前へ目次 次へ PR 76/80 帰れない夜 遠くに見える窓灯り あれは私が帰る場所 曲がりくねった 夜道は遠い 月が隠れた 夜道は暗い あの家で 待っているのは誰? 懐かし色の灯がともる あの窓の内側で そのとき 北東の黒い空から ペルセウス流星群が 降ってきて 一羽の鳥が舞い降りた 妖艶なネオン色の羽を 道いっぱいに広げて 行く手をさえぎった あやかしの鳥 うつくしい鳥 あやかしの色 うつくしい羽 どんな声で 鳴くのだろう 耳を澄ませて 待っているうちに 家はどんどん 遠ざかり ついには 見えなくなってしまった 今夜も あそこへは 帰れなかった なすすべもなく 羽に触れてみた 宝石の冷たさが 指先から伝播して 迷子の心を 揺さぶった