目次 次へ 1/41 天使の墓所 金色の西陽が落ちる森の奥 天使が集めた魂を 精緻に刻んだ石が建つ 光と影の場所がある 羽を広げて唄うのは 揺りかごのように優しくて 夜風のように静かな歌 天使の御歌(みうた)に誘われて 羽ばたき舞い飛ぶ鳥たちは 墓石(ぼせき)の闇から放たれた 齢(よわい)をもたぬ魂の 光を求める仮の相 天使の歌は無限旋律 風にのり ときにピアノ ときにピアニッシモ 薔薇が聞き耳を立てて 香しく開くとき 降る陽は 聖なる色を帯びる ~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~