が正確に孔に当たる。
しかし孔の移動速度は変わらず止まらない。
約100mに渡り1分以上放水したが、、、。
消防署長「放水やめ!」
一斉に放水が終わった。
室井「ダメだ。余計に巨大化した、、、」
大泉「逆効果だったのか!」
消防署長「河川側の車両はもっと後退!」
更に成長した孔は消防車両にまで当たりそうだった。
消防署長「全員避難準備! 荒川で跳ね返って来るぞ!」
目の前で最悪が起きてしまった。
更に巨大化した孔はそのまま荒川を超えた。
マスコミのヘリがそれを中継した。
大泉「筒美警視総監! 埼玉へ緊急に連絡を!」
筒美警視総監「はい。埼玉県警の野村本部長に各署長へ対処するよう連絡します」
荒木教授は事の次第を千尋へ連絡した。
◇◇◇◇◇
千尋『そ、そうですか。判りました、ご連絡ありがとうございます』
浩「千尋。どうした?」
千尋「孔が荒川を越えたわ。こっちに来る!」
浩「大変だ。直ぐに避難しよう」
千尋「もう、何でこんなに理不尽なのよ!」




